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12.高校入学

この話から、高校編開始です!


本格的にハーレムに向けて進んで行きます!

(一条院 宗雪視点)


あの恐るべき土蜘蛛 大豪林主との戦いから数年後、国立退魔連大学附属高等学校にて……


「……ようやく、俺様も原作ゲーム開始の時間軸に入ったか……」


原作ゲームこと"陰陽ラヴァーズ"が始まる時間軸は、高校の入学式だった。


原作ゲームのストーリーとしては、何とか一般枠で高校に入った主人公が、10歳の時に出会った一条院 沙耶花と再会する場面から始まっていた。


そして、主人公は沙耶花を虐げる原作ゲームの俺様と決闘をし、勝利を収める。


そこから、俺様の転落は始まるのだが……もう、それは起こり得ない。


何故なら……


「宗雪様、いよいよ高校に入学ですね!」


「お兄様、くれぐれも孤立する様な真似はお控えしていただきたいのでございますが……」


相棒(ダーリン)、そろそろエッチな事も解禁して良いと思うんだが……」


主人公の空助からは慕われ、妹の沙耶花からも慕われ、婚約者の桜からは惚れられて……もう、破滅フラグなんてねぇも同然……


……なら良かったんだがな……


現状、封印している土蜘蛛 大豪林主を含めて八妖将が7体も残っていやがる……


「……ハァ、大豪林主をどうするか……」


相棒(ダーリン)、入学式の日までそんな事を考えなくても……」


「そうは言うがな……」


この数年で、俺様達4人は更に強くなった。


だが、それでも俺様達が大豪林主に勝てるイメージは全く浮かばねぇんだよな……


とか考えてると……


「あ、宗雪なのだ!」


「お、萌音か……」


俺様達の後ろから、聞き覚えのある声がやって来た。


声の主は、原作ゲームでは未実装に終わってしまったヒロインの1人、萌音だった。


「へぇ~、萌音もこの高校入れたんだなァ?」


「いや桜、失礼にも程が……」


「うっ……まあ、試験はボロボロだったのだ……」


「……本当によく受かったな!?」


俺様としても、三愛院家の分家出身でしかねぇ萌音が入るためには試験で良い点を取るしかねぇと思っていた。


だから、てっきり原作ゲームで高校に居たのも、実は頭が良かったとかそんな所かと……


「萌音が入学出来たのは、能力……妖術が評価されての事なのだ」


「ああ、なるほど……」


確かに、萌音の幻術は凄い。


事前情報が無ければ、俺様ですら本物だと思い込むだろう。


と、ここで……


「……お兄様、先程からこちらを見ている者が……」


「ん?……ああ、敵意の類いが無かったから気付かなかった」


沙耶花が、少し離れた場所に立ちこちらを見ている人物を見つけた。


その人物は、水色髪のボーイッシュヘアーで明るい雰囲気を纏った女子生徒だった。


そして、彼女には原作ゲームで見覚えがあった。


「お~い、そこで俺様達を見てる……二剛院 夏芽って奴は今すぐこっちに来る事だな!」


「うわぁぁぁぁぁ!……何でアタイの名前を知ってるんすか!?」


「そりゃあ数院九家の1つ、二剛院家本家の人間を知らねぇ筈がねぇだろ」


二剛院 夏芽は、三愛院家の分家出身の萌音と違って二剛院家本家の出身だ。


だからこそ、知名度もそこそこある。


「ぐぬぬ……まあ、それはそれとして……君達に注目してんのはアタイだけじゃないっすよ?」


「……だろうな」


現に、こうしている今も俺様達への視線が止まっていない。


実際、幾つか原作ゲームで知っている顔も居る。


少し離れた場所に立つ、銀髪の黒ギャルらしき女性、八笑院 麻里。


校舎の入口に立つ、金髪ドリルツインテールの令嬢らしき女性、四美院 蘭子。


校舎の窓から俺達を見ている、橙髪を団子状に纏めた糸目にキツネ顔の女性、五知院 綾香。


綾香の隣に立つ、頭に白い布を巻いている尼らしき女性、七賢院 玖尼。


綾香達とはまた別の窓辺に立つ、赤髪に能面を被った女性、六刃院 杏美。


どうも、俺様達は全ヒロインに目を付けられてしまったらしい。


「……だから、アタイが先に唾付けとこうと思ったんすけど……もう先客が居たんすか……」


「……え、それ萌音の事を言ってるのだ?」


「そうっすよ?……まあ、例の土蜘蛛騒ぎで知り合いになっただけだとは思うっすけど……」


「そうなのだ!……宗雪のお陰で、萌音の家は助かったのだ!」


いざ言われると恥ずかしいが、少なくとも萌音は味方に出来ているという認識で大丈夫そうだな。


「ふ~ん……宗雪が昔の噂と違って良い人なのは聞いてたっすけど、そこまで懐くっすか~?」


「何か、文句あるのだ?」


「いやいや、逆っすよ!……寧ろ、仲良くなりたいんすよ!」


「えぇ!?」


まさかヒロイン側から接触して来るとは……


いやでも、夏芽は自分から相手に話しかける陽キャで、原作ゲームでも俺様に喧嘩を売った主人公を庇ったりしてたっけ……


「あ、もしかしなくてもさっきの言葉が不快になっちゃったっすか?……だとしたら、本当にごめんっす!」


「いや、別に気にしてねぇよ」


「本当っすか!?」


「ほ、本当だ……」


夏芽はいつも明るく、話しやすい性格をしている。


ただ、それ故に思った事を何でも言ってしまうため、時折相手を不快にさせてしまうとか何とか……


原作ゲームにおける設定はこんな感じだったか……


「じゃあ、今後も仲良くして欲しいっす!」


「そ、それは良いが……」


「ありがとうっす!……あ、もうこんな時間っす!」


「え?……そこまで急ぐ時間じゃ……」


「アタイは基本、時間に余裕を持って行動するんすよ!……ってな訳で、また後で会おうっす!」


ータッタッタッ……


「……行っちまったな……」


夏芽は時間的な余裕がなくなったらしく、急いで校舎の方に向かって行った。


後、気付けば俺様達を見ていた他のヒロイン達の姿も見えなくなっていた。


「……それじゃあ、萌音も行くのだ!」


「ああ、またな」


「またなのだ!」


夏芽に続き、萌音も行ってしまった。


……とはいえ、ヒロイン達に注目されちまったのはちょっとマズいかもな……


潰し切ったと思った破滅フラグが再燃しかねねぇ。


と、そんな時……


「……お兄様、少々よろしいでございましょうか?」


「ん?……何だ?」


いつにもまして、深刻そうな表情で沙耶花が話しかけて来た。


これは、何かあったんじゃ……


「お兄様は、夏芽様や萌音様とも婚約するおつもりでございましょうか?」


「いや、何でだよ!?」


沙耶花が俺様に質問した事柄は、とんでもなく訳が分からねぇ事だった。


「え、違うんですか!?」


「な、違うのかァ!?」


「空助と桜もかよ!?」


確かにこの世界では強ければ一夫多妻も許されているが、だからって何の脈絡もなく2人も娶ろうとしねぇよ!


「ち、違ったのでございますか……」


「僕は少なくとも、萌音様は娶るのかと……」


「何か意外だなァ……相棒(ダーリン)はこう、欲しいものは何でも手に入れたがる性質(タチ)かと思ってたんだがァ……」


いや、確かに俺様は欲しいものは手に入れたがる性質(タチ)ではあるが……


「別に俺様、萌音も夏芽も今は欲しくねぇし……」


「お兄様、"今は"とお付けになられましたね?」


「日和りましたね?」


「日和ったなァ?」


「ひ、日和ってねぇよ!」


ただ、今後はどうなるか分からなかったから付けただけで……


「……まあ、そういう事にさせていただきます」


「僕も同じく」


「オレも同じだなァ」


「……何か納得行かねぇ!」


桜はともかく、沙耶花や空助もだいぶ図太くなったよな~。


10歳の時からは考えられねぇ変化だ。


「……ま、相棒(ダーリン)が婚約者を増やしたくなったらすぐに言えよ?……受け入れてやるから」


「桜のその懐の広さは何なんだ?」


「っと、オレ達もそろそろ行こうぜ?」


「いや、俺様の質問に答えろよ!」


……とまあ、そんなこんながありつつも俺様達は校舎の方に向かった。


ここから、どんな歴史を歩むのか……


それは、神のみぞ知るといったところか……

ご読了ありがとうございます。


何か最終回っぽい終わり方ですが、寧ろここから始まりです。


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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