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異界電車  作者: こもりみかん


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5/5

出会い

「チャーリーの事は残念でしたが、とりあえず入ってみましょう」

「はい…」


 太郎は私の返事を聞くと、扉を開けた。


「へい、らっしゃい」


 私は抱きかかえられたまま、周囲を見渡す。


「妖怪がいっぱい……」

「そりゃあそうですよ。ここは妖怪が集まる異界……妖界なんですから。おっとダジャレじゃありませんよ」

「妖怪の居場所……」


 私はここに馴染めるのだろうか。そう疑問に思った時、一つの声が耳に入ってきた。


「秀司の歓迎会2日目ー! 始めるよ〜!」

「歓迎会だなんて…大袈裟な……」

「主役なんだから怯まない。秀司は記念すべき4人目なんだからお祝いしないと」


 4人目…! 


 私は聞こえた方向を見て、驚愕した。


「何で人が…!? ここは妖怪の世界なのに…!」


 私の声に太郎が人の方を向く。


「あ、居ました。おーい!」


 太郎がその人達の方に近づいていく。席には男子二人に女子一人。そして温泉?に浸かっているかっぱが居た。その人達は一斉にこちらを向く。


「記念すべき5人目を連れてきましたよ!」

「マジ!? 2人目の女子だ! やった!!」


 そう言って金髪の女の子はガッツポーズをとる。


「太郎が見つけてきたのか!? 仕事はどうしたよ」


 かっぱの驚きに太郎は手を振って答える。


「私じゃなくてチャーリーです。仕事は……今は触れないでください。怒られる未来しか見えませんから」


 かっぱはチャーリーと聞くと顔を歪ました。


「あの上司様がねぇ……。運が悪かったな嬢ちゃん。さぞかし偉そうな奴だっただろ?」

「チャーリーを悪く言わないでください!! あの方は私の命の恩人です!!」


 かっぱを睨むと彼は視線をそらした。


「そうかい。悪かったな……」


 場の空気が悪くなった。そんな空気を打ち破ってくれたのはあの女の子だった。


「そのチャーリー?はともかくさ。歓迎会をしようよ。記念すべき4人目と5人目の」

「私の歓迎会…?」

「そうだよ! いっぱい食べな! お代は全てサブ吉が払うから」


 そう言って女の子はかっぱを親指で指さした。


「サブ吉さん…いいんですか?」

「沢山食べな。さっきの非礼を詫びだよ」

「ありがとうございます!」


 かっぱは温泉の湯を飲む。


「あの…さっきから気になっていたのですが、何で湯船に浸かっているのですか?」

「これはただの湯じゃない。お酒だよ。体を潤しながら酒を楽しめる。正に一石二鳥さ!」


 お酒だったんだ…。


「ねぇねぇ、君。私の席の隣に座りなよ!」

「じゃあ…失礼します」


 私は太郎を見て、下ろしてもらう。二十分も抱えてもらったのだ、流石に腰は治った。


 そうして私は遠慮なく女の子の隣に座った。

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