見つけたのは美少女?
「暑い……」
外では蝉も鳴き始めた今日この頃、大学二年生である俺、柊 龍太は始まったばかりの夏休みを利用して帰省していた。
都会の喧騒から離れ久々の田舎でゆっくりしよう。
そんなことを考えて家に帰ってみたら親にいいように使われ、現在敷地内にある蔵の整理中である。
実家は昔からここら辺一帯の大地主であるらしく敷地も無駄に広い。
小さい頃は敷地内で友達と隠れんぼなどもしたものだ。
しかしそのせいもあって離れにある蔵まで大きい。
「はぁ……せっかく休めると思ったのに……」
こうして、家で親に逆らえるはずもなく渋々蔵の整理をしているところだ。ちなみに親は三日ほど家を空けており、なんだか騙された気分だ。
「整理っていったって物多すぎだろ……」
この蔵には今は亡き祖父や曽祖父の収集した物が多く置かれている。
「うわ……本物の日本刀とか初めて見た……」
壺や掛け軸などの芸術品は勿論刀などの物騒な物も置いてある。
割と蔵の中は綺麗にされているが溢れんばかりの骨董品が埋め尽くしている。
さて、これをどうしたものか……。
ーーガタッ
そんなことを考えている時だった。
二階から何か大きな物が倒れるような音が聞こえた。
「なんだ? 何か倒れたかな……」
二階にはまだ手をつけていないが……正直壺とかが倒れて割れていたりしたら困る。
恐る恐る俺は階段を登り二階の様子を見に行く。
辺りを見回してみると何かが割れた形跡などはなくほっと安堵した。
「特に割れたものとかはないな……ん?」
俺の目に骨董品の陰に隠れて全体は見えないが何か銀色に輝く人の髪の毛のようなものが映った。
「なんだあれ……」
流石にウィッグとかではないよな……。
かなり怖いが近づいて確かめてみることにする。
周りの骨董品を押しのけて、俺が見たものは、
「女の子……?」
透き通るような肌、長く美しい銀髪の少女だった。
なぜこんなところに女の子が?
普通ならばそのような思考をするであろうがその少女のあまりの美しさに思考が停止していた。
少なくとも日本人ではない。かといって北欧にもこのような美しい少女はあるだろうか。
つい、そんなことを考えてしまっていた。
「……このままじゃ不味いよな」
はっと俺は現実に戻る。
とりあえず少女の脈を測ってみると普通に脈はある。一見外傷も無さそうだし、額に手をやってみるが熱があるようにも思えない。
「気を失っているだけか。とりあえず家に運ぼう」
俺はそう決め謎の少女を背負って蔵を後にした。