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朝食時に、色々と話を聞いた。
ネアさん達は三人でパーティを組んで、冒険者ギルドに登録しているそうだ。
マリーちゃんに気に入られて大量にあるシュークリームの一個を貰い、珈琲を飲みながら食べたけど、美味しいシュークリームだったな。
ゴモリーさんには、新顔の俺が珍しいらしく色々と聞かれた。
歳を聞かれて、はて俺は何歳なんだ?と思ったが、ミリィさんが昨日、目覚めたばかりだと説明してくれた。
中身は、かなりのオッサンだがね。
そんな話の中で一番驚いたのは何と、マリーちゃん改めマリーさんが、一番歳上だった事だ。
此処で、皆の年齢を紹介しよう。
俺0歳、ミリィさん18歳、ネアさん18歳、ゴモリーさん15歳、そしてマリーさん20歳。
少女にしか、見えなかった。
ビックリだ。
この世界は、15歳で成人扱いで、就職も結婚も出来る。
前世じゃ、未成年なんだけどね。
まぁ異世界には、異世界の常識がある訳で。
俺は生まれたばかりだから、何も出来ないのか?と言うと、そうじゃ無い。
クローンで、肉体年齢がある程度成長している俺は、肉体年齢相応の扱いをされるそうだ。
ちょっと、損した気分だな。
食事が終わりネアさん達と別れ、今は河野さんの部屋に居る。
此れから出掛ける旨を、ミリィさんが伝えてくれる。
俺が挨拶して部屋を出ると、其処は既に街だった。
「では、行きましょう」
ミリィさんが、先に歩き出す。
「ミリィさん、お尋ねしたい事があるのですが」
「何でしょう?スリーサイズですか?訴えますよ?」
「いえ、それは知りたいけど違います。転移についてなんですが、転移した際に人にぶつかる事は無いのかなって」
「私のスリーサイズを、知りたいのですか?でも、秘密です。それを知ればリョウ様は、塀の中になります。転移の際は、転移先の障害物を検知します。もし、転移先に障害物や人が居れば転移はされません。因みに転移を、攻撃として使用も出来ます。対象を壁に減り込ませる等ですね。対人には使用出来ず、対モンスター又は対無機物用の攻撃魔法になります」
成る程、某学園都市の白井○子嬢の様に、人体に異物を刺す様な事は出来ないのか。
「なる程。有難う御座います」
「いいえ、リョウ様は現在、何か必要な物は有りますか?」
「はい、珈琲と身の回りの物が欲しいです」
「では、量販店に行きましょう」
案内ついでに、連れて来られた量販店。
「此方の店は食品から家電、衣類や玩具と色々な商品を取り揃えております。勿論、珈琲も様々な種類があります」
「有難う御座います。俺が欲しいのは、インスタントでお湯を注ぐだけの、簡単な物で良いんです」
「では先ず、食品コーナーに行ってみましょう」
食品コーナーには、面白い物が置いてあった。
冒険者の携帯食料、軍隊御用達のレーション、こんな物まで置いてある。
インスタント珈琲と身の回りの物を購入し、荷物は次元収納に仕舞った。
後は、どうするか?
携帯食料とか見た後なので、俺はミリィさんに「テントとかキャンプ用品は、置いてあるんですか?」と尋ねる。
「キャンプ用品は、此方にありますね」
さっきの携帯食料の、隣の通路にあるそうだ。
興味本位で、眺めてみる。
おいおい此れは、ホ○ポイカプセルじゃねぇか。
「此れは、魔法科学で造られた宿泊装置ですね」
テントバージョンと、小型の宿舎バージョンがある。
宿舎バージョンのお値段は、お高めで今の俺じゃ買えない。
テントなら買えるが、どうせなら宿舎バージョンの方が欲しい。
「ミリィさん、お金を稼ぐには、どうすれば良いですか?」
「そうですね。リョウ様が今現在、お金を稼ぐ方法は就職して稼ぐか、ギルドに登録して冒険者になって稼ぐかですね」
そっか、就職か冒険者か。
それなら当然、冒険者だろう。
「ミリィさん、ギルドに連れて行って貰えませんか?冒険者になって稼ぎたいんです」
「分かりました。リョウ様であれば戦闘能力も、問題無いかと思います」
「ではギルドに、お願いします」
冒険者登録して、稼いで小型宿舎のホイ○イカプセルもどきを買うぞ!




