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異世界転生  作者: MSZ-006
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パン屋さんに到着。


此処のパン屋さんは、外にテーブルとか置いてあるから、オープンテラスとか言う店だよね?


前世じゃ、こんなリア充御用達の店には行った事がない。


店内でも食べれるけど、天気が良い今日みたいな日は、外で食べるのも気分が良さそうだ。


なんて、思ってたら「フシュー、プシュー」と、不穏な音がする。


真後ろに、立たれている!


「か、カオリ、今日は天気も良いし、他の場所に行こうか?」


ちょっと声が、裏返ってる。


「フシュー、昨日ぶり、プシュー」と低音ボイスで、滅茶苦茶逞しい手を俺の肩に置いている!


「昨日の占い師さん?こんにちは!」


カオリが、振り返り挨拶をしている。


「こ、こんにちは。いや〜、奇遇ですね〜。じゃ僕等は、此れで」


「フシュー、昨日は、ゴメン、お詫びに奢る、プシュー」


やべぇ、逃げられん。


「有難う御座います!リョウ、良かったね」


「う、うん。そうだね」


外のデカいテーブル席、パンを乗せたトレイがテーブルを埋め尽くし、様々なパンが山盛り状態になっている。


「此れ、美味しい〜!」


「フシュー、それはお勧め、でも、此方もお勧め、プシュー」


この占い師さん、ガスマスクみたいな仮面してるけど、どうやって食うのかな?と、思って居たら仮面の下に、パンを丸ごと入れたよ?


チョココロネが、一瞬にして無くなった。


俺は前世から大好きな、揚げウインナーパンを齧りながら、占い師さんを眺める。


この人、俺がパン1つ食う間に、チョココロネ、焼きそばパン、メロンパンと、次々に仮面の下に突っ込んで行く。


飲み物とか、どうすんの?


仮面の下にストロー付きのジュースを持って行って、下の隙間にストロー突っ込んで吸ってる?!


「フシュー、見詰められると、恥ずかしい、プシュー」


「いや、すみません。パン美味しいですね〜」


「フシュー、此処は、お気に入りの店、3日に一回は来る、プシュー」


「リョウ、お腹空いて無いの?食べて無いよ?」


カオリが、心配そうに聞いてくる。


「大丈夫だ、揚げウインナーパンが美味し過ぎて、感動したんだよ」


実際、揚げウインナーパンは、とても美味しかった。


俺はトレイの上にある、ハムサンドを取ろうとしたが、同じタイミングで占い師さんの逞しい手が、同じ物に伸びてくる。


手が触れ合い、お互いに時が止まる。


見つめ合う2人。


「ご、ごめんなさい!」


「フシュー、此方こそ、食べる?、プシュー」


「いえ、そんな申し訳ないですよ。俺は、カレーパンを貰いますから」


「リョウ、此方の唐揚げパンも、美味しいよ?」


「そ、そっか、じゃ唐揚げパンも貰おうかな?」


「フシュー、うん、食べて、プシュー」


決して、悪い人じゃ無いと思うが、如何せんマスクと体格にビビってしまう。


「フシュー、怖い?、プシュー」


「え?いえ、そんな事は無いですよ?親切にして頂いて、感謝してます」


「フシュー、昔から、怖がられる事が有ったから、気にしないで、プシュー」


ちょっと肩を落としている姿が、申し訳なくなる。


「そうだ!御礼に、フィギュア要りませんか?」



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