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「何だ〜、誤解か〜」
「さっきから、何回も誤解だって説明しましたよね?マリーさん?」
「でも、リョウさんも悪いです!あんな、ラブラブな所を見せ付けられたら、私だって悔しい!」
「ゴモリーさん?未だに、誤解が解けてませんか?」
「ご、ごめんね。気が動転していて、リョウの事は凄く素敵な人だと思って、取り敢えず私の淡い恋心は、返さなくて良い」
「ネアさん、返す返さないは置いといて、本当に誤解は解けてますかね?」
「私は、リョウ様を信じていました」
「ミリィさん。貴女が、それを言いますか?訴えるとか、言ってましたよね?」
「リョウってば、モテモテね〜」
「カオリ?原因は、お前だぞ?」
現在、食堂にて誤解を解くために孤軍奮闘しております。
先程の凄惨な目撃事件から、かれこれ2時間程。
8人掛けのテーブルには、所狭しと料理や飲み物が置かれて、此処だけパーティー会場ですか?と、言う雰囲気だ。
「大体、俺が出したソファは、どうした?何故、無くなっていて俺はベッドで寝てた?」
「それは、リョウが寝ている私の所に来て『フフフ、ええ乳してまんなぁ、おぢさん辛抱堪らん』って言いながら、私を辱めた」
「ちょっと待て、本当の事を言え!」
「や、やっぱりケダモノ?!乙女の純情を返せ!」
「リョウ〜、オオカミなんだ〜。シュークリーム没収だね〜」
「わ、私を、どうするつもりですか?欲望に塗れた汚れた瞳で、私を舐め回す様に見ないで下さい!」
「リョウ様、やはり私の事は遊びだったんですね。メガネを掛けた君は、とても可憐で美しいよ。なんて、歯の浮く台詞を他の女性にも言っていたなんて、此れは訴訟しか無いですね」
「・・・お前等、いい加減しろよ?怒るぞ?」
スッと、腰の後に手を回して、ルシファーを掴み立ち上がろうとする俺。
「リョウ、ごめんね?本当は、一人で寝るのが寂しくて、リョウが寝てる間に、引っ張って来たの。その時、ソファは片付けた」
ウルウルした瞳で、此方を見上げるカオリ。
「なんだ〜、誤解か〜」
と、マリーさんの再度、同じ台詞。
「リョウだって、悪いんだからね?私好みのイケメンだからって、純情な乙女の私を騙すなんて」
ネアさんが、口を尖らして文句を言う。
文句言いたいのは、此方だ!
「やはりリョウさんは、素晴らしい人でしたね。私は、初めから信じてました。そして、小さくても良いから、庭付き一戸建の家と子供が欲しいです」
ゴモリーさんの妄想が進化してるし、欲望に塗れた云々って言葉は、ツッコまず放置した方が良いか?
「リョウ〜、ごめんね〜。お詫びに、コレあげる〜」
マリーさんから、巨大チョコパフェを頂いた。
「リョウ様、誠に申し訳ありません。私とした事が、つい理性を欠いた理論をぶつけてしまいました。お詫びに、メガネを掛けた私の写真集を差し上げますので、お赦しください」
ミリィさん、反省して無いよね?
誤解を解く為、昨日の出来事やカオリの事まで、全て話した。
此れでやっと、落ち着く事が出来そうだ。




