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67.体育祭 午後の部

3作品の同時連載はキツいです。

(一条院 宗雪視点)


ーバン!……バン!バン!


『ほな、午後の部を始めるで~!』


数発の花火の後、綾香から告げられた午後の部開始の報告。


この先の種目で、俺様達の勝敗が決まる。


だが、しばらくは俺様達の出番はない。


何故なら……


『ほな、午後の部最初の演目は……応援団とチアリーディング部によるパフォーマンスや!』


……純粋に、こういう演目が午後の部の殆んどを占めているからだ。


「ふれぇ~!……ふれぇ~!」


「……ハァ……午後の部は俺様達の出番が少ねぇな……」


ちなみに、応援団やチアリーディング部に所属している生徒は味方の戦闘力を上げるタイプの妖術使いが多い。


そういう術者が戦闘能力を持っている例は少なく、裏方に回る事が多いとか……


「……まァ、こんな種目もあるよなァ……」


「このまま見守るっすよ」


そうして俺様達は、応援団とチアリーディング部によるパフォーマンスを見続けた。


そして、それが終わると……


『ほな、次の種目は……部活対抗リレーや!……ちなみに、1位の部活から順に部費が増額されるんで、そのつもりでな~?』


「「「「「「「うおぉぉぉぉ~!」」」」」」」


これまた体育祭の恒例行事。


部活対抗のリレーが始まった。


……もっとも、帰宅部の俺様達には関係ねぇが。


『お、やっぱ優勢なんは陸上部か~。……その次に野球部やサッカー部なんかが続いとるわ』


『ふ~ん♥️……やっぱり走る部活は有利ね~♥️。……ところで、何で水泳部は地面に寝そべってジタバタとしてるのかしらぁ♥️?』


『泳いでるつもりなんやろ。……それよりウチは、剣道部がすり足で進んどるんが気になるわ』


……やはり、こうした部活対抗リレーでネタ枠が出るのは定番であり、水泳部は地面で泳ごうとし、剣道部は遅いすり足で進んでいた。


まあ、当然両部活ともビリ争いだが。


……で、1位の走者がゴールし……


『ゴォォォォ~ルや!……1位は安定の陸上部、2位は野球部、3位はサッカー部っちゅう結果に終わったで~!……ちなみに、ビリは地面をジタバタしとった水泳部や!』


1位が陸上部、2位が野球部、3位がサッカー部という結果に終わり、ビリの座には水泳部が収まった。


その後も美乱御前を出場停止にした状態での保護者対抗リレーや、OBによる競争なんかが執り行われた。


その間、俺様達は観戦に徹していた。



そして、午後の部開始から1時間が経過した頃……


『ほな、そろそろあの種目と行こか~!』


『ふふふ♥️……さぁ、大一番と行きましょ~♥️!』


綾香と玖尼が、急にテンションを上げて種目紹介を始めた。


そうして告げられた種目は……


『……っちゅう訳で、学年対抗大乱闘(・・・・・・・)を始めるで~!』


「「「「「うおぉぉぉぉぉぉ~!」」」」」


学年対抗大乱闘……この体育祭のメインイベントにして、最終決戦とも言える種目だ。


『ルールは簡単。……とその前に全員、後で配布されるリストバンドを手首に巻いて欲しいんや。……そのリストバンドはこの校内に限り、受けたダメージを肩代わりしてくれるんやけど、肩代わり出来るダメージの限界に達すると自動でリストバンドを付けた(もん)を控えスペースに転送するっちゅう仕組みが施されとるんやで~!』


『ちなみに、戦いたくないって子は棄権しても大丈夫よ~♥️。……ただし、その分だけ勝率も下がっちゃうけどね~♥️』


『……っちゅうんも、この乱闘は1度に3学年同士で乱闘して、最後まで脱落せんかった学年が勝利する種目やからや!』


『最後まで残ってた学年には、何と100点が加算されちゃうの~♥️!……2位でも50点が加算されるから、どんどん頑張るのよ~♥️!』


『まあ、最下位には点は加算されんのやけどな?』


……うん。


単純(シンプル)だが、だいぶ厳しい勝負になりそうだな……


と、その時……


「……宗雪、蘭子は私達に任せて欲しいケラ!」


「ん!?」


突然、怪良が血迷ったとしか思えない事を言い出したのだった。


「おい、流石にそれが厳しいのはオレでも……って、怪良以外は誰が戦うつもりだァ!?」


「勿論、僕と……」


「……私でございます」


怪良と共に蘭子に挑むと手を挙げたのは、空助と沙耶花だった。


と、その時……


『それと1つ備考やけど、式神の使用は原則禁止やで~。……ただし、武器の持ち込みはOKや!』


「……だそうケラ。……つまり、私達でも充分活躍出来る筈ケラ!」


こ、こいつ……


蘭子は武器が有るからって勝てる相手じゃねぇぞ!?


「いや、武器の有無なんて関係ねぇ!……蘭子は俺様よりも(つえ)ぇ化け物だぞ!?……それを武器が有るからって……」


「いいや、私はやるケラ!……これでも、私は蘭子の義姉ケラよ?」


「美乱御前に拾われて育てられただけの奴が、美乱御前の血を引く奴に勝てるかよ!」


「……そのための僕達です」


いやいや、空助と沙耶花が加わったところでだな……


「……って、そもそも沙耶花に武器なんて……」


「いえ、先日のメレリーさんと松夜さんの襲撃で武器の必要性を悟りまして……少々、籠手の類を購入いたしました」


「……こ、籠手は防具だが?」


「この状態で相手を殴れば、これも立派な殴打武器でございますよ?」


沙耶花は手から肘にかけて籠手を装備していたが、籠手は防具であって武器ではないんだよな……


でもまあ、言ってる事も間違いじゃ……いや、間違いだろ。


「とにかく、3人が束になったところで蘭子に勝てるとは……」


「お願いだケラ!……私にも、姉としての意地があるんだケラ!」


「……ハァ……ったく、分かったよ……」


どうせ言っても聞かねぇし、やらせてやるか。


「じゃ、オレ達はその他の奴等かァ……」


「いや、桜と夏芽は麻里(マリー)を頼む。……あいつの実力は俺様程じゃねぇが、俺様は今ちょっと顔を合わせづらくてな……」


「ハァ……相棒(ダーリン)、オレ達に任せとけやァ!」


「任せとくっす!」


この2人なら、麻里(マリー)ともマトモに戦える筈だ。


……俺様はさっきの麻里(マリー)とのアレコレで、顔を合わせづらいしな。


「……で、最後に萌音は2年と3年の奴等を同士討ちさせてくれ」


「分かったのだ!」


「……俺様も雑兵狩りに専念するが、他がヤバくなったら一応は助けるつもりだ」


「おう、そうでなきゃなァ!」


……所詮、2年と3年で(つえ)ぇ相手はそれぞれ1人ずつって状態だし、後はその2人をどう倒すかが問題になるな……


まあ、何とかなる事を祈るしかねぇよな……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(俯瞰(ふかん)視点)


『えっと、リストバンドは行き渡ったな?……ほな、学年対抗大乱闘の開幕と行こか~!』


『さあ皆、グラウンドに集まって~♥️!』


グラウンドに集まった全生徒……いや、正確には棄権しなかった生徒達。


そして、その直後……


『よ~い……ドンやぁぁぁぁ~!』


ーザッ!


開幕を知らせる綾香の声と共に、彼・彼女等は自身の学年以外の生徒へと攻撃を繰り出した。


幸いにも、リストバンドは学年ごとに色が違った。


だからこそ、それを目印に他学年の生徒を攻撃出来たのだ。


とはいえ……


「俺様の妖力弾で脱落しやがれ!」


ードドドドドドドドド!


「「「「「「うぎゃぁぁぁぁぁ~!?」」」」」」


「私の前に立つと怪我しますわよ~!」


ードシドシドシドシドシ……ドシィィィィィン!


「「「「「「うぎゃぁぁぁぁぁ~!?」」」」」」


当然、弱者は強者に対して何も出来ないまま倒され続けていた。


と、その時……


「ケラケラケラ……蘭子、私達と勝負だケラ!」


ーザザッ……


「……あら、貴女方は……ふふ、本気で私に勝つつもりですの?」


怪良が蘭子に宣戦布告し、同時に蘭子の背後に空助と沙耶花が陣取った。


「僕達3人なら、貴女にだって……」


「私が貴女の鎧を打ち破ってみせましょう!」


空助と沙耶花もまた、蘭子を倒す気満々だった。



そして同時刻、少し離れた場所にて……


「……あ~しは今、虫の居所が悪いっつ~の!」


ーピキピキピキ……


「そうかァ。……だが、そんなのはオレ等に関係ねぇんだよなァ!」


「そういう事っす!」


辺り一面を無差別に凍らせ続ける麻里(マリー)に対し、桜と夏芽が相対していた。


……ここから、彼・彼女等にとっての大勝負が幕を開けたのだった……

ご読了ありがとうございます。


蘭子と麻里(マリー)を相手に、1年はどう戦うか……


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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