小さな灯火
なんか冷静に読み返すとやべえなこれ……。文章力とか。どこまで成長できるか、楽しみですね。
森の中、木々は日を遮り苔が生い茂る。
あの日から沢山の月日が流れた。集落の中には、残された女、子供だけ。
狩りに出ることが出来るものはおらず、村を守るものもいない。ただ森に呑み込まれるのを待つだけとなった。
貯蓄は底をつき、ただ水を飲んですごしていた。そんな住民に気力などある筈もなく、飢えを忘れてただ、廃人の様に森だけを見つめていた。
そんな中、一人の少年が立ち上がった。
「俺が、俺が獲物をとってくるよ!!」
年老いた女が、声を震わせる。
「その様なこと……山神様が許さん……。ハライを持ったもののみが狩りを許されるのじゃ!!」
「ただ死ぬのを待つってのか!? そんなのは嫌だ!! 皆で生き延びて父ちゃん達を待とう。」
「待て!! シズメ!!」
老婆の声かけは虚しく、森に木霊した。
俺だってやれるんだ……。帰ってきたら父ちゃんに美味いもんいっぱい食わしてやるんだ、きっと疲れてるから。
木の枝を石で削った簡易的な頼りない槍を手に持ち、獣を狩ろうとする。しかし森に入ったこともない少年には、獣の痕跡も、何もわかりはしない。
クソッ、こんなはずじゃないのに。こんな……。
やがて少年はゆっくりと前のめりに倒れていった。落ち葉の布団が、少年を優しく受け止めた。
あぁ……。父ちゃん、俺知ってたんだ。
もう帰ってこないって、でも俺は信じていたかった。
俺のあこがれが、簡単に死ぬなんて事耐えられない。
もういい。もういいんだ、父ちゃんすぐ俺もそっちへ……。
少年の足元が赤い光を放ったかと思うと、全体的に薄汚れた人ならざるものが現れる。まるで、幻聴の様に頭の中に語りかける。
残されし者よ、聞こえるか。
我は、ヤマガミこの世からケガれをなくすもの。
お前にはサダメがある。ハラエ、すべて。
お前にクビナを贈ろう、こいつはケガれをハラウ。
小さな風切り音、少年の隣からビチャビチャッという液体が滴り落ちる音と、僅かな光と共に小さな黒い塊が落ちた。
その瞬間、少年の全身に薄く光る青い入れ墨のようなものが浮かぶ。と共に黒い塊を掴み取るとどこからそんな力が出るのか、獣の如く森の外へと駆け出した。
山神は、小さく目を見開き、ため息をついてからやれやれ、といった感じで赤黒い光を放ち、消えていった。
森の外に出た少年は、剣が散らばる現場を目の当たりにする。青く光る刀剣は確かに、父のものであった。
少年の叫び声が響き渡る。澄んだ冷たい風がそれを遠くまで運ぶ。それを聞きつけたのか、そこの住人らしき背の高い若者が顔を出す。
「あぁ、賢者達の知り合いか? 彼らはよく最後まで戦ってくれたよ。本当に助かった。」
彼は少年の消えつつあった青い入れ墨を見てニタァっと笑った。
「どうやら、君は【一人】なんだろう? だったら僕らと暮らさないか。僕達は全てを知ってるわけじゃないけど」
その笑い顔に生理的嫌悪を覚えたが、なぜか彼を信用できると思った。そして、森にはもう帰りたくないとすら思っていた。
青い剣と、勢いよく掴んだからか一回り小さくなった黒い塊をグッと握りしめて、無表情で手招きする笑わなければ目鼻立ちの整った好青年についていった。
ぶっちゃけ設定がふわふわしてるところはありますが、ある程度固めながら、伏線とかもまいていけたらなと思ってます。練習だ!!