31
「・・・やろう、ぶっころしてやる!」
俺は某青い猫型ロボットが、漫画で言っていた台詞と全く同じ言葉を叫んだ。
「リョウ、落ち着いて!?もう、大丈夫よ!?」
「いいや、汚物は消毒だ!」
俺はルシファーを最大出力で発砲し、極太のレーザーが洞窟内に爆発と粉塵を巻き起こす。
「リョウ!洞窟が崩壊しかねない!もう、殲滅し終わっているから、落ち着いて!」
何故、こんな事になったのか?
遡る事30分前、俺はカオリと共に洞窟内に入った。
魔法で照明を出して、辺りを照らす。
「お!こんな所に、採取品の茸があるな、摘んで行こう」
この茸は、煮ても、焼いても、揚げても美味しい茸で、買い取り金額も高い。
先に進むと、ヴァンパイアバットが5匹襲って来た。
ヴァンパイアバットは、体長が1メートル程で吸血と超音波による麻痺攻撃をしてくる。
羽や牙を、ギルドで引き取ってくれる。
肉は食用にはならないが、肉食系のモンスターの餌や、釣り餌に使うには丁度いいし、解体はギルドで有料だが頼める。
俺がルシファーで全て撃ち落し、カオリが次元収納に仕舞う。
次に出てきたのは、ミラージュスパイダーが1匹。
体長が2メートル程の徘徊性の蜘蛛で、動きが非常に素早く毒牙と粘着性の糸を使って攻撃してくる。
ギルドに持って行くと、有料で糸を取り出してくれる。
この蜘蛛の糸は強靭で、武具の素材やワイヤー等に幅広く使われていて、糸を加工してくれる店が数店舗あるそうだ。
此方はカオリが、魔導光学ソードで串刺しにして、次元収納に仕舞った。
先に進むとミラージュスパイダーが、密集している所に出食わした。
全てルシファーで片付け、カオリに収納して貰う。
数は、全部で8匹。
何故、密集していたのかと思い見てみると、糸に包まれた何かが複数あった。
どうやら、食事中だったらしい。
俺達は、糸に包まれた物を避けて先に進む。
今の所、洞窟は一本道で迷う事が無い。
少し進むと、かなり広い空間に出る。
奥の方から、川が流れているのか水音が聞こえる。
「リョウ、此処から左側と真っ直ぐ奥に洞窟が続いているわよ?」
「うん、ひょっとして終点かな?」
そう言って、左側の洞窟の先を覗き込む。
其処で俺は、見てはならないモノを見てしまう。
体長が、約1メートル位の黒い悪魔Gが大量繁殖している。
「ヒッ?!」
「リョウ、どうしたの?何があったの?」
俺は、ルシファーを抜き連射する。
一斉に動き出すG、俺は自分に近付く奴から狙撃する。
カオリが俺の側に来て、洞窟の中を確認する。
「うっ!此れは、ちょっと!」
カオリが、魔導光学ソードを構えて様子を見ている。
「〜?!」
俺は声にならない悲鳴を上げつつ、ルシファーを一心不乱に乱射する。
しかし、数が多い。
俺の足元に、近寄って来る悪魔!
「ひいぃ?!」
カオリが、俺の脇に来て魔導光学ソードで突き刺す。
暫く乱射して、漸く排除が完了する。
大分、魔力を消耗した。
「も、もう居ないな?」
「リョウ、大丈夫?」
「カオリ、もう居ないよな?大丈夫だよな?」
「うん、全滅したと思う」
「そうか、良かった・・・。取り敢えず、早く去ろ?!」
俺の顔面に向かって、飛来する1匹の悪魔。
カオリが、透かさず斬り捨てる。
一瞬の静寂の後、俺は叫んだ。
「・・・やろう、ぶっころしてやる!」
そして、冒頭に戻る。