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絶対絶命

「早奈英さん!」


シルバーの気を感じない。


しかし、九鬼は南大門をこえたところで、魔神鹿女の死体を発見していた。


東大寺から離れ、国道に向かって走る九鬼の横合いから、黒い物体が飛び出し、道を塞いだ。


「我が名は、魔神鹿のフン!1号!」


さらに後ろにも、同じ魔神が現れた。


「我が名は、魔神鹿のフン千二十号!」


その番号が表すように、魔神鹿のフンの数は、信じられない程いた。


まるで奈良公園には、魔神鹿のフンしかいないように思えた。


「どけ!」


九鬼は、回し蹴りを魔神鹿のフン1号に食らわした。






「何なの!これ!」


下っぱ達を追いかけ回し、南大門まで戻ってきた乙女ピンクは、絶句した。


巨大な鹿のフンが、辺りを埋め尽くしているのだ。


「しゃらくさいわ!」


ピンクは乙女ケースを突きだし、


「兵装!」


武器に変えた。


「乙女ミサイル!」


それは、ミサイルランチャーだった。


「くらえ!」


ミサイルが発射され、爆発した。


お土産屋やうどん屋に、飛び散った大量の鹿のフンが、降り注いだ。



「死ねえ!」


ピンクは、ミサイルをまた発射した。


その攻撃はのちに、嵐山乱射事件に続く…鹿のフンミサイル事件と呼ばれた。




「きりがない!」


一体一体は、弱いが…数が半端ではなかった。


それに、倒しても増えているように感じた。


鹿のフン包囲網の外にいる鹿達が、糞をすると…出来たてほやほやの鹿のフンが誕生していた。


その生まれる早さは、半端ではない。


戦いは、数時間にも渡り…もう夕方に近づいていた。


「どこかに…親玉がいるはずだ!」


途中、自動販売機で、カロリーメイトを買い、水分を補助しながら、九鬼は親玉を探していた。





「ククク…」


鹿のフン達が、暴れ回る中…鹿せんべいを売る売店のおばあちゃんは、含み笑いを漏らしていた。


「わかるまいて…あたしが、鹿のフンを操っているとはな」


鹿せんべいを売るだけでなく、鹿せんべいとばし大会にも出場経験のある富子65才は、


ベテランの俳優だった。


しかし、主役をはったことはない。


今回は、孫の智也君七才の希望をきき、彼が好きな乙女戦隊月影のオーディションを受けていたのだ。


月影側ではなく、敵方になってしまったが、スクリーンには映ることができる。


これで、孫も喜ぶだろう。


「じゃあ、行ってくるよ。智也」


奈良の地へ向かう祖母に、智也は言った。


「おばあちゃん…。ぼく、グリーンが好きだから、蒔絵ちゃんだけは、傷つけないでね」


孫の言葉に、富子は頷きながら、頭を撫で、


「大丈夫じゃよ!蒔絵ちゃんには、手をださんからのう」




そう誓った富子の前に、


「鹿せんべいをくれ」


小銭に差し出す蒔絵がいた。



「な!」


富子が絶句した。毎週、孫と見ているから、蒔絵の顔を見間違うはずがない。



それに、周りを魔神鹿のフンに囲まれて、近くに鹿などいないのに、鹿せんべいを買いに来るなんて、常識ではあり得なかった。


(ま、まさか…正体がばれた)


しかし、まだわからない。


「はい…ありがとうね」


富子は、小銭を受けとると、鹿せんべいを渡した。


緊張が走る。


富子は、蒔絵の顔を見れない。


「こ、これは〜まじおかしいぜえ!」


不満気な蒔絵の口調に、富子は我慢できなくなり、正体を晒した。


「よくわかった!わたしが、鹿せんべい売りではなく、鹿フンの親玉だと!」


椅子から立ち上がり、赤いタイツを被った富子の耳に、信じらない言葉が聞こえてきた。


「これよ!草はいってんじゃん!食えねえよ!交換しろ!」


「え」


赤タイツの富子と、蒔絵は目が合う。




「てめえ!怪人だな!人に、変なもん売りやがって!」


「ち、違う!」


弁明しょうとする富子の前で、怒りの蒔絵がグリーンに変身した。


と同時に、発射された乙女ビームが、富子を直撃した。


(智也…おばあちゃん…グリーンと絡めたよ)





富子がやられたと同時に、鹿せんべいの箱に偽装されていた魔神鹿のフン製造装置は、破壊された。



奈良公園を埋め尽くしていた鹿のフンは、もとの大きさに戻った。


「ったく!こんなもの食えるかよ!」


蒔絵は、遠くにいた鹿に、せんべいを投げた。




ちなみに、鹿せんべいは食べれません。






「消えた…」


魔神鹿のフンが消えたことに、ほっとするのも束の間…。


体力を使い果たした九鬼の前に、光輝く戦士が姿を見せた。


「九鬼真弓!今日は、お前の最後の日だ!」


沈みゆく太陽が、若草山が左に見える広大な公園の彼方に沈んでいく。


もうすぐ、月が昇る。


しかし、その前にいる敵は、今までの魔神と比べ物にならない。


乙女ガーディアン…



乙女プラチナ。



変身できない九鬼の運命は!?




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