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ゼークス城にて、異世界初花火だ!




ゼークス城

西に広大な峰々が広がる、切り立った崖の上にその城は立っていた。


遠目から見ると夢の様に美しいそれは、近付き中に入るにつれ、それ程快適では無い建造物だと解る。まぁ、形の良い砦だな。



スド「なる程ねぇ。本来戦用の砦が発展した物だとは知っていたが。俺達基準の居住には、つくづく向かない建物なんだねえ。」


サド「今の俺達の体にとっては、充分快適な建物だよ。このレベルの文明にとっては、快適 = 安全なんだからな。」



スド「確かに。それじゃ外交は俺とアヤナに任せるって事でいいな?」


サド・リッカ・ミココ「ヨロす。」



これからゼークス辺境伯メンバーのお招きに預かり会食だ。アリエータ姫の危難を救ったと言う事で、俺達は伯爵の賓客として扱われている。


ソド「俺達は全員公爵家の子爵でいくから、そこは適当に合わせてくれ。」


リッカ「嘘じゃあ無いしね。それぞれワールドチャンピオンだったワケだし。」



SSでは各職業のトップ10に爵位が与えられる。

公爵x1 侯爵x1 伯爵x1 子爵x2 男爵x5だ。


子爵なら必ずしも領地経営をしている訳では無いから、変な質問の際アドリブが容易だ。


サド「んじゃ行くぞ。」



-----------



ゼークス城 居間兼食堂



ゼークス「此度は我が娘アリエータを危難からお救い頂き、ありがとうございました。その…。」


額を見ながら何か言いかけた伯爵を手で制し、スドは伏し目がちに話す。



スド「我が最強クランにとっては造作もない事です。この様なご歓待を頂き…。」


さすがにスドは階級社会でのやり取りに卒がない。元は社会人経験あるしな。




リッカ「しっかし暗いね。映画なんかだとジャスゴーな感じなのに。」


テーブルの上は燭台つまり蝋燭の灯り。壁には篝火が有る。そして暖炉の火が赤々と燃え、それをグリルにして肉や野菜を焼いている。


天井にはガラガラ引っ張り上げるシャンデリアが有るが、これも蝋燭が乗っかってガラスが煌めく…暗い灯だ。




ミココ「ダメ。この暗さ我慢出来ない。…アリエータは花火好き?」


アリエータ「え?…何ですかそれは!? 」


ミココは笑顔でアリエータの手を引いて、外廊下つまり城壁に出て行く。そして…。




ヒュ~~~…ドッパーン!


ゼークス「な!? 何だ?何が…。」


あちゃー!という顔付きでアヤナとスドが伯爵達に外を見るよう促す。



スド「只の娯楽ですよ、娯楽!綺麗でしょう?」



ドドンッ! パリパリパリ…。



城の者は皆出て来て、この世界で初めてお目見えしたであろう花火を見上げていた。イベント用アイテムの花火は10分は上がり続ける。




アリエータ「凄い!凄~い!綺麗~~!」


ゼークス「美しい…またこの音がたまらん!最初は驚いたが、なんかサッパリするな!」



リッカ「た~まや~!ミココ、これも使って!」


リッカは追加の花火をミココに渡す。彼女はご当地名産品?塩の効いた骨付き肉を齧りながら、甘ったるいワインをがぶ飲みしてご機嫌だ。



うん。

どこで見ても花火は綺麗だな。城の人達も喜んでくれてるみたいだし。


俺「ミココ、グッジョブ!」


リッカ「グッジョーブ!」



結局、その日は1時間程花火を楽しんで、俺達はそれぞれにあてがわれた客室で眠った。執事さん達もメイドさん達も皆笑顔だった。



-----------



ゼークス城近くの木陰



怪しい影「ガルム隊長が遭遇したエルフ達は、確かに城に入ったのだな?」


第三騎士団員「はい。間違いありません!…あ、あそこ!一人アリエータ姫と一緒に出て来ました!」



騎士隊員の指す方を見ると12、3歳の、遠目にも美しい少女。確かに見慣れぬ高価そうな鎧や装身具を身に付けている。


怪しい影「あんな所で何を?…いや迂闊にも少女二人で出て来た今がチャンスかも知れん。」


第三騎士隊員「では…。」




怪しい影…間諜が懐のカギ縄を城壁に放とうとした時…。



ヒュ~~~…ドッパーン!



間諜「ヒィ!? 」


第三騎士隊員「ヒィイイイ!? ん魔法!」




二人は転げる様に城から遠ざかる!

その背を追い掛ける様に轟音が響き、周囲が明るくなる。間諜は背後をチラ見する。



ドドンッ! パリパリパリ…。



間諜「な、なんたる大魔法!? これは我々の手には追えん!」


第三騎士隊員「ヒィイイイ!あんなに連続で大魔法を!に、逃げ…いや報告しないと!」


二人は顔を見合わせると、一目散に逃げ出した。大魔法のお陰で明るくなり、逃走は捗った。



-----------




偉そうな男「ご苦労だった下がって良し。その大魔法はここからも見え、聞こえていた。あの凄まじい音…何と恐ろしい!」


ガニル「あれを1時間近く放ち続けるとは…見て下さいドナン子爵、震えが止まりません!」



間諜からの報告を聞き、偉そうな男…ドナン子爵は考え込んでしまう。目が合っただけであの様な大魔法を放ち続ける相手…交渉は効かないかも知れない。



ドナン「それに、ガニルが持ち帰ったあの霊薬…。」


馬と交換してきたと言うガニルを叱り飛ばし、試しにと、執事に斬りつけ薬を与えてみたところ…元通り、どころかその日の疲労も回復したという。


正に霊薬!

ガニルの判断は正しかった。




ドナン「むぅう……。」


このままではアリエータと結ばれ辺境伯の地位に付き、中央に返り咲く手が失われてしまう。


元々侯爵の三男坊だったドナンは、王都で威張り散らし平民に斬りつけた為、仕置としてこのゼークスへ官僚として派遣されていたのだ。



良い方策が浮かばない。


明日、城に忍ばせている間諜からエルフ達の情報を入手した上で動こう。そう決めてドナンはガニルを解放し、眠りに就いた。

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