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創られた世界に破壊を込めて  作者: マサト
魔族の国へ

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救出作戦 ~説得~

 魔王城には正門を入ると大広場に出る。そしてその広場の左右には2つの塔があり、1つは地下牢に続く牢獄の間という罪を犯した者が入るために用意されており、中に入ると下り階段から始まり階段を降りると地下牢までは道中1本道に数十人の兵士たちの自室がある。そして彼らは侵入者を捕らえるために奇襲や待ち伏せをしていたのだがたった2人によりほとんどの兵士が行動不能となっていたのであった。

 そしてもう1つの塔はとある理由で他種族や魔族、そして人間を幽閉するために用意されており、その塔内には様々なトラップや、複雑な道、そして実力者ぞろいの精鋭者のみを集めた最重要施設であった。トラップには魔力妨害や多様な結界等があり、道に関しては数日おきに道そのものが変化するためいくらマッピングしようがそれらのほとんどは使い物にはならない。この塔にいる魔族はほとんどが上級兵士や高ランクの術が使えるようなつわものばかりであった。そしてその塔に先ほど星乃零がたった1人で入るのであった。彼ら魔族にとっては袋の鼠だと思っていたが‥‥

 「なんか、大したことないな」

 零がその塔に入ってすでに10分以上は経っていた。この時すでに塔の半分以上はすでに登っており、あと数分もすれば最上階に着く場所にいたのであった。当たり前だが道中様々なトラップや複雑な迷路のような道にそしてつわものであろう上級兵士たちが立ち塞がったのだが、まず党の中に入った瞬間何か違和感を覚えたのですぐさま辺りを調べると魔力妨害や状態異常付与の結界、身体に強い負担を与える結界等がその入り口に複数あったのだった。そこで零は1度結界の影響を受けない所まで出て何をするのかと思ったら道中上級魔族兵士たちが息を潜めて隠れているであろう結界や道にあろうことか魔力消費が少ない術を何度も連発するのだった。その数数百前後。何度も撃つ続けてそろそろいいだろうと思い術を放つのを止めるとその先は複数の結界は完全に破壊され、迷路の道も粉々になり、その巻き添えで兵士たちも気を失っており辺り一面滅茶苦茶ともいえるような状況となっていたのだった。

 そしてしばらく進むと再び魔族たちの気配を確認したのだった。その数は先ほどよりも多い40人前後であった。結界の類はないため恐らく先ほどよりも強い魔族がこの先で待ち構えているであろう。まぁ、戦っていないが‥‥そして彼らは結界の類無しでも余裕で勝てると思っていることであろう。だが、その判断が甘かった。結界がないのならば高ランクの術を放っても威力が軽減されることはないため、A級魔術や召喚術、幻陽術を何発も放つのだった。その数魔族がいる人数よりも少し多めの50発前後‥‥そして撃ち止めるとその先には案の定その魔族たち40人前後が全員うつ伏せになっていたのであった‥‥

 それからも星乃零の歩みを止められる者は誰1人としていなかったのだった‥‥


 「「「「「副会長!!!」」」」

 地下牢にて大勢の生徒が自分たちの目の前に現れた人物の名前を言うのであった。

 「皆、大丈夫…なわけないよね、ごめんなさい、遅くなって‥‥」

 「いえ、俺たちのことは気にしないで下さい。これでも生徒会の書記ですから」

 書記の生徒が言うのだった。生徒の中には水河瑠璃が来てくれたことに安堵する者がいるのだが、中には…

 「水河さん、よくそんな平然とした顔で来たよね、貴方だけどうして私たちと同じようにひどい目に遭っていないの!」

 「そうよ! それにどうして貴方がそんな無能のクラスと一緒にいるの! おかしいでしょ! 1年は全員合宿に参加していたんじゃないの! まさかと思うけど今回の出来事はまさかと思うけどそこにいる無能たちが大きく関わっているんじゃないの!」

 「そうだ、そうだ!」「副会長とそこの無能が一緒にいること自体がおかしいんだ!」などと賛同したり勝手な憶測を瑠璃や1-Gに当て付けるのだった。この光景を見た瑠璃は‥‥

 『あぁ、こういう事だったんだ、だから星乃君は他の生徒を助けようとしなかったのね‥‥』

 魔族の国に向かう前零は他の生徒の事を助けようとすることにあまり乗る気ではなかった。初めから生徒会長で唯一の友人である朝比奈莉羅を助けるためにこの国に来たのだと。何故なら、初めからこのような結末になることが初めから分かっていたのだから。だが、もしも莉羅が助けてあげてと言ったらどう思うだろうか、きっと嫌々助けるに違いないだろう…脳裏にその光景がすぐに浮かぶのだった。

 でも、それじゃあ何も変わらない、変わるわけがない! ではどうするか? それはまだ分からない。ここにいる生徒たちは星乃零や1-Gの事を何も分かっていない。もし莉羅がこのような状況になったらどうするだろうか、心優しい莉羅の事だからきっと泣くまで星乃零や1-Gの良い所をたくさん教えるのだろう。だけど私は莉羅のように心優しくないんてない。だから‥‥

 誰もいない所に向かって幻陽術【式神:土符】を放ったのだった。()()()()()()()()()()()()()()。つまり零が使う詠唱無しの【無詠唱術】で放ったのだった‥‥その光景を見た生徒たちは、

 「水河さん、今のは…」

 「詠唱している様子はなかった‥‥まさか、詠唱無しであんな威力を出したというの!」

 「ど、どうやってあんなことをしたんだ‥‥」

 瑠璃がしたことに生徒だけでなく教師陣も騒めき始めたのだった。その証拠に牢獄の壁の一部が大破していたのだった。これは普通の【式神:土符】では出し切れない威力である。

 「()()()()()()()()()()()()()()()()()。この無詠唱術は貴方たちが無能と言い続けていた星乃零さんに教えてもらったの。そして無能と言っていた1-Gの生徒も無詠唱術を使えるのよ。いい? 貴方たちが無能と言い続けていた彼らは貴方たちが思っているよりも無能なんかじゃない! その証拠に星乃さんはたった1人で莉羅を助けに行っているの! 貴方たちは1人であんな危険な場所に行けるの? もし1人でも行けるようならば無能と言い続けても構わない、でもそれが出来ないようなら彼らを無能とは言わせない! 莉羅が認めた生徒を馬鹿にすることは副会長として、1人の人間として許さない!!」

 そんな怒涛の勢いで叫ぶように生徒たちに言い聞かせる水河瑠璃であった。今までない表情をした彼女を見て勝手な憶測を当て付けていた生徒たちはしん‥‥‥と静まるのだった。そこへ、

 「まもなく、星乃様は最上階に着く頃かと…皆様も早めにここから出た方がいいかと。あと数分もすれば隣国からの増援が到着します」

 地下牢にいたはずであろうローズがこちらに来たのであった。

 「あっ、ローズさん、ここにいる魔族は‥‥」

 「えぇ、後はクランに任せても特に問題はありません」

 先ほどまで魔族の声がこちらまで聞こえていたのに今ではその声が1つも聞こえていなかった。ローズと呼ばれるメイドに生徒たちはざわざわするが、瑠璃は

 「話はまた後でするとして、今はここから出ましょう、皆もずっとここにいるのは嫌でしょ」

 そう声を掛けると生徒たちは1人また1人と地下牢から出て、

 「では、行きましょうか、殿は今度は私が務めます」

 クランを先頭に数千人の生徒を守りながら殿をローズが務め魔族の奇襲に備えるのだった。だが、道中魔族兵士とは1回も会わなかったのだった‥‥

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 大体1分ぐらいで見終われるように書いております。  内容次第では少し長くなります。
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