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2話『誕生日』

今日は5歳の誕生日、 この世界では5歳になるまで基本的に家で過ごす。理由としては外が危険だからだ、外に出たら攫われるぞと良く父に脅された。


「誕生日おめでとうアーク。 コレは父からのプレゼントだ」


「良かったわねアーク、 おめでとう!」


「ありがとう! お父さん!」


縦長の箱を貰った。 大体1.5mだろうか? それにしても長くて重い。


「開けてもいい?」


「いいぞ」


袋を破って箱を開けると紙に包まれた棒状の何かがある。持ってみると平べったくちゃんと持ち手もあった。


「コレ……」


「ああ! それは剣だ! カッコいいだろう!」


この世界では一般的なのだろうか? 母もニコニコと優しそうに笑っている。


「まだアークには長く重いかも知れないが、 成長するに連れて合って行くだろう!」


「あ、 ありがとう! 沢山頑張るね!」


5歳の誕生日につれて外にも出れる様になった、きっと御近所さんとも関わりが増えて行くだろう。




「ふぅ! ふぅ! 」


「ほら! アーク! 腰がひけてるぞ!」


体育会系スパルタイケメン教師になった父に毎日扱かれる日々が続く。 その風景を物陰から覗く人物がいた。


「わぁ、 大変そう……」




そんな忙しない日々が続くある時御近所さんが挨拶に来た。 見える景色はポツポツと家が建ってる田舎の風景だ。


「よう! ジル! 元気してるか?」


御近所さんが近づいて来て父に話しかけた。


「おお! ベーギこんな朝早くからどうした?」


「ああ、 お前ん所の息子も5歳の誕生日を迎えた様だし紹介しようと思ってな」


御近所さんことベーギさんはガタイが良く熊を連想しそうな迫力がある。 髪は茶色で髭も濃い、目も茶色だ。 そんな大男には不釣り合いな小柄な子が大男の足を抱き、 後ろに控えていた。


「ほら、 挨拶しな」


「こ、コンニチハ」


緊張しているのかカタコトになり、 体も固まってしまっている。 父がこちらを向き手で前に出ろと促して来る。


「こんにちは、 アークです。 この度5歳になり外で活動できる様になりました。 これから宜しくお願いします」


つい自分も緊張して丁寧に自己紹介をしてしまった。 周りもそれを見て固まっている。


「あ、 ああ! 随分と大人びている子だな! 挨拶ありがとうアーク君! この子はうちの子でな歳も近いし仲良くしてやってくれ!」


そう言ってベーギさんが足に固まりながら、 しがみ付いている子をベリベリと引き剥がし僕の前に置いて来る。


「…………」


「こ、 こんにちは」


完全に固まっている。 くりくりした目でこっちを見ているが目以外は一切動いていない。 髪は父親譲りなのか茶髪で肩まで下ろしてるぱっつんロングだ、 目は薄黄色できっと母親譲りなのだろう。 服装は白いワンピースでスカートの部分をぎゅっと握りしめて相変わらず固まっている。


「な、 名前まだ聞いてないんだ……もし良かったら教えてくれるかな?」


出来るだけ刺激しない様に優しく話しかける。父たちは2人で話し込んでいる、 先程まで固まっていた内の父は復帰した様だ。


「ぷ、 ぷ、 ぷー、 ぶぷぷぷ……」


頑張って喋ろうとしているのかぷーぷー言いながら小刻みに震えている、 このままだと沸騰しかねない。


「だ、 大丈夫だから、 落ち着いて」


言いながら震えている手を握って見る。 こんな事出来るのは子供だからなのだろう、 震える手もだんだん落ち着いて来た。 その代わりちょっと頬が赤くなって来ている。


「ぷりーです……」


「プリーって言うんだ! 教えてくれてありがとう! これからよろしくね!」


小さい声で教えてくれた。 名前を言い終えた後は達成感からなのかニコニコしている、 まるで大仕事を終えた後みたいだ。


「せっかくだ、 挨拶も済んだ様だし2人で遊んで来なさい。 稽古はまた明日だ」


父に言われ遊ぶ事になった。


2話を見て頂きありがとうございました!┏○ペコ


評価、いいね、ブックマーク等して頂けるととても嬉しいです!

まだまだ小説初心者なので拙い所もありますが優しく見守って頂けると幸いです。

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