世界を越えてのお引越し4
そしてここはキーヤ王国の王都から少し外れた場所にあるミルキ村。
誰も住んでいない空き地に部屋ごと転移したという。
キーヤ王国では魔道具を使って生活しているらしい。
私の部屋はシーナくんの聖なる力によって生活家電がそのまま使えるようにしてくれているそうだ。
「そうなんだ。魔法なんて使えないし助かるよ。ありがとう」
「とんでもございません!相川様を巻き込んでしまったのは僕のせいですので、今後の生活のサポートはさせてください!!」
真剣な顔のシーナくん。
「そしてお部屋以外ではそのケイタイというものからお話できるようにしてあります」
「えっ!」
携帯を見るとシーナくんが映ってる!
「外出先からでもサポートできるように、分からない事があれば私に連絡してください」
アプリのマークのようにシーナくんマークがある!
すごい!
「そしてこの世界の事についてのみになりますが、ケンサクというものもできるようにしてあります」
「うそ!助かる!」
急にこの異世界で暮らせと言われても不安だらけだ。
聖なる力で家電製品も使えるようにしてくれてるし、シーナくんのサポートを受けられる。
少し安心した。
「お部屋の外も見てみませんか?」
部屋の外に出ると広い空き地にポツンとコンクリートの細長い建物がある状態だった。
「ここは誰も使用していません。相川様のお家としてこのまま使用してください。お部屋の増設や改築もできますのでお申し付けください」
「え!?本当に!」
部屋に戻って雑誌を広げてシーナくんに見てもらう。
こんな家に住んでみたいなーと憧れた日本のとある建築家さんの建物の写真。
広い造りのキッチンやリビングに寝室。
木の暖かみのある建物で庭付きの一軒家。
「かしこまりました!」
シーナくんの聖なる力でキラキラキラと眩しい光が広がる!
目を開けると雑誌と同じ部屋の中にいた。
私の部屋の物もそのままある。
外に出ると素敵な庭付き一軒家になっていた。
「聖なる力すごい・・・!!」
そりゃ世界も越えるわ。