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異世界転生  作者: MSZ-006
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セットしていたアラームが鳴って、気分良く目覚めた。


綺麗に畳まれた服が、テーブルの上に置いてある。


ルシファーの置く場所を、風呂上がりに決めた。


いつ何が有っても良いように、常に側に置く事にした。


寝る時は、ベッドの頭の辺りの棚に置く。


直ぐ手に取れる様にね。


これなら、いつ襲撃されても対応出来る。


誰にって言われると分からないが、常に警戒は必要だ。


決して、中二病だからじゃないぞ。


顔を洗い、服を着て腰のホルスターにルシファーを仕舞う。


時計を想像すると、目の前に時刻が表示される。


8時か。


ミリィさんは何時頃、来るかな?


まぁ、珈琲でも飲んで待つか。


そう思い、キッチンを起動する。


壁から、シュッとキッチンの一式が出てくる。


冷蔵庫や棚が、一体化してるね。


・・・うむ、何も無い。


そりゃそうか、買ってないもんね。


彼方此方、覗きまわっていると、部屋のチャイムが鳴った。


「おはようございます。リョウ様、起きていらっしゃいますか?」


部屋に丁度いい音量で、ミリィさんの声が響く。


「はい、おはようございます。今、行きます」


つい、返事を返してしまう。


「分かりました」


返事があった。


聞こえてるのか?


革ジャンを羽織り、扉を開く。


「おはようございます」


「おはようございます、リョウ様。ご気分、如何ですか?」


「はい、とても良い目覚めでした」


ミリィさんは昨日と変わらず、メガネをクイッと上げながら俺と話す。


「今日も、メガネ掛けてくれてるんですね。とても似合ってますよ」


「別にリョウ様を喜ばせたくて、掛けている訳じゃありません。セクハラで訴えますよ?でも、有難う御座います」


うん、何時ものやり取りだ。


とは言え、昨日からだけどね。


「朝食を、用意してあります。此方にどうぞ」


そう言って、ミリィさんが歩き出す。


俺は、後ろを歩きながら「今日は、どうするんですか?」と、聞いてみた。


「本日は朝食後、昨日の続きで街の案内と買い物です。本日も私が案内致します」


「有難う御座います。お願いします」


扉の無い、大広間に着いた。


「此方は、大食堂です。施設の職員や居住区画の住民が利用します。時間は特に決まっておらず、常に利用可能です」


へぇ、24時間年中無休なのか。


なかなか、便利だな。


「おはよー、ミリィ」


「おはようございます。ミリィさん」


「おっは〜!」


後ろから声がし振り返ると、三人の若い女の子が居る。


一人は猫耳に、長い尻尾の付いた若い獣人族の女の子。


一人は褐色で、山羊の様な角が頭に生えた、魔族の若い女の子。


一人は元気一杯で、目がくりくりした可愛い少女。


多分、ドワーフ族だろう。


「皆様、おはようございます」


ミリィさんが、メガネをクイッとする。


「メガネ?どうしたの?」


猫耳女子がミリィさんに言うと、他の娘がそれぞれ話し出す。


「本当だ、ひょっとして、河野さんからのプレゼントですか?」


褐色魔族女子が問う。


「似合ってるね〜、可愛いよ〜、所で誰〜?」


ドワーフ女子が、ミリィさんに言いながら、俺を見る。


「此方は、リョウ様です。昨日から、施設に入られました。仲良くして下さいね。そして、私の新しい彼氏です。メガネはリョウ様からの、プレゼントです。リョウ様、此方は獣人族のネアさん、魔族のゴモリーさん、そしてドワーフ族のマリーさんです」


衝撃の事実発覚!


俺、ミリィさんの新しい彼氏だって!


「嘘?!河野さんと別れたの?」


ネアさんが、すかさず聞く。


「昨日会って、すぐ恋人なんですか?」


ゴモリーさんが、モジモジしながら聞く。


「アハハ〜、河野、可哀想〜、リョウ、ヨロシクね〜」


と、マリーちゃんに言われる。


「リョウ様が、私の恋人と言うのは冗談です。今朝は気分が良いので、ちょっと冗談を言ってみました。ですが、メガネをリョウ様に頂いたのは事実です。それから、リョウ様の性癖は、女性では無くメガネです」


「ミリィが、冗談?大丈夫?具合、悪い?後、メガネ?」


ネアさんが、オロオロしている。


「まぁ、冗談ですか?ミリィさん、今朝は御機嫌ですね。メガネが好きなんですか?」


と、ゴモリーさんは笑っている。


「何だ〜、冗談か〜、本当かと思ったよ〜、リョウも、ご飯食べに来たの〜?後、メガネか〜」


マリーちゃんは、ずっとニコニコしている。


「おはようございます。リョウです。宜しく、お願いします。ご飯、食べに来ました。好きなのは、メガネの似合う女性です」


衝撃の冗談の後に、挨拶をする。


「じゃ〜、行こ〜」


マリーちゃんに手を引かれ、大食堂の中に入る。


中はかなり広く、大勢の種族が食事している。


一体、何百人居るんだ?


それでも、空席は半分以上ある。


俺達は8人掛けの席に座り、ディスプレイで注文しようとして、ミリィさんに止められた。


「リョウ様には、此方で用意してあります。御安心下さい」


他の娘達は、それぞれディスプレイで注文している。


注文を終えて、直ぐにペッパ○君が、カートを押してやって来た。


「お待たせしました。御注文の料理です」


○ッパー君が、テーブルの上に料理を置いてくれる。


ネアさんは、ステーキにライスセット。


ゴモリーさんは、喫茶店のモーニングセット的な物。


マリーちゃんは、大量のホットケーキにシュークリーム、後はジュースのディスペンサーだった。


俺は焼いた鮭に、ご飯と味噌汁、後は卵焼きと言うTHE和食だった。


ミリィさんは、珈琲を頼んで居たらしく珈琲が置かれて居る。


「リョウ様は、昨日の夕食時に、朝は和食だよね。と言っておられましたので、此方で注文しておきました」


「有難う御座います。ミリィさんの朝食は?」


「申し訳ありません。私は先に済ませております。皆様より、早く朝食を取り、仕事をするのはメイドの嗜みですので」


そっか、メイドの嗜みか。


何か頭が下がるな。



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