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10.土蜘蛛との戦闘

……早くハーレムに持って行きたいけど、萌音はもっと先にするつもりです。

(九相院 桜視点)


「おらァ!」


ードシィィィィィン!


「ンガッ!……マダマダ……イケル!」


ーブンッ!


「チッ!」


ータッ……スカッ……


「ミタメニヨラズ……スバヤイ……」


……戦闘開始からどれだけ経ったんだろうなァ……


オレは未だに、大豪林主と激しい攻防を繰り広げていた。


……というか、いまいちこれといった決定打を出せてねぇんだよなァ……


「……本当に、ここまで武装してこの程度とか……あまりにも情けねぇなァ……」


「コロス!」


ーブンッ!


「おっとォ!」


ータッ……スカッ……


幸いにも、大豪林主の攻撃は大振りで避けやすい。


まあ、時折吐いて来やがる糸に関しては滅茶苦茶ウザく感じるが……


「フシュゥゥゥ!」


「あァもう、ウザいったらありゃしねぇ!」


ースカッ……


「マタ……ヨケタ……」


大豪林主の糸を避けつつ、オレはどう勝負するべきか頭を悩ませる。


相棒(ダーリン)から受けた恩にも報いてぇし、ここで負ける訳には……


「……取り敢えず、もう少し攻撃してみるかァ!」


ーブンッ!……ドシィィィィィン!


「ンガァッ!」


オレは肩から生やしてる【骨腕】を大きく振り被り、大豪林主の脳天めがけて落とした。


「ハァ……ハァ……どうだ、この野郎(やろ)ォ!」


「……イダイ……オデ……ホンキ……ダス……」


ーぶちゅぶちゅぶちゅ!


「っ!?」


どうも、今のは悪手になっちまったらしい……


大豪林主が、変形を始めやがった……


「キニクワナイナラ……ハカイシロ……ジャマダトオモエバ……ジュウリンシロ……ソンナ……オデノナ……ダイゴウリンシュ!」


ーぶちゅぶちゅぶちゅ!……ぶちゃ!


「またキモいなァ……」


先程までの人間態として使っていた仮初めの肉体を破り捨て、土蜘蛛本来の姿が(あらわ)になった。


見た目としては、顔は虎、それ以外も虎柄の蜘蛛といった感じで、何より全長も5m以上ありやがる。


「コンドコソ……コロス!」


「おうおう、殺れるもんなら殺っ……」


「ンガァァァァァァ!」


ードンッ!……ヒュ~……ドシィィィィィン!


「ぐはっ!?」


……何が……起こった?


まるで、大型トラックと正面衝突したみてぇな衝撃が走ったぞ?


しかも、さっきの場所から何mも離れた場所まで吹き飛ばされてやがるし……


「ンガッ?……シンデナイ……」


「ハァ……ハァ……オレが装備してる【骨鎧】の防御力、舐めんじゃねぇぞ!」


……とはいえ、もう限界だ。


【骨鎧】は今のでボロボロだし、残りの【骨腕】と【骨尾】、そんで【骨薙刀】もどれだけ保つか分かったもんじゃねぇ……


「ダッタラ……マタヤル!」


ードンッ!……ヒュ~……ドシィィィィィン!


「ぐはっ!……ごふっ!」


やっぱり、何されてんのか分からねぇが……多分、突進されてんだろうなァ……


【骨鎧】ももう駄目になっちまったし、これ以上は冗談抜きにやべぇ……


「コンドコソ……マダ……シンデナイ……」


「あァ、これで終わりかァ……」


せっかく、オレが血染桜の名を捨てて九相院 桜として生きてこうとしてたって時に……


……相棒(ダーリン)、色々とごめんなァ……


そう、オレが完全に諦めかけたその時……


ーヒュ~……ドドドドドドド!


「ンガァァァァァァ!?」


突然、大豪林主めがけて空から大量の妖力弾が雨の様に降り注いだ。


そして……


「桜、俺様は確か無理はするなと言った筈だが?」


相棒(ダーリン)……」


オレの背後の木陰から、愛しの相棒(ダーリン)が現れた……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(一条院 宗雪視点)


「桜、俺様は確か無理はするなと言った筈だが?」


相棒(ダーリン)……」


大豪林主への対処方法が思いついたから来てみれば……まさか桜が負けかけているとはな。


「だが、第二形態まで粘った事は褒めてやる」


「あ、ありがてぇなァ……」


「……やっぱり、突進を食らったか?」


「多分なァ……」


原作ゲームにおいて大豪林主と戦う上で最も注意しなければいけなかったのは、第二形態の突進攻撃だった。


速い、強い、強制毒状態付与という猛烈に嫌な3コンボだったのを覚えている。


「……オマエ……ダレダ?」


「俺様の名は一条院 宗雪。……さっきお前が殺そうとした桜の婚約者だ!」


俺様が頼んだ事とはいえ、桜を傷付けた大豪林主を許せはしねぇ。


「ツマリ……テキ……」


「桜……そんなに怪我してる所悪いが、まだ少しだけやって貰いたい事がある」


「ハァ……分かったよォ……」


殺す事も出来ねぇが、大豪林主をどうにかする方法はある。


と、俺様が考えていると……


「コロス!」


「早速かよ!」


ータッ……スカッ……


「ムッ?……ドウシテ……サケラレタ?」


「生憎、お前の突進は前……お告げで何回も食らったからな……今更当たらねぇよ!」


"陰陽ラヴァーズ"のボス戦は、オープンワールド形式だった。


そのため、見えねぇスピードで突進して来る大豪林主を避けるのにどれだけ集中力を割いたか……


それが、今も活きているって訳だ。


「ぐぬぬ……」


「ほら、俺様を殺してみろよ。……大豪林主!」


「ンガァァァァァァ!」


「それと桜、一応ついてこい!」


「あ、あいよォ……」


大豪林主は俺様を殺そうと、ひたすら突進を繰り返して来る。


多分、桜の事すらもう頭にはないのだろう。


「力はあるが、行動が単調……お前の戦闘方法はそんな感じだったな……」


「コロス!……コロス!……コロスゥゥゥ!」


「ははっ、見苦しいな!」


「ンガァァァァァァ!」


ーバキ!ボキ!ベキ!


「うげっ……木々をあんな簡単に……」


俺様は少しでも大豪林主の動きを制限しようと木々の間を抜けて走ったが、大豪林主は俺様が抜けた木々を突進で簡単にへし折っていやがった。


「マテ……コロシテヤル……ツブシテヤル……」


「戯言を繰り返すだけか……本当に知性と引き換えに力を得たような敵だな……」


だが、その方がやりやすい。


俺様は大豪林主を連れて、少し開けた場所に出た。


「ンガァァァァァァ!」


「ふぅ……桜、こいつの動きを止めろ!」


俺様は、念のため追従させていた桜に大豪林主の足止めを頼んだ。


「待ちくたびれたぜ!……【骨杭】8連発だァ!」


ーヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!


「ンガ?」


ーグサッ!グサッ!グサッ!グサッ!


「よっしゃァ!」


「ンガァァァァァァ!?」


桜の【骨杭】は見事に大豪林主の8本ある足を貫き、その動きを止めた。


そして、次の瞬間……


「おい、出番だぞ!」


「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」


突然、周囲から十人程度の声が聞こえた。


「ンガァァァァァァ!」


「チッ!……桜、もう1発大きいの頼む!」


「でっけぇ【骨杭】だァ!」


ーヒュン!……グサッ!


「ンガァァァァァァ!?」


桜が生成した大きい【骨杭】で胴体を貫かれてなお、大豪林主は死ぬ様子がない。


……もう、こいつどうやったら死ぬんだ?


「まあ、今は殺す訳じゃねぇから良いか……お前等、今なら行けるぞ!」


「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」


「封印妖術、【石化封印】!」


周囲の声の内の1人が、【石化封印】という封印妖術を言い放った。


すると……


ーピキピキピキ……


「ン……ンガガ……」


どんどんと肉体が石化しながら、脱出しようと足掻く大豪林主。


だが、その抵抗も虚しく……


「……完全に石化したか……」


相棒(ダーリン)、これで終わったのかァ?」


「いや、この封印も保って数年程度だ。……一族総出で発動して数年が限界って辺り、大豪林主がいかれてるのが分かるな……」


今の妖術は、対象を石像にして封印する妖術だ。


普通の妖なら100年以上封印出来るんだが、大豪林主相手には数年が限界らしい。


「宗雪、もう幻術解いても良いのだ?」


「ああ、良いぞ」


「分かったのだ!」


何処からか聞こえた萌音の声に返答すると、幻術が解けて辺り一面に三愛院家の分家の者達が現れた。


「えっと、これで……」


「そうだな。……喜べ、お前達の勝利だ!」


「「「「「「「「うぉぉぉぉぉ!」」」」」」」」


こうして、俺様達は大豪林主相手にひとまずの勝利を収めた。


だが、これは同時に数年間の時間稼ぎでしかなかったのだった……

ご読了ありがとうございます。


大豪林主、取り敢えず封印です!


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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