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「確かに、他の店と比べると珍しいですね」
「・・・でも、味は天下一品」
「リリーさん、お勧めの店ですから期待してます」
「・・・注文、決まった?」
「俺は、担々麺の炒飯セットにします。カオリは?」
「私は、点心セットにする」
「・・・じゃ、呼ぶ」
テーブルの呼び鈴を鳴らすと、直ぐに「はーい!ご注文お決まりですか?」と、フォンファさんがやって来る。
「・・・担々麺のチャーハンセット、点心セット、後はいつもの」
「はい!有難う御座います。少々、お待ち下さい」
「・・・この店は、フォンファの家族だけで経営してる。料理は全て手作りだから、ちょっと時間が掛かる、けど量も味も太鼓判」
「それは、楽しみですね」
「・・・此処は魔導アーマーを脱げるから、凄く楽」
「そう言えばリリーさんは何故、魔導アーマーを普段から着用されているんですか?」
「・・・護身の為と、人見知りだから」
魔導アーマー自体は、使用者の身体に負担を掛けず、使用者の衛生面もきちんと配慮されており、高性能な物は水中や高温の炎の中で活動する事も可能だが、どう言っても鎧兜を着ている様な物だ。
脱げるのは、精神的に楽だろうな。
そんな話をしながら、待つ事10分程「お待たせしました!」と、フォンファさんが台車を押して料理を運んで来た。
円卓の上に、料理が並ぶ。
俺とカオリの分は、それぞれ自分達の前に置ける程度だが、リリーさんの分は、デカい円卓を埋め尽くす。
豚の丸焼き?が1頭分、大皿に饅頭が大量に積まれ、その他の料理が置かれる。
此れを独りで消費するのか、マリーさんもそうだが、その食いっぷりは見ていて気分爽快になる。
「・・・リョウ、肉饅頭1つあげる、カオリには、小籠包をあげる」
「有難う御座います、リリーさん。でも、後でお腹空きませんか?」
俺は心配になり、聞いてみた。
「・・・大丈夫、オヤツは確保済み」
なる程、心配は必要なさそうだな。
昼食を終え、店を出る。
会計は、俺が支払った。
ちょっとくらい、カッコつけさて貰わないとね。
「フシュー、御馳走様、プシュー」
「いえ、久しぶりに好きなアニメの話が、出来た御礼ですよ」
「フシュー、リョウ達は、此れからどうする?、プシュー」
「俺達は、狩りに出ようかと思います」
「フシュー、そう、気を付けてね、プシュー」




