コードネーム『ユニコーン』 「戦争が変わった」
第10話目とての投稿作品は、お題「一角獣のため息」に対して書いた『現代ドラマ作品』です。
俺は傭兵、戦闘機乗りだ。
コードネームは『ユニコーン』、そう一角獣だ。
紛争や戦争があると、大抵は何処かの最前線で戦っている。
昔は中東で戦っていた。
戦闘機の垂直尾翼にはトレードマークの『ユニコーン』、胴体には敵機の撃墜機数を示す多数の☆、敵の装甲車両・戦闘車両の破壊数を示す多数の✖、傭兵部隊では結構有名な『撃墜王・破壊王』だった。
漫画やアニメが好きならば、『エリア88』の主人公等のような仕事だから判るかな?
次々と違う戦闘機を乗りこなす彼らほどは、俺たちは万能ではないが・・・
判らなければネットでググってくれ。
今は東欧で戦っているが、俺の乗る戦闘機が一機も無い。
初手で空軍基地がミサイルの飽和攻撃を受け、戦闘機は飛び立つ前に全機スクラップと化した。
そうなると戦闘機乗りとしては、やることが全く無い。
完全な無駄飯食らいだ。
その後しばらくはトレーニング漬けの日々だったが、空軍基地に『ドローン無人攻撃機』が何機も運ばれてきた。
ドローンのコントローラーを操作する人員が居ないので、俺にもドローンの操作を覚えろとの基地指令からの命令が来た。
家庭用ゲーム機のような画面と小さなコントローラーを与えられ、今はドローンの操作方法を一から教わっている。
「俺は戦闘機に乗りたいのだ、大空を飛びたいのだ」と大声で叫びたいし、ついつい《ため息》も出るが、『ドローンを安全な場所から操作して、敵を攻撃する』これこそが現代の戦争なのだそうだから、こればかりは順応するしか無い・・・
戦闘機同士の生死を掛けたドックファイトで全身に受ける強烈なG、遠い昔の思い出だ・・・