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F(Z?)の依頼

うっかり熟睡してしまった。気がつくと、時間は深夜だった。かなり緊張したのだろう。ひと眠りしたからか、私は落ち着きを取り戻すことができた。


私は、その日の出来事をあらためて振り返った。依頼人の上司の方は、非常にするどい人物だと、私は思った。

なぜ?


依頼人(男)は、私に突然、偽装市民Zに協力したことはありませんかと質問したからだった。私は、どうしてですか?と、とぼけて聞き返すのが精いっぱいだった。やはり、調査済みなんだろう。敵国の指揮官が私を人質交換の交渉人として選んだからには、つながりがあると思って当然だ。そして、偽装市民が困ることと言えば?話し言葉ではなく、様々な書類、提出物、記載資料などの書き言葉だ。偽装市民は、話すことに長けていても、書き言葉を苦手としているはずだと、依頼人(男)は考えたに違いない。


まさに、その通りじゃないか!

大したもんだ。

さすがだよ。私は、覚えているよ。忘れちゃいない。

フッ(笑)あんなに嫌な依頼人はFしかいなかろうに!

私の記憶の中ではワーストワンだよて。

恩?貸し?依頼人(女)さん、笑わせないでくれよ。Fが敵国指揮官Zならば、それは単なる俺に対する嫌がらせでしょうに。感謝や恩なんて美しい話じゃないですよ。

むしろ復讐じゃないですか?



私は、2人の前ではスッとぼけていたが、過去のファイルを取り出して、Fから受けた依頼の数々を真夜中に、確認しながら思い出すことにした。私の指が書類をめくるたびに、小刻みに震えている。

きっとこれは挑戦状なんだ。2人の依頼人は、そこまでは気づいていなかっただろう。そのうち、本音を伝えよう。きっと逃げ道はなさそうだから。


放置したままの、炭酸の抜けた飲みかけのビールを、私は一気に飲み干した。



 ○○○○年 〇〇月

 依頼者(氏名)F


 [依頼内容]


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