夏の気配と僕のこころ
とても風の強い日に
君に会いに自転車を飛ばすよ。
空はうんと青くて、胸が痛いくらいに
強く打って、そのあまりのときめきに
息が出来ないくらいです。
あまりにも強く胸の早鐘が鳴るから
自転車を止めて、一旦空を眺めてみます。
空の青さにハッとする。
強風が耳のそばでごうごうと鳴る。
君の声が聞こえた気がします。
「嵐が来るのね」
僕は声にせず、そうだね、と呟く。
嵐の前の青空の日に、
君に会う為に自転車を飛ばす。
自分を取り巻く空の、大気の、全ての大きさに
圧倒されながら呟く。
「ああ、神様。幸せです。」