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4 独房
アレン視点です
……俺は何をやっているんだろう。
ぼんやりとした頭で考える。
上官を、ゴドウィン・シーモアを殴って独房に入れられた。
間抜けすぎる。
笑いが漏れた。
何のために…軍人になったのか。
何がしたかったのか。
もうよくわからない。
宇宙を飛ぶのは確かに好きだった。
叔父に、ゴドウィンにマッド博士のトレーラー爆破について問い詰めると、呆れた顔をして、それがどうした、といった。
マッド博士はプーランクにとって有害だ。
消されて当然だ。今回は失敗に終わったがな。
それからトレーラーの爆破はアンドロイド排除団体がやったことになっている。
お前は余計な詮索はするな。
ミア?
あの小娘か。
あの小娘がいたのは誤算だった。
だが、小娘ごときのために、なぜ計画を変更する必要がある?
邪魔なところに小娘がいたから、死んだ。
それだけだ。
そういった叔父を殴りつけていた。
怒りにまかせて殴ったはいいが、虚しさしか残らなかった。
何をする気もおきない。
守るべきプーランクにはミアもいない。
この後、どうなるのだろう?
ゴドウィンを殴ったのだ。
首か降格か。
もうどうでもよかった。