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異世界転生  作者: MSZ-006
10/50

10


「御馳走様でした」


一時間後、お互いに食べ終わった。


腹が苦しい。


ミリィさんの食べっぷりが、素晴らしいの一言だった。


マンガ肉は強敵だったが、残さず全て食べ切れて良かったよ。


「夕飯は、何時も軽く済ませています。今日も、丁度いい量でした」


うん。


丁度いい量だったのか、それは良かった。


俺は、腹が苦しいけどね。


「では、戻りましょう」


ミリィさんが立ち上がり、俺は後に着いていく。


店を出て、ミリィさんが光学パネルを操作する。


「戻る際は、転移を使用します」


次の瞬間、最初の部屋に戻って来た。


で、河野さんが、カップラーメンを啜っている。


あれ?


作り置きの料理は?


「只今戻りました。御主人様」


ミリィさんが、先程と同じくメガネをクイッと上げながら、河野さんに挨拶をしている。


「お帰りミリィ。酷いよ、夕飯は作り置きしてあるって言うから、見てみたらカップラーメンだし。あれ?メガネ?」


「はい、リョウ様にプレゼントして頂きました。恋人にプレゼントの1つも渡さない人とは、違いますね」


それで、カップラーメンか。


俺の買い物の代金と、この仕打ち。


鬼だ。


「すまない、ミリィ。今度、何かプレゼントする。だから、機嫌を直してくれよ」


「仕方ありませんね。約束ですよ?」


「分かった。リョウ、君には世話になったね。でも、ミリィは渡さんよ?」


笑顔だけど、目が笑ってない。


「いえ、今回ミリィさんには、案内して頂いたりしたので、ほんの御礼です。御二人の仲を、引き裂こうとした訳じゃ無いですよ?」


「本当かな?ちょっと、心配なんだけどな」


ブツブツ言いながら、カップラーメンを啜る中年。


「そうだ、君の部屋を用意してある、ミリィ悪いが、また案内してくれ」


「畏まりました。此方です」


そう言って、部屋を出て通路を歩く。


1分程歩くと、扉の前に着いた。


「此方がリョウ様の、お部屋になります」


金属製の自動ドアが開き、中を覗いてみる。


広!


40畳程の、俺1人には広過ぎる部屋だ。


「浴室、トイレは部屋の中に御座います。後、キッチンと冷蔵庫等の設備も御座いますので、自炊するのであれば、御使用下さい。他の詳しい詳細は、パネルを御覧下さい」


「分かりました」


「本日は、お休み下さい。また明朝、お迎えに上がります」


「はい、有難う御座います」


「リョウ様、此方こそ有難う御座います。では、失礼します」


ミリィさんはメガネをクイッと上げ、一礼してから来た道を戻って行く。


俺は部屋に入り革ジャンを脱いで、光学パネルで部屋の詳細を確認する。


照明は、意識に同調させる事が可能で、風呂やトイレは扉の向こう。


洗濯機も据付だ。


服を綺麗にして畳んで仕舞ってくれる、本物の全自動洗濯機だ。


キッチンは部屋の壁に収納されており、使用する時に出す。


だから、部屋が広いのか?


そもそも、元の世界でこんな広い部屋を借りたら、幾ら取られるんだ?


それに異世界の科学技術は、どれも素晴らしいな。


匠の技が満載だぜ。


さて、風呂に入って寝よう。


扉を開き、風呂場に向かう。


脱衣場が縦横3メートル程で棚が設置されており、籠の中に服を入れると、籠から洗濯機に転移され、洗濯後に任意の場所に仕舞われる仕組みだ。


風呂は、前世と同じ様な感じだ。


浴室とシャワー完備。


しかも、浴槽のお湯とシャワーは自動洗浄機能付きで、わざわざ石鹸やシャンプーを使わなくて良い。


ただ浸かるだけ、シャワーで流すだけで良いのである。


風呂が好きな俺はウキウキしながら、お湯を浴槽に溜める。


が、一瞬だった。


瞬きの間に、お湯が浴槽に入っている。


服を脱ぎ籠に入れて、ルシファーを外して浴室の棚に置く。


のんびり、お湯に浸かって明日の事を考える。


明日は、どうなるのか?


「そう言えば、鏡が無いな」


そんな事を呟くと、目の前に鏡が現れる。


鏡と言うか、光学ディスプレイみたいな感じだな。


でも、顔が写ってる。


えっ?誰?!


黒髪の超イケメンが、驚いた顔で俺を見ている。


取り合えず、自分の頬に手を当てたり、摘んだりしてみる。


鏡に写るイケメンも、同じ事をしている。


「あ〜何だ、ひょっとして俺?」


鏡を見つつ、声に出して言ってみる。


鏡に写るイケメンは、口をパクパクさせている。


どうやら、俺らしい。


この世界の自分の顔を見るのは、初めてだな。


前世と違い、今世は超イケメンでした。



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