頭の中が疑問符だらけなんだけど……
テスト祭りで遅れましたが、4話です。
まだまだテスト祭りが続くので、投稿が遅れてしまう時があります。本当にすみません。
今回もフローが辛い目にあいます。なので、苦手な方はブラウザバックでお願いします。
それでは本編、どうぞ!
フローは最期まで笑顔が可愛かった。そうだ、だからこそ余計に悲しかったんだ。
どうして?
なんで殺されなきゃいけなかったんだ?
あんなに優しい子なのに?
みんなで治癒魔法をかければ助かったかもしれないのに、どうしてやらなかった?
フローはダスクの一員になる前に何をしたんだっけ?
駄目だ、全部訳が分からないし、思い出せない。
何とかしないといけないと思って、混乱しながらも、疑問符と怒りでいっぱいの脳みそをフル回転させていると、急にテレビの画面が消えたみたいに、漫画を読んでいる手元が見えなくなって、目の前が真っ暗になった。
何が起きたのかわからなくて、余計に混乱していると、聞き覚えのある声が俺の名前を呼んでいた。
「……ト……ルパート……!」
フローの声だ。
声のするほうを見ると、一筋の光が見えた。
一瞬躊躇ったが、光の方に歩いていくと、だんだん声が大きく聞こえてきて、フロー以外の声も聞こえてきた。
耳を澄ますと、声に混じって、誰かの怒鳴り声も聞こえている。
「ルパート!」
「離れるんだ!誰のせいでこうなったと思ってる!」
「でも、ルパートが……!!」
「うるさい!!いいから離れなさい!!」
怒鳴り声が聞こえた後、何か倒れたような音がした。
「大丈夫かい?あぁ、血がでてる……」
血がでてる!?は!?もしかして、あのどクズは、フローのこと突き飛ばしたのか!?
こうしちゃいられない、早くフローのところに行かないと。
光の中を全速力で走る。
普通、こういう時はゆっくり光の歩くのかもしれない。
ムードをガン無視してるかもしれないけど、ムードなんて知るか。ムードよりフローだ。
だんだん走っていると、声がもっと大きく聞こえてくると同時に、目が眩むほど眩しくなってきた。それでも進む。すると、段々と意識が浮上する感覚があり、気がつくと、フロー達のいる魔術医の診察室にいた。
あ、さっきまで気を失ってたんだ……
周りをよく見ると、倒れているフローとそのフローを打とうとしている父親と、魔術医が俺を凝視しているというなんとも不思議な絵面が完成していた。
「ルパート……?」
一番に口を開いたのはフローだった。
フローは俺の名前を呼んだ後、俺に抱きつき、「よかった……私……本当に……心配で……」と少し掠れた言った。
きっと、泣くのを我慢してるんだろうな……
「フロー……ありがとう……」
「ごめんなさい……私のせいで……」
「フローのせいじゃないよ……」
抱きつかれるのにも慣れてきて、フローの背中に手をまわし、背中をさする。
前世で、まだ小学生だった頃、酔った父親に殴られて、痛くて泣いていたら「泣きやめ」と言われて殴られたことはあった。けど、泣くのを堪えている時に背中をさすってもらったことはない。
きっと、フローも似たような感じだったんだと思う。俺が背中をさすった時、一瞬だけ身体がビクッと小さく動いたから。
「大丈夫……俺なら大丈夫だから……」
「うん……」
そうだ、フローにキツいことを言ったこと、謝らないと。
今なら謝れるだろうか。そう思い、謝ろうと口を開こうとした瞬間、フローの父親が、フローの着ていた洋服の襟首を掴み、フローを俺から引き剥がした。
父親がフローを引き剥がされた時に顔が見えたけど、光が見えた時に聞こえていた医者の声の通り、頭から血が出ていて、見ているだけで痛々しい。
「ルパートくん、本当に申し訳なかった!!金輪際、フローを君に会わせないようにする!!だから、このことはどうか……!!」
そう言って、フローの父親は頭を下げた。
どうか許してくれじゃなくて、どうか内密にしてくれなんだろうな。
フローの父親は言葉を濁していたけど、何となく言いたいことは分かった。
大人が濁した言葉の先を分かる子供はなかなかいないと思うが、ここは知らないフリをしてやり過ごそう。「はい、わかりました。」なんて言って、「そうか、それじゃあ、絶対に会わせないから」なんて言われたら終わりだ。
「……頭をあげてください。このことは誰にも言うつもりはありませんよ。それに……俺はこれからもフローと一緒に遊びたいんです。」
「しかし……それではまたルパートくんが……」
「魅了の魔眼のことですよね?大丈夫です。先程も言ったように、たぶん、俺は魔眼に耐性があるんだと思います。」
「そんなことが……」
そう言ってフローの父親は答えを求めるように魔術医の方を見た。
「そんなことはないと言ってくれ。ただの子供が、魔眼に耐性なんてあるわけない。これ以上面倒事を引き受けたくないんだ」とフローの父親は目で訴える。しかし、そんな訴えを無視するように、魔術医は笑みを浮かべて、「ルパートくんはもしかしたら、遠い祖先に魔女がいるのかもしれないね……」と言った。
「魔女…?」
ルパートの遠い祖先に魔女がいた?
漫画にそこまで細かく書かれていたか気になって、前世の記憶を思い出せないかと思い、よく考えても、思い出せない。
「先生、魔女の祖先と魔眼になんの関係があるっていうんですか!?」
「トワイアさん……魔法使いならともかく…魔女にはね……魅了とか……洗脳とかの類は効かないというか……全くと言っていいほど効果がないんですよ。例え未熟な魔女であっても……サキュバスやインキュバスと対峙することができるとね……過去に……いたんですよ。遠い祖先に魔女がいて……魅了の魔眼が効かなかった男の子が。」
「ほお……それはすごい……」
感嘆した後、フローの父親は俺の方を横目でちらりと見た。
その目は、前世で俺がクラスメイトに向けられていたあの品定めをして、何かを見透かしてやろうとするような目よりもはるかにタチが悪い気味の悪い目で、背筋がぞくりとする。
「ルパートくん…」
「は、はい」
無理やりあの気味の悪い目をやめて、フローの父親が微笑んできたものだから、俺は訳が分からなくて混乱してどもった。
嫌な予感がする。
「私の家の使用人になる気はないかい?」
……今、なんて言った?
すみません、次回は……と言いたいところなのですが、執筆中なので何とも言えません。
この物語を読んでくれている読者の皆様に質問があるのですが……「転生したら推しキャラの執事になった。」と、もしも出来たら同時に投稿しようと思っている、少しづつ書いているファンタジー小説があって……今、投稿しようかどうかすごく悩んでいて……もしも、「読みたい!」という方がいて、その方がTwitterをやっていたら、青葉(@Aoba215)という名前でTwitterをやっているので、そちらで「ファンタジー小説読みたい!」等のご意見をください。もしもTwitterをやっていなかったら、感想の方でご意見をください。