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大食堂でマリーさん姉妹と、一緒に夕飯を食べる事になった。
「・・・そんなに見られると、恥ずかしい」
「す、すみません」
俺は、慌てて目を逸らす。
「リョウ〜、お姉ちゃんの事、好きなの〜?」
「いえ、そんな事は」
「・・・嫌い?」
「いえ、嫌いじゃないです!」
「・・・昼間も、見てた」
「申し訳ありません。その何と言いますか、ギャップが激しくて、つい。昼間と御姿が違う様ですが?」
「リョウ、ギャップ萌え好きだもんね?」
「カオリ、言わなくて良いから」
「・・・仕事中は、魔導アーマーを着ている」
「う〜、何か、悔しい〜」
「マリーさんも、可愛いですよ?なる程、そうでしたか」
「有難う〜、リョウ〜」
魔導アーマーか、ゴーレム技術の応用で、身体に装着するタイプとロボットの様に、中に入って操縦するタイプが有った筈だ。
デカい物は10メートルを越える物も有り、巨大ロボだよな等と考えて居たら、マリーさんが8人掛けの席に座る。
で、頼んだ料理の量を見て、パン屋で食べたパンの量を思い出した。
マリーさんもお姉さんさんも、頼む量が半端無い。
一皿の料理の量が、全て山盛りになっている。
あんな小さい身体の、何処に入るのか?
ブラックホールか?
カオリも結構な量を食べるが、カオリが食べる量の何倍もある。
俺の分は、少しだけ減らしておこう。
「リョウ〜、シュークリームあげる〜、カオリにも〜」
「マリーさん、いつも有難う御座います」
「・・・じゃ、此れあげる」
マリーさんのお姉さんが、山盛りになったエクレアから1つずつ、俺とカオリ分けてくれる。
「有難う御座います。頂きます」
「有難う御座います!」
何方も大好物だし、カオリも喜んでいる。
夕飯の量を、ちょっと減らして正解だったな。
「失礼ですが、マリーさんのお姉さんの御名前を、お伺いしても宜しいですか?」
「・・・リリー」
「有難う御座います。素敵な御名前ですね」
「・・・有難う」
リリーさんは、ちょっと下を俯向いて礼を言う。
不機嫌にさせてしまったかな?
「お姉ちゃん〜、照れてる〜、珍しいね〜」
マリーさんが、ニコニコと笑いながら言う。
「・・・別に、照れてない」
リリーさんが、ぶっきらぼうに答える。
凄く対照的な2人だ。
「マリーさんも、リリーさんも仲が良いんですね」と、カオリが笑いながら言う。
「うん〜、仲良しだね〜」
「・・・姉妹だから、仲良し」
仲が良いのは、本当にいい事だ。
「・・・そう言えば朝、マリーからフィギュアを貰った。有難う」
「いえ、喜んで頂けたなら良かったです。因みに、何方を選ばれたんですか?」
「・・・『破壊大帝、エント』アレは、可愛い。でも、お昼に貰った『お気楽極楽、インフェルノ・アルマジロ』も可愛い」
「分かります」
俺も、気に入っているフィギュアなので気持ちは分かる。
「リリーさんは休み無く、お店をやってるんですか?」
「・・・不定休」
「なる程、明日お店はやりますか?」
「・・・うん、そのつもり」
「分かりました。また明日、行きますね」
リリーさんが、ちょっと驚いた様な顔をしながら「・・・分かった」と、返事した。




