I Like Chopin アイ・ライク・ショパンGazebo
「俺のこと?俺の意見なら、今、ベイビー
さんに言ったけど・・・つまり、3万人の
市民の命は大事だけど、アキレスたちが
それだけ重要な仕事をしてるなら、敵国に
彼らを引き渡すことなんてできるわけない
じゃんてことだよ。それに何度も言うけど
この依頼は中止になって欲しいってのが俺の
本音。どっちかなんて選べないよ。あのさ
命の価値を、他の誰かの命で置き換える
なんて、人道的に間違ってるんだって。
たとえ敵国がそのような思想の政治体制を
敷いててもだよ。俺の気持ちを理解
してくれるかい?」
ベイビーさん:
「まだ分からないんですか?そうじゃないの
あなたは、わたしのことを誤解しているわ」
「誤解?何だよ?いったい俺の何を聞かせて
欲しいの?人質交換に関する意見
じゃないの?」
ベイビーさん:
「わたしが、なぜアキレスと亀の例え話を
持ち出して、軍事衛星の破壊戦争について
説明したか気がついてないの?」
「ベイビーさん、どうしたんだよ?アキレスと
亀の話を勝手に持ち出したのは君だろ?
君が、なんでそんな例えを持ち出したのか
俺が、知るわけないだろう?何をそんなに
焦ってるの?」
ベイビーさん:
「もう、とぼけなくて良いのよ。上司は
今、ここにいないのよ・・・」
「とぼける?」
ベイビーさん:
「あなた、昔、Zの卒業論文を手伝ったでしょ?
アキレスと亀を例に持ち出して、来るべき
覇権戦争における戦略について書いたこと
覚えてる?知らないとは言わせないわ」
「何だよ、その卒業論文てのは?忘れたよ。
ずいぶん昔の話だからね」
ベイビーさん:
「嘘つかないで!もう良いのよ。忘れたフリ
なんかしなくても。分かる?なぜ、わたしが
あなたにベイビーと呼んで下さいって
頼んだか?その時のあなたの青ざめた顔ったら
なかったわ。ふふふふふふ(笑)
アハハハ、うふふふ、ハハハ!(笑)
「どうしたの?何がおかしい?・・・・・・」
ベイビーさん:
「あなたが、Zの依頼を全面的に引き受けていた
ころ覚えてる?当時あなたが恋人のことを
何と呼んでいたか、教えてあげましょうか?」
「・・・」
ベイビーさん:
「べ・イ・ビー」
「・・・」
ベイビーさん:
「ベイビーでしょ?」
「どうしてそれを知ってた?上司と調べたのか?
その通りだよ。さすが政府の人間は違うと
思ったよ。タチの悪い冗談やめてくれ
ないか?」
ベイビーさん:
「勘違いしないで。上司は、このことを
知らないわ。知ってるのは、わたしだけ」
「君が調べたのか?おそれいるよ。大したもんだ
ね。君は有能だけど、冗談キツイよ。昔の俺の
恋人の名を呼んでくれなんて・・・」
ベイビーさん:
「ここまでヒントを教えてもまだ分からない
ようね?調べてなんかいないの。教えて
もらったの」
「民主主義国連合政府から?」
ベイビーさん:
「違うわ」
「じゃあ、誰だい?アキレスか?」
ベイビーさん:
「ベイビーさん本人からよ」
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・・・
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