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創られた世界に破壊を込めて  作者: マサト
強化合宿

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隠し扉の先には

 日付は変わり合宿3日目。だが現在は深夜であり、宿舎では生徒全員就寝、教師たちは館内の見回りを行っている。そのため宿舎の中にいる全員これから起こることに関して誰1人として知ることはない。


 「あ~あ~、退屈だなぁ」 

 「だよなぁ。こんなところに誰1人来るわけないのに入り口に見張りを置くだなんて。リーダーも慎重すぎるんだよな」

 その建物の入り口には2人の男性がいた。彼らは第3術科学校の生徒と教師のいる宿舎の職員であり建物の入り口の見張りを行っていた。この建物は外見は何十年前に建てられたのか古くなっており屋根や外装の半分は剝がれていた。

 「それにこの周囲には人払いの結界が張ってあるんだろ? じゃあ見張りの意味なんかなくないか?」

 「それがさぁ、何でも人払いの結界を張っていても人間の術者の中には高い魔力を持つ者に対して人払いの結界を張っていても意味がないらしいぜ。まぁ仮にそれが本当でもここ一帯にそんな術者なんているわけないのにな」

 そう断言すると、ガサガサと近くの草むらから音がした。その音に反応し「誰かいるのか?」と1人の男性がそう言いながらその草むらに近づいていく。そして確認すると、

 「? 誰もいない」

 その草むらの周囲を確認するも誰1人、動物1匹すらもいなかった。

 「おい、そっちはどうだ?」

 草むらの方からもう1人の男性の方に振り向くと、

 「……あれ? いなくなってやがる」

 先ほどまでいたはずの男性がいなくなっていた。「おい何処にいるんだ?」と言いながら周囲を探し声を掛けるもその男性は見つけることが出来なかった。

 「……まさか1人だけ先に帰りやがったのか? もしそうだったらこのことを報告してやるか」

 そう言いながら見張りに戻ると

 「……? なんか匂うな」

 その匂いはとても甘くて、とても心地の良いもので…

 「それに、なんか眠たくなって……」

 そうしてその男性はバタンと倒れるのだった。


 「……こんなもんか」

 反対の草むらから1人の少年が出てきて、先ほどまで見張りに居たはずのもう1人の男性を眠っている男性の方へ投げ捨てる。

 「やはりこの2人は戦闘経験のない見張り。1人は撒いた眠り粉を何の警戒もせず吸い込み、もう1人はこちらの存在に気付かず無防備のまま軽く一撃を入れただけで即気絶。これが戦場だったら即即死だというのに」

 意識のない2人の見張り役を見下ろし少年は古い建物の中に入っていく。建物の中は外見と同じく壁や天井は古く一部の箇所はすでに剥がれ落ちている。そんな建物に少年が注目するのは、

 「……やはり、ここに隠し扉があるな」

 床である。その床だけは他と違いどこからどう見ても新品そのものであり如何にも何かがあるということを意味している。

 「床には取っ手のようなものがなければ壁にも隠し扉に繋がる仕掛けもない。…そして見張り役の2人も扉を開けるような鍵はない、か」

 ゴソゴソと2人の男性の所持品を確認するがそれらしきものはなかった。

 「一見すればお手上げ状態。…だが、開ける方法があるとすれば……」

 少年の腕時計からピピピ……とタイマーが鳴る。それはある時間を知らせる合図で…

 「…おい。交代の時間だ」

 床がいきなり開きその中から2人の男性と女性が出てくる。

 「? なんだ? こいつら寝てやがる?」

 「ほんとね。こんなところで何やっているのかしら?」

 そう思いながら寝ているであろう2人の男性に近づく。その背後から

 「見張りの交代、お疲れさん」

 2人の男女は背後からの声に振り返ったがその時はすでに遅く、目視する前に意識は刈り取られその場でバタンと倒れるのだった…。

 「見張りの時間には交代があることは知っている。その隙を狙って仕掛ければあとは容易いだけだ」

 そうして開いている隠し扉である床の中に入っていくのだった。


 隠し扉の先にあったのは無数の牢屋だった。その中には子供から大人の男女が何十人も閉じ込めらており、その者たちは「ア、アァァァ……」「た、助けてぇ……」「こ、殺してくれ…」と呻き声を上げており、更には「ウ、ウァアア!!」「オォオオ…!!」「ガァアア!!!」と少年の姿を見るや否勢いよく檻めがけて突進してくる。

 「……まるでアンデッド、いや、アンデッドそのものか」

 檻の中にいる人間を見ながら周囲を確認する。周囲のあるのは無数の檻、出入り口は先ほどの隠し扉のみ、天井はうす暗い明かりがついているだけ。まるでホラー系の映画を実際に体験しているかのようだった。ちなみにこの少年はホラー系の映画は苦手である。

 「誰だ貴様!!」

 とそこに少年の姿を見るやこちらに駆け付ける複数の人物たち。その者たちは宿舎にいるはずの職員だった。

 「ここは関係者以外立ち入ることは禁止となっている。早々この場から立ち去れ!!」

 戦闘の職員が懐から短剣を取り出す。

 「いや待て。コイツはそもそもどうやって入って来たんだ? 外には見張りを立たせているというのに。まさかあの者たちが気付かなかったというのか」

 「それよりもここに来るまでの扉はこちら側しか開かないように設定してある。だというのにコイツはどうやって入って来たんだ?」

 それぞれが目の前にいる少年に対して疑問を浮かべる中、

 「そんなことはどうでもいい。例え目の前にいるそいつがここを知られた以上生かして帰すことは許されない。即刻始末しろ」

 後ろにいたこの集団をまとめているであろうその者がそう告げると

 「……確かにそうだな。ここを知られては我らの計画が漏れるということ。人間の子よ、悪く思うなよ。恨むならここに来た貴様自信を恨むんだな!!」

 そうして短剣を持つ1人が少年めがけて突っ込んでくる。その表情は殺意を込めており何の躊躇いもなく少年を殺しにかかる。

 「死ねぇぇぇ!!!」

 少年との間合いに入り短剣を振り下ろす。

 「……遅い」

 振り下ろされる短剣に対して少年は冷静に躱すと同時に短剣を振り下ろした人物の腹部めがけて回し蹴りを与える。そしてそのまま近くの檻めがけて吹き飛ぶのだった…。

 

 その光景を見ていた彼らには何が起きたのか理解出来ていなかった。1人の職員が少年めがけて突っ込んでいきそのまま息の根を止めにかかった。だが次の瞬間にはその職員が近くの檻のほうまで吹き飛ばされていた。

 「……な、何が、起きたんだ…」

 その問いに対して答えが返ってくることはない。

 「…はっ、今のはあいつが勝手に飛んでいっただけだ! あのガキが何かしたとは思えない!!」

 そう言い聞かせ今度は別の職員が拳闘術の構えをとり

 「【ナックル・ブロー】!!」

 繰り出された拳から風圧が出てきてそのまま少年めがけて放たれ、そしてそのまま激突する。

 「はっ! やっぱり大したことなかったな!」

 そうして風圧による煙で視界が晴れると、そこには手のひらを突き出しているだけの少年がいるのだった。

 「この程度、か」

 期待外れ、がっかりしたかのように少年はそう言う。

 「ば、馬鹿!? 無傷、だと!」

 そう唖然としているといつの間にか少年が目の前まで突っ込んできて

 「吹き飛べ」

 片手を突き出しほんの僅かな力を入れただけでドンッ!! という音を立ててこの施設内の一番奥の壁側まで吹き飛んでいく。

 「お前たちには少しは期待してたんだけどな、期待外れもいいところ。…まぁ、過激派なんて所詮はこの程度の集まりだから無理もないか」

 「……お前、一体何者だ? 宿舎にいるはずのガキ共とは明らかに違う」

 リーダー格の1人が長剣の剣先を少年に向けて問いかける。そして返ってきたのは

 「……強いて言えばただの一般人、または術が使えない無能者かな」

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 大体1分ぐらいで見終われるように書いております。  内容次第では少し長くなります。
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