噂の楽園を目指して
第33話目とての投稿作品は、思い付きで書いた『童話的な作品』です。
私は『カメ』と言う動物名の存在らしい。
丈夫な甲羅も持たないで、元は他の動物名を持つ存在であったらしい革や、元は植物であったらしい存在のもので、甲羅のかわりに身体を覆っている『人間』と言う動物名の存在が、そんなことを言っているのを聴いたことがある。
だから私の周囲に居る、姿かたちが違うものたちの動物名も知ることが出来た。
また『人間』と言う動物名の存在には、個別に違う呼び名があるらしい。
空を自由に飛ぶことが出来る、真っ白な『サギ』と言う動物名の存在たちが、吾輩が今住んでいる北の池の隣にある、南の池に遊びに行ったときの話をしていた。
集団になって騒ぐ『サギ』たちのうわさ話に聞き耳を立てていると、南の池には、何でも毎日のように食料を貢いでくれる存在が居るらしく、日々の食料を必死になって探す必要がほとんどない、楽園のような状態になっているらしい。
私同様に聞き耳を立てていた、紅・白・黒とカラフルな色彩の『コイ』と言う動物名の存在が、自由に『サギ』が空を飛んで、簡単に南の池に行けてしまうことを、とっても羨ましがっていた。
そして『コイ』は、絶対に水の中から出ることが出来ないのだから、こればかりは仕方がないし、どうにもならないことだと嘆いていた。
だけど私は、『サギ』のように自由に空を飛ぶことは出来ないが、『コイ』とは違って、水の中から出て陸に上がって、ゆっくりとだが陸を歩いて行くことが出来る。
もしかすると南の池に行けば、今よりも楽な暮らし、食うに困らない暮らしが出来るかもしれない・・・
私は、私たちが住む食料の少ない北の池から、南の池に行けば貢物で食料が豊富にあるとの『サギ』たちのうわさ話を頼りに、南の池に引っ越しをするために、陸に上がり、ゆっくりと歩いて行った。
すると急に、私の何千倍も大きい『超巨大なカメ』らしき存在が、凄いスピードで目の前に現れて、私の目の前に「キィィー」と言う凄い音と共に停まり、「ゴッゴッゴッゴッ」と低い声で唸っている。
かつて『巨大なカメ』らしき存在に、躊躇なく踏みつぶされた、仲間の無残な姿を見たことがあったから、私は恐怖した。
そしてさらに『人間』なる存在までが現れて、私は捕まってしまった。
あぁ~殺されてしまう・・・と思ったが、あっという間に甲羅を掴まれてしまったので、何も抵抗することすら出来ず、手も足も出ない。
恐怖のあまり、おしっこまで漏らしてしまった・・・
恐怖に震えながら、頭も手も足も甲羅の中に入れて耐えていると、何故か解放されたらしく、『人間』の気配が消えた。
さらに、『超巨大なカメ』らしき存在の気配も、いつの間にか消えていた。
恐る恐る甲羅から頭を出してみると、目の前に南の池が観えた。
私は可能な限り急いで、南の池へと続く土手の斜面を必死に降って行き、南の池の中に飛び込んだ。
飛び込んだ南の池の岸には、真っ白な『サギ』たちが群れを成して、数々の樹木の枝の上に、巣を作り住んでいた。
だからか、とても騒々しい、イヤ周囲に迷惑では?と思われるほどの五月蝿さだ。
でも私は、南の池のことを何も知らないのだから、『サギ』たちの話に、聞き耳を立ててみた。
噂話からすると、南の池の中央辺りに『浮き橋』と言うものがあり、腹が減ると皆がそこを目指すのは、間違いないらしい。
何でもその場所で『人間』が、食料を貢いでくれるらしく、皆が我先にと競争で食べるらしいが、そこに食べに行く集まる数がとても多いらしい。
競争となると、腹が満足するまで、本当に食べられるのだろうか?
今はいないが、寒くなると『サギ』とは別に、大量の群れで『カモ』と言う動物名の存在とかが、色々と南の池には飛来するらしく、さらに競争が激化するみたいだ。
噂話を聞いている限りでは、食料にありつくのは、動きのとても遅いノロマな私では、中々大変だろう。
素早く泳げる『コイ』たちに、アッサリ先を越されて、食料を全部食べられてしまいそうだ・・・
でも南の池の中央辺りにあるらしい『浮き橋』に行かないことには、南の池でもたぶん満足には食べられないのだろう。
悩んでいても何も始まらないので、取り敢えず中央辺りにあるらしい『浮き橋』を目指して、ゆっくり泳ぎ始めた。
そこが噂の楽園であることを信じて期待して・・・
これでストック終了です。
次のお題で書いたら、気まぐれに投稿しますが、それまでは暫くはお休みですね。




