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硝煙の魔法  作者: 物黒織架
第二章 救いたいと願うなら
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第二章 第十三幕

アクセス解析を見てみると、一章から二章に移るときにアクセス数がガクッと落ちるんですよねぇ。しかしお気に入り登録のペースは二章上げた時の方が格段に早いという。

いまいちどうしてこうなるのかわかりません。

一章の終わりかたがシリーズ終了っぽすぎるのかな?

広いホールの中央に、もうもうと土埃が巻き上がっていた。

己の魔法によってそれを引き起こした少女ーーー主神オーディンの襲名者は勝利を理解(・・)していた。

この一撃の前に、けして勝利はあり得ない。

彼女の魔法は『必滅神槍(グングニル)』。

白銀の槍を生成し、それを超高速で放つ必殺の攻撃だ。

その前に回避は意味をなさない。

如何なるスピードで移動しようが、『必当』の概念を持つ『必滅神槍(グングニル)』は同じだけの速度を持って相手に迫る。

その前に防御は意味をなさない。

如何なる障壁だろうが、『必滅』の概念を持つ『必滅神槍(グングニル)』は全てを貫き、相手を貫く。

気合いとか策略とか、そういうレベルを越えている。

文字通り、『絶対当たり、敵を殺す』のだから疑いなど抱かない。

オーディンの魔法は『概念魔法』、物は下に落ちる、一足す一は二、そういう『法則』の領域の魔法なのだ。

故に、


ドオァッ!!と土煙が突如現れた焔に凪ぎ払われ、その中から無傷のアーサーとジークが出現した時、オーディンは何が起こったのか理解できなかった。


「な…んだと…?」

隣でフレイが愕然とし、目の前の理解できないものを凝視する。

(落ち着け、落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け!なんで奴等は私の魔法を受けて生存している?ジークフリートの方はまだわかる。偶々(たまたま)急所に槍が当たらないことだって有るだろう。だが、あのもう一人の男は…っ!!)

と、そこでアーサーの周りの焔がギョウッ!と宙に浮く二つの()に集束する。

その剣は、

「『災厄焔枝(レーヴァテイン)』!?」

「ご名答、だ」

轟轟と唸りをあげる剣を左右に浮かせ、アーサーは前に進む。

確かにそこにあったのは死んだスルトの武装『災厄焔枝(レーヴァテイン)』だ。

だが、

「ありえない!!例え何が起ころうとも人が他人の魔法をこんな短期間でコピーするなど、絶対に不可能だ!貴様、一体…」

「種明かしでもすると思うか?」

アーサーは無駄口を叩かない。

ただ告げるべきは一つ。

「何はともあれこれでお前たちと俺達は互角だ。人間なめるなよ、神様もどき。その偉そうな態度、俺とジークで叩き潰す」

ザッ、と足音たててジークがアーサーの隣に並び立つ。

二人は視線を交わさない。

そんなことは必要ない。

ジークは姉を助けると、

アーサーは姉弟を救うと、

それぞれ誓い、気持ちは既に決まっているのだから。

「ジーク…」

「姉さん、今は安全なところに隠れていて」

ジークに声をかけようとした姉ーーーブリュンヒルデの襲名者は弟の背中に気圧された。

(背中、こんなに大きかったっけ)

ジークはこちらを見ない。

ただ背中で、自分への信頼を期待する。

「…わかった。負けないでね!」

そしてブリュンヒルデが離れ、通路の一つに避難して、

その場が戦うものだけになった時、


魔術師の戦いが幕を上げた。


◇◇◇


誘導されているな、とトールは感じていた。

相手の男ーーニコラスといったか、雷撃を封じられ、インファイトを強制されたことで先程から得意の中、遠距離戦に持ち込めない。

わざわざリスキーな近距離戦に戦況を固定する以上、何か奥の手があるのだろう。

(…やむを得んか)

強制的に距離を取る。

しかし通常の手段では追いすがられ、最初から変わらずに戦うことになる。

故にトールは、

「ぬ、おおおおおぉぉぉぉっ!!!」

咆哮をあげ、魔力放出を一気に高める。

ニコラスが身構え、再度雷撃対策に魔法を使うが、目的はそこではない。

ここはアイスランド。北極圏ギリギリの地域であり、そこらじゅうに雪が積もっている。

トールは足元の雪に天然の雷に匹敵する高圧電流を落とした。

巨大な電流は、踏み固まれ、不純物の多い雪の中を強引に通過して膨大なジュール熱を生み出し、


水蒸気爆発を引き起こした。


「う、おおおおおぉぉぉっ!?」

ニコラスが爆風で吹き飛ばされ、地面を転がる。

当然トールも吹き飛ばされたが、これで二人の間に間合いが生まれる。

(これならば魔法で作り上げた攻撃を食らうこともないーーー)

「我が一撃で潰れよ!!」

声を上げて『雷撃鉄槌(ミョルニル)』を投擲する。

が、それがニコラスの体を粉砕することはなかった。


地面から生え出るように出現した土の巨人が『雷撃鉄槌(ミョルニル)』を真っ正面から受け止める。


ドッゴアッ!!と巨人の両腕が弾け飛ぶが、巨人の肩の上にたつニコラスには攻撃は通らない。

「これが俺の奥の手、ゴーレムだ」

ニコラスはトールを見下ろしながらゴーレムを操る。

雷撃鉄槌(ミョルニル)』の一撃を受け止めたために千切れた両腕は周囲の地面から土を吸収することで修復されていく。

「たしか、神話だとトールは巨人と相討ちになって死んだんだっけな。戦いの相手としちゃ相応しいだろ」

「…よかろう、真っ正面から叩き潰す!」

そして『雷撃鉄槌(ミョルニル)』とゴーレムの拳が激突する。

衝撃波が周囲のコンクリートを震わせ、彼らの周囲は爆撃を受けたように砕け散る。

魔術師たちの怒号が世界を揺らした。

バトルものとか大好きだけどこればっかり書くのは辛い…

コメディ成分がほしぃよぅ。

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