表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/68

『転落』あるいは、宇宙から、落とされただけ・・・

 サングラスをかけた男:


「すみませんでした。話を、引っ張ってしまいました・・・

 『クラマンス』という、主人公がいるんです」



  プリンセス:


「カミュの小説の主人公のこと?」



  サングラスをかけた男:


「お嬢さん、そのとおりです」



 ケン・アキレス:


「そのタイトルは、何だよ?」



 サングラスをかけた男:


「『転落』です」



  プリンセス:


「転落?」



 サングラスをかけた男:


「はい、そうです」



 ケン・アキレス:


「それで?俺たちが、笑うと思った?」



 サングラスをかけた男:


「いえ、プリンセスさんの質問に答えようと思っただけです・・・」



 プリンセス:


「どうゆうこと?」




 サングラスをかけた男:


「プリンセスさん、操作パネルをお持ちですよね?」



 プリンセス:


「これ?」



 サングラスをかけた男:


「そうです。ケンさん、お酒、飲みますか?」



 ケン・アキレス:


「えっ?ジイさん、このタイミングで、酒を飲もうっての?

 酒なんて持って来るわけねえだろ?大丈夫か?」



 サングラスをかけた男:


「それが、この部屋にあるんですよ。クラマンスが飲んだ銘柄は

 残念ながら置いてませんが。あなた、ご存じですよね?

 とぼけなくて良いんですよ。

 宇宙ステーションでも、Zに殺された25名のクルーたちは、

 酒や、紅茶を飲んでいましたから」



 プリンセス:


「私は、いらないわ・・・」



 サングラスをかけた男:


「ケンさん、いつものアレを飲みますか?」



 ケン・アキレス:


「・・・」


(サングラスをかけた男は、部屋の隅にある冷蔵庫に酒を取りに行き、

グラスを2つ、盆にのせて戻って来た・・・)



 プリンセス:


「それは?」



 サングラスをかけた男:


「ウィスキーです。『ザ・タートル』という銘柄です。

 さあ、どうぞ・・・」



 ケン・アキレス:


「ああ・・・」



 (ケンとサングラスをかけた男は、グラスのウィスキーを一気に

 飲みほした・・・)



 サングラスをかけた男:


「さて、クラマンスの様に酒を飲んだところで、話を続けましょう。

 プリンセスさん、操作パネルのYとミサイルマークを押して下さい」



 プリンセス:


「押せば良いのね?ちょっと待って・・・押したわ!」



 サングラスをかけた男:


「お二人とも、Yのカプセルをよく観ていて下さい・・・」



 ケン・アキレス:


「・・・」



(ウィ~ン、ウィ~ン、ウィ~ン、ウィ~ン、ガチャ・・・ドン!)




(冬眠カプセルの背面が左右に分かれて、大きな穴が見えている)




 プリンセス:


「さっき、ケンが寝てた場所に、穴が空いてるわ・・・

 どうして?」



 サングラスをかけた男:


「そこですよ、そこからクルーは、寝ている間に『転落』したのです」



 プリンセス:


「転落?それが言いたかったの?」



 サングラスをかけた男:


「まどろっこしくて、すみません。実は、転落・・・じゃなくて、

 単純に、宇宙へ落下させられた、つまり、彼らは、落とされたのです」



 プリンセス:


「ひどい・・・」



 ケン・アキレス:


「・・・」



 サングラスをかけた男:


「ご存知のように、この冬眠カプセルは、すべて偽物です。

 重力誘導型小型核爆弾用に作られた、発射装置の土台なんです」



 プリンセス:


「小型核爆弾?」



 サングラスをかけた男:

「宇宙から、地球へ向けて、落とすだけで良いんです。

 真上から、ものすごい速さで落ちて来るので、地上からは、

 撃ち落とせません。仮に撃ち落とせても、上空で核が爆発するので

 地上の人間は誰も助かりません・・・

 これが、覇権を狙う、亀の国の最終兵器『亀のイナヅマ』です」



 プリンセス:


「亀のイナヅマ・・・」



 ケン・アキレス:


「・・・」



 ・・・


 ・・・


 ・・・


 ・・・


 ・・・










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=542861112&size=300
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ