表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
六年制ニート、時々、世直し。〜愛犬の介護をしたいので、バカな男はまとめて沈めます〜クソガキ殲滅!  作者: ダメだ里香ちゃん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/20

夏休み!①

【ジョセフ】

佐藤家のアイドル。ゴールデンレトリバー。老犬。いつだって里香の味方。


【里香】

大学一年生。ジョセフに寂しい思いをさせないため、ニートになる。


【玲弥】

中学二年生。姉思いの優しい弟。自信過剰。


【パパ】

食品卸売会社勤務。娘のニート費用を稼ぐため、全身全霊でギャンブルに挑む。


【ママ】

お菓子メーカー勤務。玲弥にとことん甘い。


挿絵(By みてみん)


競輪場の大型スクリーンに、ゴールの写真判定が映し出される。

場内に流れる独特の緊張感。理久と小林は、祈るように拳を握り、固唾を飲んでその結果を見守っていた。

『6』-『4』……そして……『3』!

理久の手には、三連単「6-4-3」の車券がしっかりと握られていた。掲示板の確定ランプが灯った瞬間、その手が小刻みに震え始める。

「……ッ……っしゃあああああああ!!」

理久は突き抜けるような青空に向かって、勝利の雄叫びを上げた。

勝ったのだ。人生の大一番、娘の「夢」を背負った勝負に、彼は間違いなく勝利した。

そして、今年も待ちに待ったこの季節がやってきた。夏休み!だ。

佐藤家は毎年恒例、犬用大型室内プールを完備した旅館へと向かっていた。

ファミリーカーのハンドルを握るパパは、鼻歌混じりに最高の上機嫌だ。隣に座るママも、高級オイルマッサージとレストランのフルコースを約束され、これ以上ないほど機嫌が良い。

「あなた、疲れてない? 運転、代わろうか?」

「ぜ〜んぜん、平気ッ! 最終秘密兵器ッ!」

「新兵器ッ! 神経にッ! 電撃ッ!」

「電撃浴びても止まらぬ進撃ッ!」

「フゥ〜〜〜ッ♪」「YEEEEEEE♪」

両親の即興ラップが車内に響き渡る。

それを冷めた目で見守る後部座席では、里香と玲弥がぴったりと寄り添い、ジョセフ専用の「生身のソファー」と化していた。あまりのハイテンションぶりに、玲弥が尋ねる。

「二人とも、やけに機嫌いいじゃん」

「玲ちゃ〜ん、パパ、競輪で大勝ちしたんだって〜。今なら何でもおねだり通るわよぉ」

「マジかよ、さすが俺のパパ」

「玲弥、何が欲しい?」

理久がバックミラー越しに息子を見る。

「えっ……えーっと……じゃあ、木刀」

「欲しいものがビームサーベルから進化してねぇぞ」

里香は弟の横顔を覗き込みながら、中二男子という生き物の幼稚さに改めて溜息をつく。

「そんなことないよ。木刀は現実的だろ。でさ、太刀と脇差しが欲しいんだ」

その言葉に、パパがすぐにピンときた。

「おっ、宮本武蔵だな」

「そそっ。二天一流を極める」

「いいぞ〜、買ってやる」

「あと、練習用と本番用も!」

「いいぞ〜、買ってやる」

「本番用ってなんだよ……人を叩く気かよ」

里香の正当なツッコミは、興奮した男二人の耳には届かない。

「ありがと! 姉ちゃんもなんか頼みなよ」

「そうだな〜……私はデッカイお願いしたばっかだし」

「二年分のニート費用?」

「そう」

すると理久が、誇らしげに胸を叩いた。

「里香、そのことならもう心配いらんぞ。資金はバッチリ用意できた。なんなら今すぐ大学に乗り込んで、目の前で札束叩き付けてやりたい気分だ」

「……凄っ! 本当にありがとうパパッ!」

「任せなさいッ!」

(これは……思ったより勝った額がデカいぞ……ッ!)

「じゃあ、私は新しいランニングシューズがいいな。散歩が多くなって、靴がボロボロになっちゃったから」

「いいぞ〜、買ってやる」

「ありがとう!」

「ジョセフは何が欲しい?」

「パパが『ジョセフは何が欲しいの?』だって」

里香が問いかけると、ジョセフは尻尾を激しく振りながら、つぶらな瞳で里香を見つめ返した。

「新しいハーネスが欲しいそうです。夜になると光る、カッコいいやつ」

「いいぞ〜、買ってやる!」

「良かったね、ジョセフ。これで夜のパトロールも安全だ」

幸せを詰め込んだ車が角を曲がると、ついに目的地が見えてきた。

犬用大型室内プール併設の旅館――その名も「ブルっこアイランド」!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i1078585
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ