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ルールを作り変える

Fは、ルールを新しく作り変えれば、覇権をつかめると主張した。ルールを作り変える?今のルールでは不満なのか?私は、ベイビーに質問してもらった。Fさん、今あるルールを進んでいけば良いじゃないですか?既存のルールの中で、幸せや平和を探せば良いんですよ?


ベイビーの通訳を聞きながら、Fは、ニヤ〜と笑みを浮かべて、何やらベイビーに返答をした。


ベイビー:

「とぼけたことを聞かないでくれと言ってるわ」



「とぼけたこと?俺は、とぼけちゃいないよ?」



ベイビー:

「あなたは、自分の国で幸せに暮らせていなかったと、Fさんはあなたのことをそう思ってる。

だから、あなたは本当は、Fさんと同じ気持ちのはずだと。あなたは民主主義の国の中で、幸せな人生を感じていない。Fさんは、そんなあなたを気の毒に思い、今まで仕事を与えてあげて来たんだと言ってるわ。だからあなたは、新しい覇権国家が、あなたの人生を苦しみから解放してくれる日を、本心では、心の中で密かに願っているんだと、彼はそう思っているのよ」



「ひそかに願っている?新しい覇権国家を?」



ベイビー:


「そうよ。あなたは自分の国から見捨てられた存在にしか彼には映っていないのよ。あなたはまるで民主主義の名ばかりの理想の中で、とんでもない悪意と迫害に遭っている哀れな人間なんだと言ってるわ。Fさんは、そんなあなたなら、新しい覇権国家の誕生が必要であることを理解してくれるはずだと期待してるの」



「期待?」



ベイビー:

「共に戦いましょう?あなたをいじめ、苦しめ、あなたに人並みの人生を与えなかったあなたの国や、覇権国家に復讐しましょうよ?Fさんは、そのように話しているわ。あなたを友人と思ってるのよ」




「友人・・・」




Fは、私の方を見てウンウンとうなずきながら、新しい紙を取り出して、何やら図を描きだした。


_______________________


②亀は、アキレスを追い越さなくても良い

 アキレスに限界まで走らせろ!


・・・

_______________________



「ベイビー、どういうことだ?意味が分からない

 Fさんに聞いてくれ」



(ベイビーとFは、図を見ながら確認している)



ベイビー:


「覇権を取るための作戦の1つとして、アキレスに

 そのまま走り続けてもらうのよ」



「どういうことだい?それでは亀は負けるだろう?

 めちゃくちゃなことを書いても論文は通らないと

 伝えてくれよ。遊びじゃないんだぞ、卒論は」


ベイビー:


「彼が私に話した説明を聞いて。この図を見て」


_______________________


  

  【マイナス時間】    ←進行方向

             (START!!!)


(亀)←←←・・・・・・・・・・(アキレス)


_______________________


  【マイナス時間】   



(GOAL!!!)



(アキレス)←←←・・・・・・・・・(亀)



_______________________



「マイナス時間て、どういうことだよ?」



ベイビー:


「覇権国に、マイナス方向に全力で走らせ続けるのよ。そうすれば、覇権国は、信じられない速さで、亀に差をつけられて行くの!Fさんは、まず覇権国が自滅する政策を取り続けるように、マイナスなことだけをやらせ続ける作戦を提唱してるの」



「マイナスなことだけをやらせ続ける政策?

 何なんだよそれ?意味分からないよ?

 つまり、マイナス方向に走る競技場で、コースを

 走れば走る分だけ、負けるって言いたいの?」



ベイビー:


「そうらしいわ。例えば、財政赤字を拡大させるように、亀が仕向けるの。貿易赤字を取引で増大させたり、覇権国から有利な条件で様々な援助を与えてもらい続けるの。アキレスが走れば走った分だけ、アキレスが損をするようなコースを作るのよ」


「とにかくアキレスがマイナスになることを考えるってことかい?」



ベイビー:


「考えるだけではダメだって言ってるわ。毎年毎年、アキレスが疲弊して倒れるまで、マイナスなことを仕掛け続ける必要があるんだって。そうするうちに、アキレスは、自分からリタイア宣言して、白旗あげるんだって言ってるわ。覇権国が、

自分から進んで覇権を降りることだけをやらせるんだって言ってるわ」



「なんだか、すごく後ろ向きな発想だな・・・」



ベイビー:


「コースが、マイナスの座標だから、後ろ向きと

 言えばその通りね」



(覇権国に、マイナスの道を走り続けさせること)



(亀は 走らなくても良い)



(アキレスが 走れば 走る分だけ 亀のリードが

 拡大し続ける)




アキレス 二 マイナス ノ コース ヲ


ハシラセロ!!!



Fは、力をこめて、そう叫んでいた・・・




私は、伝えられた通り、Fが提唱するさまざまなマイナスの政策、マイナスな作戦を書き続けたのだった・・・



Fは、さらに新しい紙を取り出して、③と数字を

書いた。私は、ひと息いれたかった。



「ちょっと、休憩させてくれないか?疲れたよ」



Fは、ベイビーから私の提案を聞き入れ、飲食店のアルバイトがちょうどあるから、今日はここでひとまず中断としようと語った。私たちは、次の打ち合わせの日を決めた。スケジュール調整が終わると、Fは、勢いよく去って行った。


私は、深いため息をついた。私の後ろかろベイビーが私の両肩を軽くもんでくれた。そしてベイビーは、今日はお疲れ様と私の耳にささやきながら、私の首すじに、セクシーなキスをしてくれたのである・・・


覇権を取るためには、③の説明もしなければいけない。Fの主張の重要部分は③にある。それから私は、パソコンを閉じた。ひとまず休憩しよう。

私は、ベイビーとビールを少し飲み、それからベッドの中で、アキレスと亀について、2人でささやきあった・・・



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