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海へ行こうと思った。 「『ひもじい』はイヤだ」

第3話目とての投稿作品は、お題「海へ行こうと思った。」に対して書いた『童話作品』です。

 海へ行こうと思った。


 理由は簡単だ。


 日々の食料の争奪戦に敗れて、常に『ひもじい』のだ。


 『ひもじい』は辛いからイヤなのだ。


 川は狭い、上流から食料が流れてくるが、大きいヤツ、強いヤツ、早いヤツが真っ先に食料を確保し、食べてしまう。


 川で良い暮らしをするためには、真っ先に食料を確保して食べることが出来る、勝ち組にならなければいけないのだ。


 でも、小さく弱くノロマなボクは、ヤツらに弾き飛ばされ、食料が少ししか確保できないし、運良く確保しても、すぐに横から奪われてしまうので、満足に食べることが中々出来ない。


 悔しいが、これが現実なのだ。


 そんなとき、ナマズ婆さんが、海に行ったヤツが居るって話をしてくれた。


 そいつも、ひもじくて苦労していたらしい。


 そいつは一大決心をして、海に行ってしまったが、何年かして、川に居る大きいヤツより何倍も大きく強くなり、『つがい』とともに川に戻って来て、沢山の子どもを残したのだそうだ。


 うなぎ爺さんは、海で生まれたが、今はこの川で余生を過ごしているのだそうで、海は限りなく広く、川の水と違いしょっぱいが、食料が豊富だったと教えてくれた。


 だが、海は川では考えられないほど巨大なヤツも居るし、凶暴なヤツも沢山居る、弱肉強食の競争世界で、とても危険な場所でもあったと忠告もしてくれた。


 今も迷いはある。


 川の方が海よりも安全なのは、ほぼ間違いないのだから・・・


 でもボクは、今よりも良い暮らしが出来るかも知れない、今よりも満足に食べることが出来るかも知れない、だから、そんなわずかな可能性・希望を求めて、『海』を目指して行ってみることにしようと思ったのだ。

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