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探偵でSPとか、聞いてない  作者: 岳川渓湖
3章 南のかくれんぼ

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 黒川の絶叫がぷつりと途切れ、白目をむいて泡まで吹き始めた。


「泡って出るんだな」


 和希の素朴な声をよそに、皐月部長は無言で黒川の首根っこをつかみ、ズルズルと引きずり始めた。


「酸素が足りてないようだな」


「ひゅ……ぅえ……」


(※言語機能消滅)


 宮本が慌てて手を挙げる。


「おおおれは関係ないっすよ?」


「連帯責任……素晴らしいな」


「んでぇぇぇ!!?」


 宮本も同じように引きずられ、二人は完全に問題犬の扱い。

その横で——


「部長〜♪」


 詩織が嬉しそうに駆け寄った。

 さっきまでのバラ粉砕鬼はどこへやら、甘えた顔。


「詩織。今日も元気だな」


 皐月部長が微笑むと、亜紀も自然と柔らかい表情になる。


「皐月さん、詩織に会いに来たんでしょ?」


「まぁな。というか——詩織、あの少女の件だ」


「目撃情報は?」


「駅と公園付近には全くなかった」


 空気がすっと引き締まる。

 さっきまでの殺伐ギャグが嘘のような真面目モード。


「ただ、南サイドの商店街で似た子が歩いてたって情報。身長と髪型がだいたい一致してる」


 詩織が真顔で小さく頷く。亜紀も眉を寄せる。


「一人じゃ限界がくるころ」


 和希と拓人は遠巻きにその会話を見ていた。


「かずくん俺もそろそろ会話に入——」


 和希に軽く押さえつけられ、拓人は即退場。

 二人は完全に景色。一方で、詩織・皐月・亜紀の三人は真剣な顔で続ける。


「——絞れる場所は」


 すると、黒川と宮本は遠くで「うぅ……」と立ち上がった。

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