1話『成果無し』
気が付いたら知らない天井を見ていた。
体の自由も上手く効かない。
何とか手を上げた。
「あぅ?」
(手だ!ちっちぇ!)
自分の手を見つめていたら、いきなり体が宙に浮く。
(何だこれ! か、 体が!)
「はいはい、 ミルクの時間でちゅよぉ」
(な、なんだ! や、やめろ! 何をするんだぁぁぁぁ)
いきなり現れたのは薄い黄色い髪の優しそうな女性。髪の毛は肩までかかり優しくカーブがかかっている、目は黒茶色で優しさが溢れ出してくる普通に美人だ。
「ちゅーーーーちゅーーー」
(ふぅ、 体が勝手に求めてしまった)
その後直ぐ眠くなり寝てしまった。 次目が覚めたらきっと元に戻っているさ。 そんな事を考えながら夢を見る。
(元いた場所地球の夢……ハッキリ思い出せない)
「うぅ、 あぅ」
(天井変わらずだ)
下の方で物音が聞こえる。 窓から見える景色は暗く、 月明かりが差し込む程度だ。
親指を咥えながら外を長い事眺める。
「ちゅぱちゅぱ……ぶばはぁっ!」
吹き出した。
(ななな! つ、 月が2つ!)
その後自分が何処にいるのか、何故赤子なのか数日に渡り考えた。 結果として此処は元いた場所、地球では無く別の惑星又は異世界なのではないか結論付けた。
翌朝……
「はーい、ミルクの時間ですよぉ〜」
(きたぁ!めしだぁ!)
「ちゅぅちゅぅ」
「ふふ、 相変わらずアークは可愛いですねぇ」
アークそれが自分の名前なのだろう。 寝床に下ろされしばし眠りながら考える。 多分平凡な家庭に生まれた、家も豪華では無い、 いつも窓からは小鳥の囀りが聞こえてるからきっと外は自然が豊かで田舎見たいだろうな。
「あうあう!」
まだちゃんと喋れないまま言葉を発して何かを唱えている。
(くそぅ! 異世界なんだからステータスや魔法、何かしらのチートくらいあっても良いだろうにぃ!)
ドアからアークの母が覗いている。
(ふふ、元気ねぇ)
本人は本気で試しているが側から見れば1人であうあう言ってるちょっと怖めの元気な赤ちゃんだ。
______
月日が流れ、 アークがよちよち歩きが出来る様になった頃には魔法の発動やら何のやらは諦めかけていた。
「アークもう歩ける様になったのか流石俺の子だ」
アークの父が歩ける様になったのを見てドヤ顔で発言した。 父の見た目は髪は黒茶で目は薄めの青だ。 短髪イケメン体育会系陽キャピッタリの言葉だ。
「あなたったらいつもそんな事ばっかり言って」
(よしよし、 この調子で親を籠絡するぞぉニャァ)
歳にして2歳と6ヶ月、家の中を動き回る日々。 自分の見た目は鏡が無いので分からない、 だが2人の子ならきっと足して2で割った顔なのだろう。
(そろそろ言葉を喋れる様になって来たなぁよし、 聞いてみるか)
「ねぇ、おと〜さん」
「ん? 何だいアークよ」
リビングで父しか居ないタイミングで喋り掛ける。
「まほうってあう?」
「阿呆?」
「ちあう!まほう!」
身振り手振りで伝える事しばしば。
「ああ! 魔法ね! ん? でも何処でそんな事を覚えたんだ?」
この家には本は無い情報を手に入れられるのは窓から聞こえる大人達の喋り声だ。
「え〜とぉ、まおからいこえた!」
「あー窓かぁ成る程ね、あるぞ魔法」
「ほほぉ〜〜」
目がキラキラした顔で父の話を聞いたアーク結論から言えばまだ早いだ。 何でも10歳に祝福を受けてやっとそれらしいのが使えるようになるのだそうだ。
(はぁ、 地道に頑張るかぁ)
1話を最後まで見て頂きありがとうございます!┏○ペコ
拙い所が沢山あると思いますが、暖かい目で見て頂けると嬉しいですぅ!
もし宜しければ、感想等書いてくれたらモチベに繋がり嬉しく思います。
ブックマーク!いいね!評価!などして頂けたら最高に嬉しいです!コレからもよろしくお願いします!┏○ペコ