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星シリーズ

星の神様と流れ星

作者: リィズ・ブランディシュカ



 真っ暗な空をキラキラとたくさんの流れ星たちが横切っていく。


 綺麗、そして奇跡だ、と思った。


 私はその流れ星たちにお願いした。


 どうか、またあの人に会えますように。


 と。






 一週間前、学校に登校する時に、貧血で倒れかけた事があった。


 電車の中で、たまたま揺れが大きかったから、怪我を覚悟した。


 でも、床にぶつかることはなかった。


 その時に支えてくれた人がいたのだ。


 優しげな顔立ちの男性で、「大丈夫ですか」と心配してくれる声も優しいものだった。


 その人は体調がよくなるまでそばにいてくれた。


 途中で降りた駅で、ベンチで休んでいる間に、水を買ってきてくれたりもした。


 私はその時に、親切にしてくれたその人のことが忘れられない。


 一言でもいいから、なんとかお礼が言いたかった。


 だから、趣味でやっていた星空観察の時に思ったのだ。


 今流れ星が来てくれれば精一杯お願いするのに、と。


 そうしたら、キラキラとした光が嘘みたいに降り注いだ。


 奇跡のような光景に、私は思った。


 きっと、空にいる星の神様が気をきかせてくれたに違いないと。


 だから、さっそく。


 目を閉じて、あの時のことを思い、また出会えますようにと呟いたのだ。


 そして、その後。


 同じ電車に乗った私は、探していた人に再会することができた。






「ーー星の神様と流れ星ーー」


 おしまい。






 私はおばあちゃんがしてくれたお話を聞いて、ロマンチックだなと思った。


 おばあちゃんは星が好きで、よくいろんな話をしてくれる。


 だから田舎のおばあちゃんの家に遊びに来た時は、今みたいに必ずお話をねだるのだ。


 私はいつも、おばあちゃんが教えてくれる星の話が楽しみだった。


 でも豆知識とか神話じゃなくて、ただのお話だった今日はめずらしかった。


 気になった私は、おばあちゃんに尋ねた。







「ねぇおばあちゃん。このお話どんな人が作ったの?」

「あらあら、作ったわけじゃないわ」

「えっ?」

「だって私がおじいさんと出会ったきっかけの話だもの」



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― 新着の感想 ―
[良い点] 最後の再会が感動
[一言] 一度お話が終わって そのお話の背景が語られることで このお話の真意を知る 絵画においても その作者の持つ背景があって 描かれた絵の深みや価値が高まると言いますが 物語もまたそういう側面が…
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