出会い
「チャーリーの事は残念でしたが、とりあえず入ってみましょう」
「はい…」
太郎は私の返事を聞くと、扉を開けた。
「へい、らっしゃい」
私は抱きかかえられたまま、周囲を見渡す。
「妖怪がいっぱい……」
「そりゃあそうですよ。ここは妖怪が集まる異界……妖界なんですから。おっとダジャレじゃありませんよ」
「妖怪の居場所……」
私はここに馴染めるのだろうか。そう疑問に思った時、一つの声が耳に入ってきた。
「秀司の歓迎会2日目ー! 始めるよ〜!」
「歓迎会だなんて…大袈裟な……」
「主役なんだから怯まない。秀司は記念すべき4人目なんだからお祝いしないと」
4人目…!
私は聞こえた方向を見て、驚愕した。
「何で人が…!? ここは妖怪の世界なのに…!」
私の声に太郎が人の方を向く。
「あ、居ました。おーい!」
太郎がその人達の方に近づいていく。席には男子二人に女子一人。そして温泉?に浸かっているかっぱが居た。その人達は一斉にこちらを向く。
「記念すべき5人目を連れてきましたよ!」
「マジ!? 2人目の女子だ! やった!!」
そう言って金髪の女の子はガッツポーズをとる。
「太郎が見つけてきたのか!? 仕事はどうしたよ」
かっぱの驚きに太郎は手を振って答える。
「私じゃなくてチャーリーです。仕事は……今は触れないでください。怒られる未来しか見えませんから」
かっぱはチャーリーと聞くと顔を歪ました。
「あの上司様がねぇ……。運が悪かったな嬢ちゃん。さぞかし偉そうな奴だっただろ?」
「チャーリーを悪く言わないでください!! あの方は私の命の恩人です!!」
かっぱを睨むと彼は視線をそらした。
「そうかい。悪かったな……」
場の空気が悪くなった。そんな空気を打ち破ってくれたのはあの女の子だった。
「そのチャーリー?はともかくさ。歓迎会をしようよ。記念すべき4人目と5人目の」
「私の歓迎会…?」
「そうだよ! いっぱい食べな! お代は全てサブ吉が払うから」
そう言って女の子はかっぱを親指で指さした。
「サブ吉さん…いいんですか?」
「沢山食べな。さっきの非礼を詫びだよ」
「ありがとうございます!」
かっぱは温泉の湯を飲む。
「あの…さっきから気になっていたのですが、何で湯船に浸かっているのですか?」
「これはただの湯じゃない。お酒だよ。体を潤しながら酒を楽しめる。正に一石二鳥さ!」
お酒だったんだ…。
「ねぇねぇ、君。私の席の隣に座りなよ!」
「じゃあ…失礼します」
私は太郎を見て、下ろしてもらう。二十分も抱えてもらったのだ、流石に腰は治った。
そうして私は遠慮なく女の子の隣に座った。




