世界を越えてのお引越し1
初投稿です。
よろしくお願いいたします!
「は・・・!?」
仕事に行こうと玄関を開けて外に出てみたら、自然豊かな景色が広がっていた。
足元には草や小花があり、まわりは木々が、そして心地よい風が吹き抜ける。
私が住んでいるのは賃貸マンションの7階であり、玄関を開けると共同通路に出る。
そしてエレベーターに乗って1階に降りるのに、なぜコンクリートの通路ではなく土や草の上・・・?
家の中へと戻り、もう一度扉を開ける。
・・・同じ景色が見える。
急いで部屋の中へと戻り、カーテンを開けて窓の外を見る。
「ここはどこ!?」
やはりいつもと違う景色だった。
昨日の夜は残業で疲れて帰宅。
シャワーを浴びてから寝た。
朝はギリギリまで寝ていたので、カーテンすら開ける時間も無くバタバタと仕事に行く準備をした。
そして今に至る。
「寝ている間に何が・・・」
フラフラとソファーに座り呆然とする。
自分の頭や目がおかしくなったのかと思ってしまうほど、今までいた街並みと違いすぎる。
徒歩15分で駅に着き、車や人通りも多く、ビルが建ち並ぶ立地だったはず。
「と、とりあえず職場に電話しよう。」
仕事に行けない?でもこの状況の説明なんて無理だしと思いつつ電話してみるも
「繋がらない!!」
家族や知り合いにもかけてみても同じ。
「そ、そんな・・・!!」
サーッと顔から血の気が引く。
部屋ごと神隠しにあったの?
不思議な現象についていけず、しばらく窓の外を見ていた。
その時テレビがパッとつき、ひとりの男の子が映っていた。
「相川様!!誠に申し訳ございません!!!!」
「うわぁっ!?」
勝手にテレビがつき、こちらに向かって謝罪している。
銀髪碧眼の15歳くらいに見える男の子が泣きながら謝罪を繰り返した。
「僕のせいであなたをこの世界に連れてきてしまいました!!」
どうやらこの原因は彼の仕業らしい。