プロローグ
どうも、銅製シャベルと申します。
処女作ですので、生暖かい目で見守っていただければ幸いです。
「ぐっ・・・ハッ・・ハッ・・」
スティーブン・ドネガンは逃走していた。
彼はここしばらくクウェートで軍事作戦に駆り出されていた。
軍務の内容は敗走状態にある敵兵を殲滅すること。複数のチームに分かれ、ほぼ壊滅状態の敵兵を順調に追い詰めていた最中。
唐突に|ソイツ≪・・・≫は現れた。
ソイツは八人からなるプロの軍人相手に真正面から立ちふさがると、自分の名前を告げ、たった一人で退却をこちらに命じてきた。
こちらはプロ、おまけに八人の小隊だ。自負もあるし、自信もある。
返答は発砲で行われた。
その瞬間、彼らは狩人から獲物にその有り様を変えさせられた。
「止まるなマイク!その瞬間奴に・・・」
言いかけた途端に、タンッという軽い銃声と共に、逃げていた同僚の頭が弾ける。
(まただ)
彼の思考を恐怖が蝕んでいく。
(また|たった一発≪・・・・・≫で・・・っ)
そう、先ほどから相手は一人につき一度しか銃弾を放たずにこちらを殺している。
悪魔的な銃の腕だった。
(基地だ・・・)
この状況で生き延びるには
(とにかく基地に・・・っ)
そうして僅かな希望にすがり、必死に走り続けるスティーブンの前で
基地の方角からッドオンッ!!という轟音がこだました。
「・・・あ?」
思わず立ち止まったスティーブンの前で巨大な火柱が立ち上がる。
燃えていく、
彼に残された僅かな希望が。
それをただ呆然と見ていることしかできないスティーブンの後ろで、
ざりっ、と悪魔の足音がした。
「お前たちの基地なら、今頃俺の仲間が爆破したところだが···どこに逃げるつもりだ?」
ゆっくりと、ゆっくりとスティーブンは振り返る。
ほんの数メートルも離れていない場所から、悪魔の青みがかった鋼色の瞳がこちらをじっと見つめていた。
「なんなんだ…。なんなんだよっ!おまえはあぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
「最初に名乗ったはずだがな」
絶叫するスティーブンとは対照的に、悪魔はひどく静かに告げた。
「魔術結社『梟≪ふくろう≫』所属、アーサー・レッドフィールドだ」
そしてアーサーは引き金を引き、スティーブンは絶命した。
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