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十五話

 ――暗転



 散りばめた宝石のような竜骨山の花畑も、呆れたような哀しそうな表情のトーラも、他のすべての、あらゆる光景が黒に消えた。

 目に見えるのは、イフィルニの青い体だけ……いや、違う。

 なんだ、あれは……鎖? 何故……何故、イフィルニに、あんなものが……

 檻が現れた。

 檻を吊るす鎖が現れた。

 それらはイフィルニを縛めていた。


 気づけば、光景が変わっていた。

 黒一色に俺とイフィルニだけがいた空間は消え、悪趣味な廃城のホールを模したような、そんな場所に。いや、場所だけじゃない。登場人物も増えていた。ざっと見て、数は4、50を超える。ヒューマン、エルフ、ドワーフ、ライカンスロープ、マーマン、ドラゴニュート……


「よぉ、気分はどうだ、チーターアポル?」


 ヒューマンの一人が底意地の悪い声で話しかけてきた。木っ端なんざどうでもいい、イフィルニを解放……なっ!? 体が、口が、動かん!?


「くくく……ようやく気付いたか、マヌケめ。所詮、チートに頼った卑怯者って事だ」


 今度はエルフ……何がどうなってやがる。なんちゃってとはいえ、俺は神官だ。連中が分類上悪魔のドッペルゲンガーだったとしたら、見破れる筈。でなければ相手はプレイヤーという事になるが、こんな事はGMでもなければ出来んっ! そうは見えない以上、何故こんな状況を作り出せた!?


「ぃ!!!!!!! ぃ……にぃ……!」


 そんなのはどうだって良いんだよ、冷静な所の俺よ。

 俺のイフィルニを返せ。不当な立場に、誇り高き竜を閉じ込めてんじゃねぇよ!!!


「ハッ、流石はチーターだ。行動機能停止と言語能力停止を食らってる癖に、負け犬の遠吠えだけは出来やがる。反吐が出るぜ」


 ドワーフっ! いや、今は連中なんざどうだっていい。動けよっ、動けこのクソったれな体がっ! イフィルニ! イフィルニ! 何近寄ってやがるドラゴニュートがぁぁぁ!


「チートに頼ったおバカちゃんにも分かるよう言ってやろう。このクソトカゲに結婚詐欺ウイルスを仕込んでやったのさ! 放し飼いはしないっていう調教師の常識も守れない屑には当然の報いだろ! わざわざ他のプレイヤーで小銭稼ぎがてら実験までしてやったんだ。面倒だったが、これでここの日和った運営もガタガタになるかと思えば気が紛れるってもんだ!」


 グルッ! ゴォォォ!! ガァァァァッ!!!

 ……今! なんと言った!! ウイルスだとッ!!!


「おうおう、そんな顔したって怖くもなんともないぜ、変態小僧のアポルちゃん! 俺達がいるこの空間はチートが使えないよう設定してあるから!」


 ぐっ、マーマンがっ! 痛覚制限解除なんて胸糞悪い真似しやがって……!


「おら! 今までの借りのほんの少しでも返させてもらうぜ! やっちまえ!」


 マーマンに続いてライカンスロープが、エルフが、ヒューマンが、その場の全員が、一人を除き動けない俺の全身をタコ殴りにしてきやがる。頬が弾け、尻尾を踏みにじられ、指を逆に曲げられ、肩を砕かれ、腹を陥没させられ、肋骨を折られる……HPが減ってるって事は死ねば戻れるのか? なら……いや、この手のゲスはそろそろ……


「そうそう死なせてやるかよ! ほら、ポーションを食らいな!」


 やはりか。頭からぶっかけられた、赤黒い不気味な色味の液体が俺の体を回復させて……陰湿なっ、痛毒まで付いてやがる! NPCにしか扱えない筈の拷問用ポーションが、何故!?


「俺たちの恨みはまだまだこんなもんじゃないぜ」


 牙が折れ、髪を引き千切られ、爪を剥がれ、腕をひしゃげ、股間を抉られ、背骨を曲げられる……この程度の痛み、『あの世界』に比べればどうという事は無い。だが恨みってのはなんだ……? 必要に迫られた時以外にPKをした事は無いし、詐欺を働いた記憶も無い。チートだのチーターだの言われてるって事は、俺の悪い噂を鵜呑みにしているプレイヤーだろう。だがこいつらに正義感なんざ欠片も感じねぇ。そもそも恨みと言っている時点で完全に私怨だ。道化も同然のチンピラ言動も気になる。ヴァンパイアやフェアリーはいないようだが……


 本気で分からん。連中の目的はなんだ? いや、そんなところに突破点は無い。今はイフィルニをあの汚らわしい檻から解放し、鎖を引き千切るのが先だ。その為には動けるようにならなきゃならないが、ボコボコにされている現状では無理か。

 ……この場に来る前、トーラがいたな。彼女が巻き込まれてさえいなければ、動いてくれる筈だ。『使徒』の大天使と知り合いらしいし、ウイルスとかほざいていた以上、なんらかの痕跡は残るだろう。しかも犯行が行われてすぐだ。せいぜい三十分もしない内に事態は動くだろう。その間、俺が耐え続ければいい。

 最低限の行動なら、きっとそれでいい。


「ハハッ、そろそろ動かねぇコイツに正義の鉄槌を下すのも飽きてきたな」


 が、こういう短絡的な馬鹿は移り気が激しい。耐えるだけの俺に飽きて、もっと下種な行動を取ると相場が決まっている。

 イフィルニ……せめて、イフィルニには手を出されないよう、抵抗しないとならん。


「それもそうだな。おら、立てやチーターが」


 碌に動かない身体を無理矢理立たせるライカンスロープ。爪を食い込ませながら立たされた途端、口に強い違和感を覚えた。怪我は連中がポーションで強制回復させたから、血じゃないようだが……


「ほらよ、喋れるようにしてやったぜ。チートを取り上げられて散々殴られた気分はどうだ?負け犬」


 なるほど。吠え声を聞きたいという事か。無能が。


「はっ、てめぇら揃いもそろって腑抜けか。拳に腰が入ってないんだよ、三下。脚はもっと真っすぐ伸ばさなきゃ大したダメージにもならん。初めてゴブリンの集団に囲まれた時の方がよっぽど怖かったくらいだ。喧嘩のやり方も知らんヒキニート共め」


 こっちは痛覚二倍の『あの世界』に毎日課金して籠って経験値の上がらないレベリングをしてるんだ。この程度でビビる神経なんざとっくの昔に捨て去って久しいね。

 案の定、連中は激怒した。沸点が低いのもお約束、ってね。


「それっぽい事言ってカッコつけてんじゃねぇよ屑が! そこまで言うんなら俺が直々に叩き潰してやる!」


 お、体が動くようになった。そして投げ込まれる剣……なんだ? ハーフ・アンド・ア・ハーフソードだと? 反射的に受け取ったが、何故に片手半剣?

 俺がこの剣を訝し気に見つめていると、それをどう解釈したのか、喧嘩を売ってきたヒューマンが厭らしい目つきで口上を垂れだした。


「お前みたいな性根の腐ったチーターは徹底的に潰さないと社会に迷惑がかかる。ここじゃあお得意のチートは使えないが、拳の戦いにすれば卑怯な手を使ってチートを使うかもしれねぇからな。念のため、これよ」


 そう言って自分の大剣を指すヒューマン。あぁ、なるほど。つまりこういう訳だ。


「俺の拳が怖いからって、そんな理由が必要なのか。情けなっ!」

「黙れ!! チートも持たないてめぇなんざ怖くもなんともねぇよ!」


 そうか、ほざいたな……?


「いいぞ、やってやる。テメェに恥って概念を植え付けてやるよ」


 片手半剣を両手で持ち、構える。周囲から罵倒にも満たない幼稚な野次が飛んでくるが、全て無視。目の前の敵にのみ、集中。


「精々吠えてろ。ああ、言っておくが俺たちの攻撃がてめぇに当たると、てめぇのキャラクターデータが徐々に破損していくようになってんだ。精々無様に避けるんだな!」


 ……キャラクターデータ、か。そんな領域まで踏み込めるのか、こいつら……いや、こいつらに味方するクラッカーは。だが丁度いい。そんなリアルタイムな侵入をしていれば、運営はハッキング行為に気付きやすくなるだろう。三十分どころか十五分程度でこの下らない茶番に決着が付くかもしれんな。

 上等。

 元よりこんなカスの攻撃、当たるつもりなんざねぇよ。


「かかって来な、VR機接続にギリギリ引っかからない程度のちっぽけな脳みそを持ったお子様よぉ。未熟児。雑種。下等種族。産業廃棄物。ゴブリン以下スタージ未満のゴミが!」

「このガキッ!! ぶち殺してやる!」


 レディ、ゴー! の合図も無しに突進してくるヒューマン。あ~ぁ、そんな馬鹿丸出しの攻撃、熊でもしないぞ。

 本来ならカウンターで一撃を叩き込んでやるところだが、ここは時間を稼がせてもらおう。立派な大剣持ちのヒューマンとくたびれた様子の片手半剣を持つ俺の戦いを連中が夢中になって見ていれば、その分イフィルニに向かう意識は少なくなる。

 あえて受けてやる、その攻撃。

 振り被られた大剣に片手半剣を当てる――そして衝撃を全て体で逃がす。傍目には、大剣の威力に耐えきれず弾かれた、と映るよう演出を凝らしながら。


「くっ……」とか言ってみる。


「ハッ、口だけじゃねぇか! オラオラオラ!」


 調子に乗ったヒューマンが大剣で連続攻撃を当てて来る。俺はそれを時に受け流し、時に紙一重で躱し、時に直撃したと見せかけて片手真剣白刃取り擬きを慣行したりと、スタントマンも顔負けの迫真の負けた振りでいなす。


「チッ、予想以上だっ……!」とか言っちゃったり(笑)。


「直撃は避けられるようだが、ちょこまかちょこまかと鬱陶しい! 流石屑だな!」


 コイツ、最前線の戦乙女や盗賊、暗殺者プレイヤー全員をディスったぞ。さっきは罵り言葉で使ったが、案外本当にクルクルパァだったりしてな。

 その後も五分くらい接待決闘を続けてやると、ようやく違和感に気づいたらしい。


「てめぇ、何か小狡い事してんだろ。さっきから攻撃が全然当たってねぇぞ!」


 さも当たるのが当然と言う口調はどうにかならんのか。腐っても剣士だろう、お前。

 とはいえ、ここで無言は不味い。「だんまりか、ならお前の大事な大事なドラゴン様の体に聞いてやろう」……なんて言われる想像だけでも吐き気がするな、ボケが。


「お前馬鹿だろ? 俺が本気を出して相手をすれば、お前如き一瞬で勝負が決まるんだよ。まあ正確に言えば一瞬で体勢を崩し、反撃を許すことなくボコボコにするんだが」

「嘘言ってんじゃねぇよ! どうせチートだろ! 拳闘士のてめぇがバスタードソードをまともに扱ってるのがその証拠だ!」


 周囲の野次馬鹿も「そうだそうだ!」と囃し立てるが……コイツこそ何を言っているんだ?


「片手半剣はチートなんか使わなくても扱える奴は大勢いるだろ」

「何訳の分かんねぇこと言ってやがる」


 おろ? 何故か稚拙な罵倒ではなく、純粋な疑問に聞こえる。おかしいな、流石にそこまで世間離れしていた訳じゃ無いと思ってたが……そうか、昨今のオタクは違うのか。


「……では聞こう。いつから俺が剣を使えないと錯覚していた?」


 言いながら、今度は猛攻を加える。片手半剣をあえて片手で持ち、ショートソードでも出来ないような連撃を打ち込む。眼前のヒューマンは慌てて大剣でガードするが、荒すぎる。ちょっと手首を捻って剣の角度を変えてやれば、途端に剣先が奴の体に傷をつける。


「かかって来いよ、クソガキ。本当の剣って奴を教えてやる」


 挑発に、ガキみてぇな野郎は弄ばれるように叩き切りかかってきた。アホが。

 大剣の一撃を紙一重で躱し、なおかつ空けておいた左手で大剣の腹を押す。タイミングを間違えると手をミンチにしてしまうが、しっかりと相手の重心を見極めればこんな風に相手の体勢を崩すことも出来る。そしてその瞬間、奴の腕を斬り飛ばす。


「な!? は、話が違うぞ! ここじゃチートは使えないんじゃなかったのかよ!」


 ……コイツ、ただ武器を振るうだけの二流プレイヤーか。相手をする価値がますます減ったな。自分だけ痛覚を切ってるみたいだし、いよいよを持って救い難い。


「チート? 馬鹿言ってんじゃねぇ。ハーフ・アンド・ア・ハーフソード、ゲーム的に言えばバスタードソードの剣技なんざ、VRに生きるオタクにとっては嗜みだろうが。オタク舐めてんじゃねぇよ三下共」


 主人公の剣だぞ? むしろ片手半剣を扱えない二次元オタクは二次元オタクにあらずと言っても過言ではない。仮にこいつらが俺の確定高クリティカルヒットの技術をチートと断じてこの空間で禁じたとしても、俺にはまだまだ手札がある。そもそも、俺の高クリティカルヒットは完璧に体を制御出来る事が前提の技術だ。前提が既に万能である以上一つの活用法を切られたとて、大した戦力低下にはならん。

 だがそんなロマンを一つも介さない、ゲームだけのオタクしかこの場にはいないのかブーイングは止むことを知らず。


「ふ、ふざけんな! また卑怯なチートを使ったんだろ! このクソチーターめ!」

「卑怯はどっちだクソヒューマン。ま、お前は運が悪かった。重心の扱いに長けるドラゴニュートに、重心さえ克服すれば最強となる剣を持たせたんだ。当然の結果って奴だろが。ロングソードやツヴァイハンダーだったらこうはいかなかったろうな」


 俺が扱えるのはあくまで片手半剣という専門の訓練が必要な特殊武器だけ。大方、ここの連中は専門外の剣の中でも特に扱いの難しいこの剣を俺に持たせて、無様を嗤いたかったんだろうが。MDOは専門の職業に付かなくても武器を振るくらいなら出来るって事を知らなかったのか? 魔法剣士はそれなりにいるんだが。

 まったく、雑魚の考える事は分からん。

 が、その雑魚にも普段通りの態度で接する訳にはいかん。不気味に沈黙しているイフィルニへ注意を寄せないよう、あえて傲慢に振舞わなきゃならん。こんな畜生共に軽蔑以外の感情を意図的に寄せるのは心に堪えんが、やらなきゃ惚れた女が傷付く。

 男を見せるとは言わねぇ。

 だがせめて、圧倒的な竜を見せてやる!


「つまんねぇ野郎だ、テメェらは。面倒だし全員でかかって来いよ、弱小者共。この『信徒』ことドラゴンアポスルが食前運動のダシにしてやるよ!」


 片手半剣を肩に担ぎ、空いた手の中指を立てて気色の悪いホールに屯す木っ端共へ挑戦を吹っ掛ける。罠に嵌められ、竜質を取られ、得意な技を封じられた(体を動かしてみた感じ、特に異常は感じられないが)状態で、数十人もの人間に襲い掛かられる。これもまた、一種のロマンだろう。竜の系譜として、この苦境を跳ね除けてこそ真のドラゴニュートというものだ!

 連中はドロドロと陰気くさい怒りを浮かべ、俺を睨みつけている。

 その中で特に重い視線を向けて来る、ライカンスロープが叫んだ。


「く、くくく……ここまで頭の飛んだ野郎だとは思わなかったぜ! てめぇら! 地獄を見せてやれ!」


 ライカンスロープの言葉に周囲が呼応する。この場の全員が剣、槍、ナックル、斧、刀、魔法、弓等々、様々な得物を引っ提げがむしゃらに突撃してくる。その表情たるや実に無双ゲームの雑魚キャラが似合う、イカレた形だ。顔自体はキャラメイクの恩恵でイケメンばっかなのが実に残念さを引き立てている。愚かも愚か、まったくもって愚かさしかない連中だ……っ!

 接敵三秒前。一番槍が俺を貫く……その瞬間。俺は手にした片手半剣……いや、あえてこう呼ぼう、『バスタードソード』を両手で構え、一気に……上へ振り上げた。

 連中の嘲笑は、即座に驚愕と罵倒に変わった。


「あやからせてもらいます、先立ちよ! OPG無〇剣!」

「はぁぁぁ!? なんだそりゃ!?」


 意味不明と叫び声を上げながら、槍を持ったマーマンが吹き飛ばされる。他にも十数人、巻き込まれて何かしらの手傷を負ったようだ。うぐっ、腰が……いや、体の制御は完璧だから気分だけだけど。

 この技は、俺が人生で三番目に読んだ旧世紀の傑作小説に登場する主人公の技だ。原理はなんのことも無い、ただ馬鹿力で剣を上に振り上げるだけ。しかし剣と体はその力に引き寄せられ、見事な空中二回転を決める。ロマンを蔑ろにする愚か者共にはぴったりの技だ。ロマンが実利を超えるって証明を俺がしてやんよ。


「ビビる事はねぇ! あんなのこけおどしだ! 横から攻撃すれば……」


 短慮なエルフには死を贈呈しよう。


「OPG無〇剣、水平!」


 着地後すぐに剣を水平に構え、横バージョンの技を繰り出す。眩暈がしないでもないが、戦闘に支障はない。そもそも俺はこれがやりたくて膂力に優れるドラゴニュートを選んだようなものだ。無論理由の一つにすぎないが、やりたいと思ったからには徹底的に努力を重ねるのが草葉の人間だ。キャラクリの時に間違えて拳闘士を選んじまった後も欠かさなかった修練は……本当なら、トカゲに片手半剣を教える時にお披露目したかったんだがな。


 水平攻撃で更に十人くらい削れたが、まだ何人かの近接職と遠距離職が生き残って俺に魔法や矢を放ってくる。修練案山子じゃねぇんだし、当たってやる道理はない。

 というかむしろ、パフォーマンスの一環に使ってやる。


「ロウ〇ク攪拌!」

「なにぃぃ!?」

「ふざけやがって!」

「チーター! 魔法斬っておいて言い逃れできると思ってんのか!」


 剣で空中に円を何度も描き、降り注ぐ魔法や矢をはじき返す。横や後ろから飛んでくる物については普通に回避したり余計に剣を動かして弾いたり、斬ったりして防ぐ。

 ……とはいえ、一撃も被弾しなかった事については悪い意味で呆れている。こいつら弱すぎだろ。トーラ一人とすら比べ物にならねぇ。彼女なら半分の数の魔法でも俺に数発は当てられるっつうのに。ていうか、誰がチーターだ誰が。


「魔法くらい斬れて当然だろ? wikiにも載ってる技術だぞ」


 自前の魔力を強引に武器へ宿らせ、魔法を斬るプレイヤースキル。一流のプレイヤーなら誰でも使えるありふれた……そうか、こいつら装備だけの二流だったな。


「その技は知ってるぞ! だからチートっつってんだよ! あれは魔法に込められたMPの倍を使わないと効果が出ないだろうが! てめぇみたいな戦闘職が扱えるMP量じゃねぇよ、このクズ!」


 ……待て。それは二年くらい前の情報だぞ? 今じゃ改良を重ねられ、同等のMPで十分になったんだが、何故知らない? 俺はその半分のMPで同じ事が出来るが。


 …………二年前?


「俺は神官と吟遊詩人も持ってんだよ、事前サーチなんざ常識だろゴミカスワナビが。それより聞きたい事がある。ひょっとしてテメェら、俺にアカBANされた奴らか?」

憧れの技って使ってみたいよね

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