魔法学園都市!? それ行きたいな
クラン会議
本日のお題は「何でレベル上がらねんだ?スキルは?」だ。皆の前にはメイドさんが淹れてくれたお茶が、湯気を立てている。
スド「俺はSSのシステムが無いからだと思う。あれが経験値を計測して、解り易い95段階を設定していたんじゃないか?」
スキルはシステムがプレイヤーに与えていたボーナスじゃないか?とスドは続けた。…一理有る。
アヤナ「私は、レベルは強さに問題なきゃどーでも良いんだけど、スキル無いと困るねえ。」
体力などステータスボーナス、移動速度アップや自動回避などパッシブスキルも馬鹿にならない、とアヤナはいう。皆も頷く。
リッカ「でもね、まだレベル上がらないって決めるのは早いんじゃない?今日みたいなヌルい狩一回で決めるけのは早いわよ!」
ミココ「リッカに1票!私もそう思う。」
スド「俺もアヤナも爆狩する事自体に反対は無い…だよな?」
アヤナも大きく頷いて同意した。
そして皆はサドを見る。
サド「ブルドーザーを5、6時間やろう。」
サド以外「「「「おぉ~!」」」」
ブルドーザーはクラン内用語だ。ひたすら直進し、前に有る障害はモンスだろうが物だろうが排除していく。当然役立つ物は収集する。
本来は素材集めで行うものだったが、高レベル地帯でやれば訓練にもなった。
サド「今はドロップアイテムがオートで集まらないからな…ゼークス辺境騎士団を借りて、素材の運搬に当たらせよう。スド…頼めるか?」
スド「そりゃいい。行ってくる!」
スドはゼークスとの交渉を請け負った。
ドナンから約定書を取った事もあり、貸しの有るゼークスとの交渉は容易い。
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ガチャ!
メイドさんにお茶を淹れ直して貰って一口飲んだ辺りで、扉が開いた。
リッカ「あ、スド。もう戻って来た?」
スドは笑顔でOKサインを示す。
そしてテーブルに重そうな小袋を広げた。
中からは金貨が20枚出て来た。
スド「それは報奨金だそうだ。ブルドーザーの話をしたら、そこで倒したモンスにも報奨金を出してくれる話になった。」
元の世界に換算すると200万位の価値が有る、とスドは付け加えた。
ミココ「ブハッ!ゲームみたい?モンス倒して現金貰えるなんて…最っ高じゃない?」
アヤナ「前の世界なら大変だったけど…今のこの身体、ノーワンアトライトが揃ってりゃあ…。」
皆んな喜色満面だ!
サド「最高だな!そしてこういう風に話を纏めてくれたスドに感謝だ!」
スド以外「「「「スドありがとう~!」」」」
大した事ないって!とか言いながら、スドも満更じゃなさそうだ。ニコニコしてる。
その後、城の人達と熊ステーキを堪能。焼くと硬くなるので、焼肉みたいに薄く切って塩胡椒で頂く。
熊を食べれてリッカはご機嫌、ミココは「良い世界記念」と言ってまた花火を上げていた。
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ゼークス城下町
辺境騎士団は荷車など準備も有るとの事で、今日はアリエータの案内で町を見てみる事にする。
アリエータ「あっちが居住区で、この辺がお店が多い商店街です。まずは…。」
ちょっと洒落たカフェが有って、そこでスイーツをご馳走になった。王都帰りの店長が開いたお店とアリエータが教えてくれる。
リッカ「おぅ!スッゴイ甘さ!」
ミココ「美味しい!」
アヤナ「いやこれ侮れないスイーツだよ!」
笑顔の店長が出て来てアリエータに挨拶した。スイーツは地元の畑で採れる野菜から甘みを取っている、と説明してくれる。
本屋、服屋、薬屋、家具屋、武器屋などそこから見えるお店を一通り教えて貰って、皆好き勝手に見て回る事にした。
アリエータはお姉さんらしく、カフェで騎士達とのんびりしていると言う。
小一時間見て回り…
サド「目ぼしいものは有ったか?」
皆首を横に振る。
本物の武器屋は面白かったが、自分達の持っている店売り武器の方が遥かにクォリティが高かった。
スド「薬の調合が参考にならないかと思ったけど…。」
元の世界と違い、ビタミンや成分分類が出来ておらず、漢方薬に近いものだったという。まだ文字が読めないのでなおさら解らない。
結局、自分達で色々実験しないと、物や薬の優劣が解らないとノーワンアトライトは結論した。
サドの提案で道具屋に行き、様々な道具類を買い込んでインベントリに入れてみる…ちゃんと仕舞えた。
スド「紙、ノコギリ、カンナ、ペンチ、フラスコやビーカー…まぁ質は元の世界と比べ物にならない。その内自作しよう。」
ツルハシとスコップはSSアイテムで良いのが有るので安心だ。
アリエータの所、カフェに戻る。
アリエータ「え!? 薬の成分とか?う~ん…。そういうのはジクロンじゃないかしらね。」
スド「ジクロン?地名ですか?」
魔法学園都市というものが有り、そこでは魔法を始め様々な研究が行われていると言う。この世界の最先端が結集する場所らしい。
ミココ「魔法学校!?」
アヤナ「ハリ◯タ!?」
リッカ「楽しそう、良いかも!」
スド「………。」
ボソッ
サド(ハー◯イオニーみたいな同級生…。)
スド「いいな!魔法学校!」
カフェでお茶を貰いながら、アリエータにジクロンについて教えて貰った。
アリエータ「毎年各国の王都で試験を行ってて、合格すれば転移魔方陣を使ってジクロンに行く事が許されるの。」
本来、留学費用は個人持ちだが、成績優秀なら転移まで国費でタダだと言う。
スド「転移魔方陣!? そんな移動手段が有るんですか!」
ノーワンアトライトの面々は顔を見合わせる。科学技術は発展してないが、その分魔法は研究されているのか。
アリエータ「普段使いは…。王族の特命とか無いと無理らしいですけどね。」
さっきまでは、その辺に家を建てて実験でもするかと考えていたノーワンアトライトだったが、その情報を聞いて考えが変わった。
実験や研究をするにしても、一からと、ある程度体系が有るところから始めるのでは天と地程の差がある。
サド「そのジクロン辺りに拠点を作る方針でいいきたいが、どうだ?」
「「「「ラジャ!」」」」
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ドナン邸
コンコン!
(ドナン様!)
ドナン「なんだ。入れ。」
ガニル「またあのガキ共が来ました!どういたしましょうか?」
もはや含むところも無い。ドナンは何用だろうとは思えど、客間に通して応対する事にした。
スド「急にすみませんドナン子爵。」
サド「今日の服はカッコいいな。初めからそういうの着てれば良かったのに。」
ドナン「ははは手厳しいですな、それより今日はどんなご用件ですか?」
ジクロン入試について色々聞きたいのだと言う。ドナンはこの国でもそう多くないジクロン合格者で、だからこそ官僚の職に就けている。
ゼークスでは結構有名だった。
ドナン「なるほど、それで…。」
ミココ「ちゃんと教えてくれるなら、私のデザインしたライトを一つあげるわ。」
ドナン「貴女がデザインされた?」
ミココはインベントリから金属製の茎にガラスの花を象った照明を取り出した。金属製の葉っぱを上に向けると…。
パッと室内が明るくなる!
ドナン「うぉっ!? なんと美しい!何という明るさ!こ、国宝級の宝では有りませんか!? それに、いったいどこから出されたのですか?」
スド「まぁまぁ…お気に召されたなら何よりです。いかがですか?ジクロン入試についてお聞かせ願えますでしょうか。」
ドナンは相好を崩して話してくれた。
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・この国のジクロン入試会場は、王都サンクトロックブルクの市民ホール。
・受験対象は例外除き12〜15歳まで。
・試験受付は1カ月前からで受験料が掛かる。
・毎年6月6日の朝6時から試験開始で、魔法探知によりカンニング取締り付き。
・実技試験、剣技は午前、午後が魔法で攻撃以外に回復や補助魔法も認められる。
・試験結果は7月7日に市民ホールに掲示。
・成績優秀者は国費留学可能。但し官僚への勧誘はかなりのもの。
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ドナン「ここから王都まで5千キロ。今が1月ですから、貴方方ならば2月半ばに出れば充分間に合うでしょう。」
自室に戻って過去問まで持ってきた。ドナンは余程ミココのライトが気に入ったのだろう。
ドナン「これは家宝にします。何か解らない事が有れば、いつでも聞いて下さい!」
帰り際は門まで付いてきて見送ってくれた。
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リッカ「びっくりした。ミココのインテリア、ここでも凄い人気なんだね~!」
ミココ「フフン♪」
国宝級とまで言われてミココも悪い気はしなかった…いや調子こいてるようだ。
サド「今日から毎晩勉強だな。シンプルな表音文字だし簡単だろう。」
スド「言葉が通じてる時点で単なる作業になるな。」
サドもスドも勉強は得意な方なので簡単に考えているが、女性陣は憂鬱そうだ。
サド「ちゃんと教えるから心配するな。」
アヤナ・リッカ・ミココはホッとする。
サドなら何とかしてくれる。難しそうな事も、何故かサドから説明されると解るのだ。