異世界のお友達1
庭に出て花や木々を見ながら水やりをしていた。
「あの・・・」
門の外から声をかけられた。
「こんにちは」
近所の人かな?と思いつつ挨拶する。
シーナくんと同じく銀髪碧眼の青年だ。年齢は私と同じくらいに見える。
「この度は私の弟がご迷惑をおかけして本当に申し訳ございませんでした!!」
ガバッと頭を下げて謝罪した。
「シーナくんのお兄さんですか!」
立ち話もなんだし、家の中へ。
この素敵な一軒家に初めてのお客様だ。
「あっ!日本風に靴は玄関で脱いでくださいね!」
と説明し、スリッパを出してリビングへと案内する。
コーヒーとお菓子を用意して私もソファーに座る。
「私はシーナの兄でグレイと申します。改めてこの度は弟がした事をお詫びさせてください。あと、こちら天界のお菓子なのですが、ぜひお召し上がりください」
グレイさんはシーナくんによく似ているけど、キリッとして整った顔立ちだ。
シーナくんもかっこいいけど、可愛い系だ。
天使ってイケメンなのかな。
「私が目を離した隙に上級者用の術を試したらしく、力が暴発してこのような事に」
「あの、やっぱり元の世界に戻る事はできないのですか?」
「・・・はい。上級者天使でもできません」
「そうですか・・・」
無理かー。
ガクリと俯いた時にコンタクトがずれてしまった。
イテテと思いながら目尻を押さえる。
「っ!! 今後は私もシーナの兄として責任を持って相川様のサポートをさせていただきます!」
「ありがとうございます・・・。何かありましたら相談させてください」
やっぱり戻れない事に落胆する。
「・・・そうだ!よかったらお友達になってくれませんか?」
この世界に友達いないし、年齢も近そうだし聞いてみた。
「私でよろしければ・・・」
異世界初のお友達ができた。