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遅い夕食を取った俺達は、自分の部屋に戻って来た。
しかし、参ったね。
カオリが人型に変身?変型?出来るなんて、聞いて無かったから。
正確には出来る様になった、が正しいと言われた。
遺跡で誕生する際に俺のデータや知識を吸収し、魔力が蓄積されて言葉を話したり等が出来る様になり、変身?変型も出来る様になったそうだ。
因みに食事は、無くても良いそうだ。
周りに在る魔力を吸収する事が出来るので、特に何もする必要は無い。
けど食べればその分、使用した魔力の回復が早くなるし貯蔵も出来る。
初めて食事したが、食べる事が楽しいらしい。
と、此処までが食事中及び部屋に戻り、話を聞いて分かった事だ。
それから俺達は、遅いので寝る事にした。
部屋には、ベッドが1つしか無いが問題無い。
何故なら、この部屋は自分の自由に、椅子やテーブルを出せるのだから!
取り敢えずカオリにベッドを使って貰い、俺はソファで寝た事が無いから、それをしようと思った。
何か、カッコいいじゃん?
俺はソファで寝るから、お前はベッドを使えみたいなの。
で、起きたら同じベッドで寝てるって、どういう事?
ソファねぇし、カオリが抱き着いてて離れないし、え?テンプレ?実際に起きると、戸惑うし困るよ?
更にテンプレで朝、異性の友人が迎えに来た的な?
「おはようございます。リョウ様」
「リョウ〜、起きてる〜?ご飯食べよ〜」
「おはよー。冒険者は、身体が資本よ?だから、朝ご飯は大事なの」
「私、男性の部屋に来るの始めてです!うふふ」
うん、部屋の外でミリィさんと、冒険者三人娘が待機してる。
「すみません。起きたばかりです。少々、お待ち下さい」
早く支度をしなければ、待たせてしまう。
俺は人を待たせるのが、好きじゃないんだ。
「カオリ、起きろ!」
俺を抱き枕状態にしているカオリを、必死になって起こす。
カオリは幸せそうな寝顔で、俺を離そうとしない。
「ワフゥ〜ン、リョウのH〜、駄目〜」
おい、一体どんな夢見てんだよ?!
「・・・リョウ様?何方かいらっしゃいますか?」と、ミリィさんが冷めた声で言う。
「隊長?!緊急事態です?!吶喊の許可を!」と、ネアさんが叫ぶ。
「どうしよう?!恋人同士の朝なんて、そんなの見たら私、お嫁に行けない!でも、覚悟完了!突入準備OK!」と、ゴモリーさんが覚悟完了して、突入準備もOKらしい。
「リョウ〜、君は完全に包囲されている〜。君は、黙秘する権限がある〜、けど、弁護士を呼ぶ権利は無い〜。突入〜!」と、マリーさんが号令を掛ける。
やべぇ、こんな状態の俺を見られたら、確実に誤解されて仕舞う。
「失礼します!」
そう言って部屋に、ミリィさんを先頭に、3人娘が雪崩込んで来た。
「ワフゥ〜?誰〜、朝から騒がしい」
抱き枕状態で、お互いに密着している現場を目撃DQNされた。
「リョウ様、不潔です。私のメガネは、遊びだったんですね?訴えます」
ミリィさんが、メガネをクイッとしながら冷めた目で言う。
「み、ミリィさん?!メガネが遊びって、意味が判らないです!訴訟は、ちょっと待って?」
「この前、話したら良い人だと思ったのに、こんな仕打ち酷いわ!結婚適齢期の女子を騙すなんて!私の淡い恋心を返せ!」
「ネアさん、有難う御座います。違うんです!騙して無いです。誤解です!恋心って、どうすれば良いんですか?」
「私はリョウさんを、信じていました。でも浮気現場を見せ付けられたら、我慢出来ない!離婚よ!マリーさん、どいて!ソイツ殺せない!」
「ゴモリーさん、俺とは最近知り合ったばかりですよね?色々すっ飛ばして、話が凄い飛んでます!後、誤解ですから殺しは無しです!」
「リョウ〜、私の事、嫌いになった〜?シュークリームあげるから、戻って来て〜?怖くないよ〜?」
「マリーさん、シュークリームは有難いですし、マリーさんを嫌いになった訳じゃ無いですよ?全て、誤解なんです。後、皆さん非常に怖いです」




