表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
硝煙の魔法  作者: 物黒織架
第二章 救いたいと願うなら
24/53

第二章 第十四幕

イエ"アアアアアアアァァァァァァァァ!!!!

PV3000、ユニーク500突破!!

感謝!!これからも書き続けていきます!


「やはりジーク君、君も、ですか…いったいどんな方法で…」

フレイが目の前で苦々しげにこちらの手元を見てくる。

そこに握られているのは、やはり『災厄焔枝(レーヴァテイン)』。

何故この魔法をアーサーとジークが、それも三本同時に扱えているのか。

トリックはこうだ。

まずアーサーがスルトの持っていた『災厄焔枝(レーヴァテイン)』を子細に観察し、コピーを造り上げる。

しかしそれに魔力を流したところで『災厄焔枝(レーヴァテイン)』は発動しない。魔力の種類が違うからだ。

災厄焔枝(レーヴァテイン)』をディーゼル車に例えよう。

当然ディーゼル車(レーヴァテイン)は|ガソリン(スルトの魔力)で動く。

それに対してジークの『鋼体英傑(ジークフリート)』は電気自動車のような様なものだ。

『魔法』という結果は同じでも必要とするエネルギーが根本的に異なる。

ディーゼル車にどれだけ電気を流そうが、ピクリとも動かず、最悪壊れてしまうのと同じ様に、『災厄焔枝(レーヴァテイン)』は発動しない。

そこで海島の魔法を使う。

強引に『魔力を流されて起動する武器』という特徴を『強調』し、『災厄焔枝(レーヴァテイン)』を起動させているのだ。

最も、三本もの『災厄焔枝(レーヴァテイン)』を強引に『強調』したせいで、最大放出魔力量の八割近くを海島は消費している。圧倒的な戦力を持つ彼女が幹部級と戦っていないのはその為だ。

お陰でアーサーとジークは『災厄焔枝(レーヴァテイン)』を使える。

しかしそんな種明かしなどするつもりはさらさらない。

「フレイ、僕はあんたを倒す。そして今度こそ姉さんを連れて行く」

ギチリ、と

災厄焔枝(レーヴァテイン)』の柄を握り締めて、

「終わらせてやる!もう僕はお前に怯えない!!」

ジークは真っ正面に走り出す。


◇◇◇


ヒュン、とオーディンの手が宙を裂き、

轟、とアーサーの『災厄焔枝(レーヴァテイン)』が空を灼く。

魔術師としての身体能力を遺憾なく発揮し、アーサーとオーディンは広いホールを蹂躙しながら激突する。

「まさか『災厄焔枝(レーヴァテイン)』何てものを持ち出すなんてね!おまけに私の『必滅神槍(グングニル)』と拮抗するって言うんだからムカつくわ!!」

「そいつはどうも…っと!」

互いの一撃は食らえば一瞬で互いを殺し尽くす程の物。

必滅神槍(グングニル)』はアーサーが見切り、『災厄焔枝(レーヴァテイン)』で灼き尽くすがゆえに消え失せ、『災厄焔枝(レーヴァテイン)』の一撃は『必滅神槍(グングニル)』が吹き散らす。

互いに激しく武器を打ち合い、火花を散らしながら床を、壁を、天井を、縦横無尽に駆け巡り、破壊の限りを尽くしていく。

「私が神になる邪魔をするなあぁぁっ!!」

「俺が約束を果たす為に、貴様を殺す!!」

共に全力、共に全開。

二人がぶつかり合う衝撃波と、攻撃の余波で破壊されつつあった天井が砕け、瓦礫が降りしきる中、二人は瓦礫を踏み台にして宙を昇る。

「おおおおおおおおおおお!!!」

「あああああああああああ!!!」

ゴッギィンンッ!!!と音をたてて鍔迫り合い。アーサーの『災厄焔枝(レーヴァテイン)』がオーディンの『必滅神槍(グングニル)』に受け止められる。

轟轟、と燃え盛る『災厄焔枝(レーヴァテイン)』は生成したそばから『必滅神槍(グングニル)』を『焼却』していくが、

(一本で良い)

一本、ただそれだけ『必滅神槍(グングニル)』に余裕が出来れば、

(その一本でこいつをブチ抜く!!)

「ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

全力で魔力を生成する。無理に大量の魔力を振り絞った結果か、ブチンッ、と勢いよくこめかみの血管が弾け、ガンガンと頭が痛み、耳鳴りがし、視界が真っ白に飛びかける。が、そんなことはどうでも良い。

重要なのはただひとつ。

(こいつを…)

目の前の、神に至った筈の自分に拮抗する不遜な人間を、

「ブチ、殺すッ…!!」

果たして、限界を越えた魔力供給を行った結果か、一本分のなけなしの魔力が生まれる。

「くらえ…」

(これで、終わりに…っ!!)

目標を定めるため、一度はホワイトアウトした目を見開きーーーそこでオーディンは気付いた。

目の前の男ーーーアーサー・レッドフィールドもまた、同じ様に死力を尽くして魔力を生成していたことに。

余剰分の魔力で作らていたのは、

(手榴弾!?)

流石に魔術師といえどもあれを食らえばただではすまない。そして安全ピンを抜かれたそれはアーサーを殺すために『必滅神槍(グングニル)』を使えば、アーサーを殺す間に起爆し、オーディンの身体を粉々に吹き飛ばすだろう。

当然アーサーもただではすまない。

捨て身の一撃に等しいそれを回避するには、

(く、そ、しゃらくさいッ!!)

手榴弾に照準を合わせ、『必滅神槍(グングニル)』で貫いて遠くへ吹き飛ばす。

そこでふと、疑問。

アーサーはオーディンと同じほど魔力を振り絞った筈だ。


なのに、生成されたのがたかが手榴弾一発なんてあり得るのか?


しかしオーディンの周囲にそんなものは無い。

ならばどこに、と考え、そしてオーディンは見つけた。


焔の奥、『災厄焔枝(レーヴァテイン)』と『必滅神槍(グングニル)』が築く壁の向こう側ーーーアーサーの背後に手榴弾が浮いているのを。

(こいつ、最初から相討ち、)

それ以上考える時間は無かった。

起爆する。

あと三話くらいで二章終了です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ