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ようこそ、飛娘コレクターの司令官……代理! 作者:時井 人紀

第三章『北西空域を制圧せよ』

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確認作業2

 次は戦闘についてだ。

 出撃人数はゲームも漫画も同じ、通常機艦隊最大六名、大機艦隊最大十二名だ。

 ゲームはシステムの関係上、最大が決まっていても仕方がないが、現実なら、それこそ基地にいる全機艦隊で出撃しても良い気もした。

 だが、それについては大本営からキツく制限されている。

 何でも以前、ある司令官が三十六名の飛娘で機艦隊を組み出撃させた所、各地に散らばっていた祟り神が何百も集結し始め大変なことになったらしい。

 その時出撃した、三十六名の飛娘は全員墜落。

 その勢いで攻め込まれた基地は崩壊し、在籍していた二百名近い飛娘のほとんどと司令官が死亡。

 さらに近辺地区にまで火の手が回り、多くの民間人が犠牲になり、慌てた大本営が各基地から討伐部隊を派遣してようやく押さえ込んだそうだ。

 後に、『土佐空域の惨劇』と呼ばれるそれの犠牲者は、軍人、及び司令官は百名、飛娘は三百五十名、民間人は五千二百人にも及んだとか。

 それ以来、出撃する飛娘の人数は制限された、とのことだ。

 大損傷の飛娘に引き寄せられる事といい、何か意味があるのかも知れないな。

 資料によると同じ空域への出撃許可が出ている人数は以下の通りだ。

・通常出撃六名以下、支援六名以下

・大本営指示ありで出撃十二名以下、支援十二名以下

 また、別の空域であれば、四機艦隊――計二十四名の出撃は許可されている。

 それ以外は制限されていて、破れば軍法会議ものらしい。

 もっとも、例えば出撃した隊が明確に崩壊した場合の救援や、基地への襲撃が行われた場合はある程度、認められるとのことだ。

 まあ、そんな状態で制限だぁ~なんだぁ~なんて言ってられんしね。





 次に攻撃についてだ。

 攻撃種類は以下の通りだ。

・第一次戦闘機攻撃
 戦闘機などを装備すると出来るようになる。
 艦載出来る数によって複数攻撃可能。

・先制ミサイル
 TG形誘導ミサイルなどの特殊な武器を装備すると出来るようになる。

・遠距離砲撃
 遠距離砲撃可能な砲塔などを装備すると出来るようになる。

・通常攻撃
 どの機艦種、武器でも攻撃出来る。

・戦闘終了後、離脱時のミサイル攻撃
 ミサイルを装備していると出来るようになる。

・夜戦
 夜間飛行が出来ない戦闘機以外は、どの機艦種、武器でも攻撃できる。

 ただし、全てにいえるのだが超高空機艦などの特殊な敵の場合は、それに適した武器でない限り攻撃できない。 

 それぞれの機艦種で装備できる、出来ないの武器がある。

 なので、一回の戦闘で出来る攻撃回数は多くても四回になる。






 次に武器だ。

 武器は担当する飛娘の前世――飛行機艦だった頃に装備できた、もしくは、装備可能だったと思われるもののみ、作成することが出来る。

 ただ、それだけではなく、戦果によって上がる司令官レベルも影響する。

 つまり、あまり活躍していない基地には良い武器の設計図は送られないってことだ。

 うちの基地は余所に比べて、残念ながら余り戦果を上げていない。

 それでもまあ、何とか対母鳥級の航空機関砲は作成出来るようになったので、現在、白梟に言って作って貰っている。

 その名も『十号航空機関砲』だ。

 こちらは、後に開発可能となる『Z級バルカン』が対戦闘機10に対して、たったの4しかない。

 だから、今必要な分だけそろえておけば良い、なんて思いがちだがしかし、いずれ必要となる対戦闘機特化の戦闘機『大嵐』の作成で腐るほど必要となる機関砲だ。

 だからとりあえず、全力で作成をして貰っている。





 戦闘と言えばそれぞれのダメージについて改めて確認しなくてならないな。

・大損傷
 自力での飛行不可能なほどの深刻なダメージを受けた状態だ。
 ここまで来ると、攻撃どころか、他の飛娘の助けがなければ帰ることすら出来ない。

・中損傷
 自力での飛行は出来るが、浅くはないダメージを受けた状態だ。
 ゲームでは通常攻撃の威力が僅かだが落ちる。
 ただし、何故か会心率が上がる。

・小損傷
 戦闘に影響を受けないほどのダメージを受けた状態だ。
 受けた本人は痛いには変わらないので申し訳ないが、こちらとしてはまだまだ気にするようなレベルではない。

 そして、これはゲームにはない設定なのだが、このようなものが有る。



 身体の欠陥(けっかん)だ。



 例えば、大損傷などになったとしても、多くの場合、回復は可能であるのだが……。

 腕が欠落した、とか。

 眼球が潰された、とか。

 部分的に深刻な欠損を受けた場合、完治することは出来ない。

 実際、金満基地物語では何人かの飛娘が欠陥してしまっている。

 白梟の墜落もそうだが、彼女達の欠陥も是非とも防がなくてはならない。





「最後に山雲雀、お前に言っておかないといけないことがある」

「何よ? 改まって」

「金満司令官の資料、あれ、実は未完成なんだ」

「未完成?
 あれが?」

「そうだ」

 金満基地物語、第二巻『基地近辺警備での失態』は金満司令官が始めて指揮し、あえなく敗北したお話だ。

 俺はその敗因を単なる慢心だと捕らえていた。



 だが、本当にそうなのだろうか?



 漫画の描写では金満司令官は勝つに決まっているといった様子で、無造作に出撃させている。

 だが本当は、確かな根拠を持って皆を送り出したんではないだろうか?

 山雲雀が唇に指を当てながら、少し考える。

「……なるほどね。
 確かにあの資料を作った人間であれば、適当に出撃させたとは考えにくいわね。
 ……ひょっとしたら、格好を付けたんじゃない?」

「格好を?」

「そうよ。
 本当は出撃先についてしっかり調べ、なおかつ、出撃メンバーの能力も計り、絶対勝てると確信できた……。
 だけど、そういった努力を微塵(みじん)も感じさせず、俺は簡単に勝利できる人間なんだぞ!
 なんて、格好を付けたんじゃないかしら」

「なるほど、な」

 俺つえぇぇぇ! な演出か。

 であれば考えやすい。

「にもかかわらず、敗北した。
 確信があっさり覆されたってことか」

「ショックだったでしょうね……。
 ……で、その後どうしたの?」

「まずは、飛娘のレベリングを行った。
 どのようなものかは分からないけど、後の会話では白梟のものより厳しい訓練だったそうだ」

「白梟よりも!?
 凄いわね」

「むしろ、白梟が止めにはいるほどだったみたいだ。
 俺には出来ない芸当だ」

 訓練なんてむちゃくちゃやらせれば良いってものではない。

 金満司令官であれば、理にかなった訓練を最高の効率で最大限の効果が出るように課すことが出来ただろうが……。

 全く知識のない俺がやると、逆効果になるおそれがある。

 俺は話を続ける。

「そして、それと平行して飛娘の戦い方について研究している。
 資料をまとめて……初期メンバーの六人にのみ見せたんだ」

「六人のみ……?」

 そう、金満司令官はそれを六名、山雲雀、白梟、姫雨燕、川蝉、雲雀、ヨーロッパヒンズイのみに見せた。

 そして、他の飛娘には口頭でのみ伝えるようにと指示している。

「何故?」

「……金満司令官はこの戦い方が広まることで、総じて、飛娘と同じような形をした敵のレベルも上がってしまう事を恐れていたんだ。
 詳しくは、よく分からなかったけど」

「……まあ、そうね。
 そういう考え方も、あるかもしれない」

「だから最初の話、俺たちが読んだ資料はまだ完成してないってことになるんだ」

 俺が知っている山雲雀も白梟も、その完成した資料を読んだからこそ、世界にその名を轟かすほどの飛娘になった。

 そんな気がしてならない。

 少なくとも戦闘においては、大きな影響を与えたはずだ。

 山雲雀は頭の後ろで手を組んで、体を反らした。

「負けた後、何に気づいたのかしら?
 そういうのって、漫画にしても小説にしても、描写するとか――少なくとも、匂わせたりするものじゃないの?」

「基本、レベリングの甘さが前に出てるから、そちらが主として描かれてる。
 ……ただ、金満司令官が何かを確認する描写はされていた」

「それは?」

「……ひょっとしたら、山雲雀は嫌がるかもしれない」

「何よ?」

 俺は立ち上がると、体を反らしたままこちらを見上げる山雲雀に促す。

「ちょっと、装備置き場()まで来てくれ。
 見せたいものがあるんだ」

「?
 ひょっとして、昨日来た業者が関係あるの?」

「ああ、そうだ」

 正直俺は、気が進まない。

 しかし、とりあえず一回はクリアーしなくてはならないからな……。

 俺は山雲雀を伴い、重い足取りで階段に向かって歩き始めた。
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読んで頂き、ありがとうございます!^^
評価感想など頂けると、これからの執筆活動の糧になります。
気が向いたらで構いませんので、よろしくお願いします。><

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