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23.美乱雑技団の発足

最近、1話に詰め込み過ぎです。

(一条院 宗雪視点)


あの牛鬼騒動から1週間が経過した。


俺様によって病院に担ぎ込まれた夏芽は、目立った外傷こそなかったが……まあ、色々とヤバい状態だったため、1週間の完全休養に入る事となった。


その間、俺様達は学校で授業を受けたり休憩時間を各々楽しんだり……まあ、平凡な学生生活を過ごした。


ちなみに、入学早々のテストは夏芽が復帰してからやる事になったが……


まあ、仕方ないか……


「……じゃあ、今日はようやく夏芽と面会出来るらしいし、見舞いと行くか」


「お、良いじゃねぇかァ」


「私も賛成でございます」


「僕もです」


「萌音もなのだ!」


こうして俺様達は夏芽が入院する病院へと見舞いに行く事にしたのだった……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(二剛院 夏芽視点)


……ん?


この風景は……


……アタイは気付けば、よく分からない場所に立ってたっす。


確か、アタイは病院のベッドで寝てた筈っすよね?


と、その時……


「おい空助、ちょっと俺様に勝っただけで調子に乗ってねぇよな?」


ーブンッ!


「ぐはっ!」


「ぎゃはははは!……所詮、試合形式じゃねぇ不意打ちにはこの程度かァ!」


「お、お()めになられてください!……これ以上、空助さんを傷付けるのは……」


「沙耶花、誰が口答えして良いって言った?」


……何っすか、これ?


宗雪が空助に腹パンして、桜先輩が沙耶花を捕まえつつ空助を罵倒して……


明らかにおかしいっす!


でも、おかしい光景は止まらなかったっす。


「……宗雪、桜、何をしてるっすか?」


「あァ?……お、二剛院家の夏芽じゃねぇかァ」


何故かアタイがアタイの前で、宗雪達に何をしているのか問い詰めてたっす。


……多分、これ夢っすよね?


「何をしてるか聞いたんすよ?……空助を傷付けて、沙耶花を捕まえて……アタイの"友達"に、何してるか聞いてるっす!」


ーぶわっ!


「「「「「っ!?」」」」」


夢の中のアタイを含めた5人が、夢の中のアタイの妖力が一気に膨れ上がったのを見て驚いてたっす。


……でも、アタイはこれ以上この夢を見るつもりはないっす。


こんな不愉快な夢、アタイにとってはどんなクソ映画よりも見る価値がないっすから……


……………………


……………


……



「zzz……zzz……ん~?」


「ん?……起こしちまったか?」


「いや、全然声聞こえてこなったから、多分関係ないっすよ?」


夢から覚めたアタイを出迎えたのは、宗雪、桜先輩、沙耶花、空助、萌音の5人だったっす。


「……にしても夏芽、だいぶ困惑した表情で眠ってやがったが……変な夢でも見たかァ?」


「ん?……あ、そうなんすよ!……実は……」


そうしてアタイは、夢で見た内容を皆に教えたっす。


すると、宗雪は頭を抱え……


「そうか……そりゃ多分、本来進む筈だった未来だ」


「え、どういう事っすか!?」


アタイは、宗雪の言ってる事が全然理解出来なかったっす。


「……昔の俺様が我が儘放題差別し放題のクズだったのは、ここに居る全員が直接か噂かは問わずとも知ってるだろ?」


「でも、今の宗雪は……」


「……予知夢だ。……それで自分が破滅する未来を見た俺様が、自分が生き残りたい一身で自分の性格を矯正した。……それだけの事なんだよ……」


予知夢で自身が破滅する未来を見て、自分の性格を矯正した……


そんな言葉、とてもじゃないっすけど信じられなかったっす……


「でも、結局オレが知ってる相棒(ダーリン)は矯正後の方だろォ?」


「それはそうだが……」


「なら、気にする程の事じゃねぇ。……問題は、どうして夏芽が本来進む筈だった世界線を夢で見たかなんだが……ま、これはいくら考えても分からねぇだろうなァ……」


「そうっすね……」


アタイが見た夢の話は、桜先輩によって強引に有耶無耶にさせられたっす。


まあ、アタイも気持ちは分かるっすけど……


「んな事より、体の調子はどうだァ?」


「もうバッチリっすよ?……何なら、すぐにでも河濫沱と戦っても良いくらいには……」


「せめて、テストが終わった後にしてくれ……」


あ、そういや入学早々行われるテストを受けないまま入院しちゃったっすから、テストが延期されてたんすね……


「……なら、テストが終わったら河濫沱に勝負を挑むっすね!」


夢で見た世界線にならずに済んだ安堵を感じつつも、アタイは満面の笑みでそう皆に返したっす……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(一条院 宗雪視点)


見舞いに来た当初は寝ている夏芽を起こすのは駄目かと思ってすぐ帰ろうとしたが、夏芽が起きた後はそれなりに楽しい時間を過ごせた。


……とはいえ、夏芽が本来の世界線を夢で見たのは要注意だな……


と、そう考えていると……


ーピロリン


「あァ?……何かスマホに通知が……って、えぇぇぇぇぇぇぇ!?」


「おい桜、どうしたんだ!?」


突然、スマホの通知を見た桜が絶叫した。


「だ、相棒(ダーリン)!……これを見てくれ!」


「な、何だ?」


俺様……いや、俺様達はすぐに桜のスマホを全員で囲むと、その画面にはとある動画が流れていやがった。


その内容は……


『こほん……え~、初めましての方が大半だと思うでありんすけど、わっちの名は美乱御前。……かつて八妖将最強と呼ばれた妖でありんす』


『そして私は怪良だケラ!』


『私は津螺ですツラ……』


『訃羅だフラ!』


……動画の中で自己紹介をしていたのは、1週間前に出くわした美乱御前with三官女だった。


というか、今"かつて八妖将最強"って言ったか?


『……今、わっちが"かつて"と言った理由でありんすけど、それは至極単純で……わっちが八妖将を離反したからでありんす』


「「「「「「………え?」」」」」」


美乱御前が、八妖将を辞める?


そんな展開、原作ゲームにはなかったよな?


『なお、今後の名称は……』


ーダダダダダダダダダダダダダ……


「わ、わざわざ効果音まで用意してるっすよ……」


ーダダン!


美乱雑技団(・・・・・)でありんす!』


美乱雑技団……


何だろう、何というか……


「ダサいっすね」


「ダサいのだ」


「ダセぇなァ」


「ど、独特な名称でございますね……」


「沙耶花さん、無理しなくても大丈夫ですよ?」


沙耶花以外、ドストレートにダサいと言い切った。


かく言う俺様も同感だが……


『あ、それとこの動画を撮ってる撮影用具やその他諸々は、わっちが人間に化けて正式な手続きを経た上で入手した物でありんすから、警察沙汰にはならないでありんすよ~』


『ちなみに、SNSのリンクはチャンネルの概要欄に添付してあるケラ!』


『もし良かったらフォローしてくれると助かりますツラ~』


『チャンネル登録も宜しくだフラ!』


えっと、マジで何だこれ?


美乱雑技団と名乗り出した美乱御前with三官女が、何か動画配信者みてぇな事をし始めやがった。


「こ、こんなんすぐBANされるだろ……」


「いや、一応特にルール違反はしてねぇしなァ……後、多分美乱御前が何か手ぇ回してやがるだろうし……」


「まあ、そうだろうな……」


ただ、何でこのタイミングで離反なんか……


と、ここで桜が口を開き……


「……相棒(ダーリン)、これは予知夢に……」


「無かった。……そもそも、この前の牛鬼と戦うのだって本来ならもっと先……っていうか、あの時三官女は明確に夏芽を狙ってやがったよな?」


「つまり、訳が分からねぇって事だなァ?」


「……だったらいっその事、同じ八妖将の河濫沱に聞いてみるっすか?」


「……しかないな……」


謎の夏芽襲撃と美乱御前の離反は繋がってる気がするんだよな……


……という訳で、俺様達は気になる謎を全て、河濫沱に聞く事にしたのだった……

ご読了ありがとうございます。


現状、八妖将は早々に離反した桜を除いても、3つに分裂している状態です。


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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