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異世界転生  作者: MSZ-006
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25


朝食兼フィギュア譲渡会を終えた俺達は、歩いて街の外に出た。


さて、何処に行こうか?


「カオリ、何処か行きたい所はあるか?」


「昨日、リョウから貰った武器を使ってみたいから、モンスターが出るなら何処でも良いわよ?」


草原を眺めると、遠くでエントが何かに襲われている。


「カオリ、エントが襲われてる。行こう!」


そう言って全力で駆けるが、カオリの方が遥かに早く現場に到着する。


俺は、後30メートル程で到着する所まで来たが、見るとカオリが人を殴っている。


一体、何だ?!


何故、乱闘状態なんだ?


急がねば!


到着したら、既に戦闘は終了していた。


現場には、傷付いたエントが1体と、男が5人転がっている。


「カオリ、何が有った?こいつ等を、殴ってなかったか?」


「そうよ?私が全部、殴り飛ばしたの。こいつ等、エントを襲ってたのよ」


なる程、エントは保護対象のモンスターで、危害を加えた者は犯罪者として捕えられる。


早く回復魔法で傷を治そうと思いエントに近付くと、怯えて逃げようとする。


俺はエントに大丈夫だと話し掛けて、回復魔法を掛ける。


暫くジタバタしていたが、エントは此方に攻撃意志が無いと分かったらしく、大人しくなった。


「カオリ、すまないが巡回兵を呼んでくれないか?」


此の世界は、軍が警察業務も兼ねている。


だから、犯罪行為を発見した際の通報先は全て軍になる。


「分かったわ」


カオリが、走って街に戻って行く。


さて、エントの傷が大分マシになってきたな。


「痛え〜!クソが!」


と、男の1人が目を覚ました様だ。


「動かず大人しくしていろ、でないと更に怪我が増えるぞ?」と、俺は男に警告する。


「何だテメェは?さっきのクソ女の仲間か?」


「だったら、何だ?」


「ぶっ殺してやる!」


男が手斧を振り被り、襲い掛かって来た。


俺は、胴田貫を出して、男の足を斬り付けた。


「ギィ!あ、足が?!」


「さっき、クソ女と言ったな?その程度で済んで、有り難く思えよ?クズ野郎」


「痛ぇ、おい!大丈夫か?誰にやられた?さっきの女か?」


隣で寝ていた男が目を覚まし、怪我した男を見て騒ぎ出した。


「おい、お前!騒がず大人しくしていろ?でないと、そこのクズ野郎と同じ目に合わせる」


男は俺の言葉を聞き、息を殺して此方の動向を伺っている。


「リョウ〜!」


カオリが、兵隊と共にジープに乗って来た。


「エントが襲われていると通報が合って来たが、間違い無いか?何故、この男は怪我をしている?怪我の処置をしろ!」と、指揮官らしき兵隊が部下に命令を出して、俺に問い掛けて来た。


「た、助けて!殺される!」


「痛いよ〜!早く助けてくれ〜」


「喧しいな、クズ共が。兵隊さん、ソイツの怪我は俺がやった。襲い掛かって来たから、正当防衛だ」


「分かった。エントは、無事だな?取り調べで、同行して貰うが構わんな?」


「嫌だと言っても、しょっ引くつもりだろう?大人しく付いていくよ」


回復魔法で、エントの傷が完全に回復した。


兵隊の中に、モンスターテイマーが居るようで、エントと意思疎通をしている。


「班長、エントから得た情報では、此方の男5人がエントを襲撃したそうです」


「分かった。他の者を捕縛して、車に乗せろ」


「了解!」


「さて、エントの治療も終わったし、行きましょうか?」


俺は、サッサと済まして帰りたい等と考えながら、言葉を発する。


「すまないが、君達もこの車に乗ってくれ」


班長と呼ばれた兵隊が、到着したトラックを指差し言った。


「はいはい、分かりました〜」


「リョウ、どうしたの?さっきから不機嫌ね?」


「カオリ、俺は国家権力が大嫌いなんだよ。でも、矢鱈と歯向かう訳にも行かないだろ?」


俺は軍のトラックに乗り込んで、そうボヤいた。


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