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ヘーゼル実家に帰る

(ヘーゼル視点)

私はほぼ空になったお皿を乗せたカートを押しキッチンへ向かう。


今。。何が起こったのかしら?なんかいいように丸め込まれて、ミカエル様と一緒に食事をした気がする。


それにしてもお腹がいっぱいだわ。ケーキまで食べちゃったし。


空のお皿をみてシェフさんは大喜びだった。

今回は私も手伝ったので、量は半分以下でいいと伝えると、私が一緒に食事をした事驚いた顔をしていたが、

「食事は1人より、誰かと一緒の方が美味しいから、これからもミカエル様が頼んできたら、一緒に食べてあげたらどうだ?」と言われた。


それが執事のアル様にも伝わり、ミカエル様も賛成したようで、ミカエル様が屋敷で夕食を召し上がる時は私も一緒に食べることもなってしまった。


今日も一緒に夕食を頂いていたが、ミカエル様の顔が暗い。

「今日はお疲れですか?何か胃に優しいものをシェフにお願いしてきましょうか?」


「いや。。これからこの食事は取れなくなるから、食べておきたい。明後日からエルドラド王太子殿下と一緒に国境の街に視察に行くことになった」


「急ですね、どれぐらいの期間行くのでしょうか?」


「早くても2週間だな。。。片道だけでも4日かかる」としょぼんとしている。ベットが変わると眠れないだろうし。何より、昼行性や半夜行性の人たちと一緒の時間に行動するには睡眠時間を削らないといけないから体に辛そうだ。


「転移魔法でもその街にはいけないのですか?」


「あの距離だと、中継に4-5箇所は必要だし。魔力がごっそり使われるから、1日動けなくなる。王都内だったらそんなに魔力は消費しないから大丈夫だが」


「そうですか、旅先でもちゃんと寝られるように何か考えておきますね」


「俺は2週間いないし、ヘーゼルも休みを取ったらどうだ?実家とかに帰りたいんじゃないか?方向が同じなら送っていけるし」

「え?よろしいのですか?実はもう2年以上会ってなくて。甥っ子が生まれてから一度も会ってないので、会いに行きたかったんです」


「そうか、実家はどこにあるんだ?」


「ハリ。。。アストリア領です。ここから北西にある」


「アストリア。。ああ旧ハリスティード領か、そこなら途中で通る。帰りもピックアップできるぞ」


私は思わず泣きそうになった、大丈夫と思ってたが、思ったより家族の事が恋しかったようだ。


ミカエル様は何も言わずに頭を撫でてくれた。


私は自分の荷造りもしながら、ミカエル様に渡すものを縫っていた。ちょっとギリギリになってしまった。


「ヘーゼル、用意は出来たかい?そろそろ出発するよ。まず王宮に行くからね」


「はい!もう大丈夫です」


荷物を持って立つと、ミカエル様が魔法陣を描き始めた、


「しっかり俺に捕まって、いくぞ」


2人で魔法陣に入って、目を開けると。金髪の男性が私たちをニコニコしながら見ていた。


「いらっしゃい。ヘーゼルちゃんかな?」


私は異様に豪華な部屋についキョロキョロしてしまう。


「は!はい。ヘーゼルと申します。エルドラド王太子殿下」とカーティシーをした。


「ふうん、よくわかったね。どうせミカエルはここに着くとは言ってなかったろう。そして。。何で2人はそんなにくっついているんだ?魔法陣では中に入ったものは全て転移させるから、はぐれる心配はないはずだが」とエルドラド王太子殿下は私を抱き寄せてるミカエル様の事を見ている。


「念には念を入れて、ヘーゼルの安全を守る為だ」とミカエル様は真顔でいう。


私は疑わしそうにミカエル様を見たが、ミカエル様は涼しい顔をしている。


「ではヘーゼルちゃん、そろそろ行こうか。私の馬車で行こう」


お。。王太子殿下とご一緒。顔が青ざめるのが自分でもわかる。


「エルドラド殿下、私も一緒に乗ります。ヘーゼルは男性に慣れていないんですから、節操のない殿下と2人じゃ危険です」


な。。何が危険なの?節操がないの?


「私はこれでも節操はあるよ。妃達が怖いからね」


よくわからないけど、気にしない事にしよう。馬車に乗り込み、私が殿下の向かいに座ると、ミカエル様は私の隣に座った。流石の王族の馬車、乗り心地も良い。


ただ、午後とはいえまだ起きるには早い時間で、私は眠くなってしまった。しかし王太子殿下の前で寝るわけには。。。


しかし、目が自然に閉じてしまう。


「ヘーゼル、無理しないで。折角実家に帰るのに、疲れていたら勿体無いよ」


そして眠気に負けて私は眠ってしまった。


馬車がガタンと揺れて、私はハッと目が覚めた。


あれ。。横になっている。上を見上げると、ミカエル様が私を見下ろしている。


え?ミカエル様の。。


膝枕!!!!


「も!!申し訳ございません」と私が起きあがろうとすると、ミカエル様は私をゆっくりと起こしてくれた。


エルドラド王太子殿下は本を読んでいたが、私をチラッと見て。


「おはよう、ヘーゼルちゃん。ミカエルの膝は寝心地が良かったか?」


「は。。。はい、よく寝ることができました」


「後1時間ほどでアストリア領に着くが、ミカエルは眠そうだな。今度はヘーゼルちゃんにお前が膝枕してもらうといい」


「殿下!ヘーゼルになんて事を言うんですか!」とミカエル様は慌てているが。。ここは私が。

「。。。いいですよ。私もしてもらったので。。。。」


「へ。。ヘーゼル?」


「良かったな、ミカエル。ゆっくり眠れ」


「ミカエル様、こちらも」


私はさっき仕上げたサシェを取り出す。ミカエル様の好きな匂いのハーブを入れてある。


「こちらで少しはリラックス出来るといいのですが。。。。ど。。どうぞ、ミカエル様」と私は膝をポンポン叩く。


ミカエル様の顔がやや赤くなったが、大人しく膝に頭を乗せた。


頭を撫でてあげるとそのまま寝てしまった。


「うわー、本当に寝れるんだ。ミカエルはいつも寝つきが悪くて、寝不足だったから。よっぽど寝心地がいいんだな、そのサシェには何が入っているの?」


「柑橘系の皮と檜の木片が入ってます。気分を落ち着けるので、ベットルームにお勧めです」


「確かにいい匂いだね。君はハムスター系だから寝床を作るのが得意なのかな?」


ミカエル様が殿下に私のことを教えたのかな?


「そうなんです、昔から得意だったので、メイドの仕事が向いてるかなと思って、この仕事を見つけたんです。思ったより、メイドの仕事は私に合っていたみたいです」


「そうなんだ。メイドになる前は何をしていたのかな?」


「家で。。。家業の手伝いを。ひまわり畑の手入れです!」


「そうなんだ、アストリア領はひまわりの産地だもんね」とエルドラド殿下がにっこり微笑む。


流石ね、こんな小さな領の事も知っているんだ。


「まあアストリア領になってから、ひまわりの生産は縮小しているみたいだけどね。誠に残念だ。俺はここのひまわりの種を使ったパンやオイルが大好きなんだよ」


「そ。。。そうなんですか、アストリア領になってすぐに私は王都に向かったので、知りませんでした」


「そうか、それは久しぶりなんだね。ゆっくり家族と過ごせるといいな」


「勿体無いお言葉、ありがとうございます」


すると馬車が停止した。


「ついたようだな。ミカエル、起きろ」


「やだ」


「何を言っているんだ、お前は。ヘーゼルちゃんが動けないぞ」


「もっと寝たい」


「ヘーゼルちゃん、ミカエルを膝から床に落としてしまいなさい」


「ミカエル様、起きてください。視察頑張ってくださいね」と言うと、ミカエル様はゆっくり起き上がった。


「じゃあ2週間後に、サシェありがとう」と言って、私をエスコートして馬車から降ろしてくれた。


私は家族の住む場所へ向かって歩き始める。ミカエル様が手を振ってくれたので、私も振り返して、どんどん歩いて行く。


そして一軒のややくたびれた家の前についた。


「ただいま帰りました!」と言って私は家に入った。




だんだんミカエルが甘えるようになってきました。タイトルと逆になってしまっている。

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