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異世界転生  作者: MSZ-006
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「号外!号外!大黒屋の主、大黒屋 五平が亡くなったよ〜!!後、大名屋敷の殿様も病死だよ〜!」と、ゴモリーさんの声が辺りに響く。


朝、奉行所に行くと、小煩い上司が俺の所に来る。


「彩刃(さえば)さん!遅いですよ!?皆さん、時間前から来て仕事の仕度をしてるんですよ?」


「おはうございます。ですが、給金は発生しておりませんが?」


「何を言ってるんですか?良いですか?我々、奉行所の者が真面目に働いて、市民の皆様の安心と安全を守る!それが、我々の仕事じゃないんですか?そう思いませんか?真毅村さん?」


「そうですね。全くもって、その通りだと思います。ですが、我々も人間。キチンと時間を守り、働いて休む。この方が、身が入って良いのでは、御座いませんか?」と、カオリが援護してくれる。


俺は、それを聞きながら、ウンウンと無言で頷く。


「・・・そうですね。真毅村さんの言う事は、尤もですね?ですが、彩刃(さえば)さん!貴方は、違います!!そもそも、貴方は普段から禄に仕事もせず・・・」


「大変、申し訳ありません。此れから、見回りの時間になっておりますので、行って参ります」


「ちょっと!?お待ちなさい!」


「では御免、行って参ります!」


そう言って、俺は上司の小言を切り抜ける。


カオリが、後から着いて来る。


「ふぅ、やれやれだな」


「そうね。アイツ、煩いのよね」


奉行所を出て、暫く歩くと珊瑚が飴を売っている。


「どれ、飴でも一つ買おうかな」


俺は、珊瑚の屋台に近付く。


すると「こんにちは!飴を、一つ下さい!」と、幼子を背負った若い女が来た。


若い女は飴を買って「父ちゃんの分まで、一緒に頑張ろうね」と、背中の子供に話し掛けている。


「リョウ、あの人・・・」


「うん。まぁ、元気で良かったよ」


俺達は女を見送った後、珊瑚の店で飴を買い、食べながら街を見回る。


「提灯〜!魔導提灯は、如何ですか〜!」


瑞(みずき)の出店を見ると、女が声を出して客引きをしている。


「ある、じゃ無かった。八丁堀の旦那、新しく雇った人」


「・・・先日は、有難う御座いました」


「いや、四十九日も終わってないのに、大丈夫ですか?」


「えぇ、働かないと生きて行けないんです。それに、動いている方が気が紛れます」


「そうですか。余り無理は、なさらないで下さいね」


「はい。有難う御座います」


切腹した浪人の妻は、頭を下げる。


「珊瑚が作った飴は、ちょっと苦いな」


「・・・そうね」


俺は空を見上げて飴を口に入れながら、ぽつりと呟く。


「お嬢〜!此処の細工は、どうしやしょう?」


「うん?此処はね〜、こうやった方が人気が出ると思うんだ〜!」


「流石、お嬢!」


「えへへ!褒めても、何も出ないよ〜?所で、新しい蕎麦屋が出来たけど、天麩羅蕎麦とか食べたい?」


「お嬢、ご馳走様です!!」


「お嬢、此方のふらいぱん?ってのは、どうしやしょう?」


「あ!出来た?それは、受注生産だから、届けて貰おうかな?」


めぐりちゃんの店から、賑やかな声が聞こえる。


平和だな〜。


「リョウさん、カオリさん。こんにちは」


「こんにちは、ユカさん、ポポ。往診ですか?」


「そうなんです!ご主人と一緒に、往診なんです!」と、元気いっぱいにポポが答える。


「そう言えば、精神的な不調を訴えた者たちは、どうなりました?」


カオリが、ユカさんに話し掛ける。


「皆さん、良くなって来てますね。やはり、病巣(あく)を取り除いたのが、一番の治療ですね。私たちは次の往診がありますので。リョウさんも、お仕事・・・頑張ってくださいね」


ユカさんは小さく会釈すると、ポポの手を引いて人混みの中へと消えていった。


「あ、さて!あ、さて!さては、南京玉すだれ!」


ネアさんが今日も、玉すだれの大道芸で人々を楽しませている。


「姉ちゃん!アレやって!地獄の大百足!」と、小さな子供がネアさんに言っている。


「仕方無いなぁ!ちょいと伸ばせば、地獄の大百足!(センチピード・オブ・ヘル)」と、伸ばした玉すだれを、額の辺りに持ってくるネアさん。


「うわぁ〜!大百足だ〜!!」


「怖い〜!」


キャッキャッと、騒ぐ子供達。


「フフ!ネアさん、大人気ね」


「あぁ、そうだな」


「リョウ、ミリィさんの所に寄って行かない?」


「おっ?そうだな!」


芝居小屋は、今日も大繁盛!


人集りで凄いな。


こりゃ、中に入れないかな?


「リョウ〜!こっち〜!!」


芝居小屋の脇から、マリーさんが手を振っている。


「こんにちは、マリーさん。今日は、お土産ないんです」


「お土産ないのは〜、残念だけど、別に構わない〜、中に入って〜」


「有難う御座います。では、お邪魔します」


「此れから〜、ミリィが踊って〜、お姉ちゃんと私が〜、演奏と歌〜」


「そうなんですか?それは、楽しみですね」


「そうね。リリーさんの歌声って、凄く綺麗よね。マリーさんの篠笛も凄く綺麗な音色だし、ミリィさんの舞も凄く綺麗だし」


「じゃ〜、見ていって〜」


そう言って、マリーさんは舞台裏に姿を消す。


暫くすると、明るかった芝居小屋が暗くなり、舞台の中央に明かりが灯る。


ベンッ!ベンッ!


ヒョオォォーーー!!


ベベン、ベン、ベン!  


ヒュルリラッ!ヒラリッ!!  


ドンドド、ドンドド!  


ヒョーッ、ヒョ、ヒョーーー!! 


ピーーーーヒャラリ、ヒョオォォーー!!  


凄い! 


ドンドンって所は、蛇味線の胴を叩いてるのか!?  


しかし、この曲・・・。


前世で、聞いた覚えがある。  


そうだ!


魔法が使えないというだけで理不尽に国を追われた王女が、空飛ぶバイクのような変形兵装に跨って、竜の軍勢と戦い・・・最後には世界の理である神すらも屠る。


かつて、深夜のテレビに噛じりついて見ていた、あの苛烈な物語の旋律じゃないか・・・!







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