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創られた世界に破壊を込めて  作者: マサト
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1月1日

年が明けた1月1日、零と愛花、そして四季四姉妹、有紗は喫茶店から離れた場所にあるショッピングモールに並んでいたのだった。元日ということもあり多くのお客が長蛇の列で並んでいたのだった。そして今日このモールに来た目的は福袋を買うためである。福袋の中には洋服や化粧品、小物品といった様々な商品が1つの袋の中にいくつも入ってお得ということから多くのお客たちはそれを手にするために並んでいたのだった。ちなみに零は福袋を買うためではなく単なる荷物持ちということから半ば強制的に連れてこられただけであった。本来ならばこれまで事情があって出来ずにいた無数の溜め込んでいるアニメやゲームの消化をしたいのだが有紗から「女の子に荷物を持たせるだなんておかしいと思わないの?」と零の部屋に来ていきなりそう言うものだから渋々この場にいるだけである。

 面倒だなと思っているところでようやく開店の時間となりそれと同時に先頭のお客たちが一斉に扉が開けられると同時に我先にと入っていきそして福袋めがけて走っていくのだった。どうしてそこまでして福袋の下へ行くのか、何でも数十の福袋の中にたった1つだけ超高級のブランド品の洋服や化粧品が入っており、単品で買うと数万するところ福袋に入っていることからたった1万で購入することが出来るのでそのブランド会社のことを知っているお客にとってその福袋は喉から手が出るほど欲しいという思いが強かったのであった。その思いは零以外の女子たちも同じようでその福袋がどうしても欲しくてとの福袋に入っているのか選ぶもこのコーナーではある決まりがあった。それは福袋は奥の方から1人1個ずつ取ることで袋を手にしたら変更はしない。ということがコーナーの真ん中に大きく書かれていたのだった。そのおかげかお客同士の取り合いで揉めることなく次々と会計の場へと向かうのであった。そうして零たちも1人ずつ福袋を取ったあとはそのまま会計の場へと向かうのであった。


 世の中にはこういった言葉がある。

 当たりが出ないと思えば思うほどよく当たりが出る、と。

 それはソシャゲでよくある事らしく、どうせ当たらないけど引いてみよう、可愛いキャラが出ているけどどうせ引いても当たらないだろう、あっ、間違えてガチャボタン押しちゃった。······といった引くつもりや当てるつもりもなくただ適当に押してしまったときに限って最高レアリティのキャラが排出されるという都市伝説があるらしい。

 どうせ運が良かったのだろう。とそう一言で片付けられるわけだがどうやらその都市伝説は何もソシャゲだけの話だけではなく······

 (···当っちゃったぁ······)

 零が手にした福袋の中には数十個のある袋の中にたった1つしか入っていない超高級ブランド品の洋服と化粧品がいくつも入っていたのだった。零もその高級ブランド会社のことは知っている。何でも最高級の素材で製作されており、更にその素材を使って洋服や化粧品を製作したのはその会社が誇る一流のプロたちが何時間もかけて製作に取り掛かり一つの品を完成させるのに一週間以上もかけたとのことであった。しかもどの品物も女性用で男である零にとっては全く必要としない物ばかりであった。

 「零ー、中身はどうだった? ちなみに私は外れだったよ」

 袋の中身をどうしようかと考えていたところに有紗が声を掛け更には零の元へと寄ってきたのだった。このまま有紗が零の元へ寄り中身を見た瞬間十中八九大声を出すことは確定である。もし零が女性であれば、おめでとう! すごいね! と周りはそう言ってくれるだろうが、男である零だとどうなるのか、考えるだけで不安が止まらなかったのだった。そして袋の中には一体どういうわけか女性用のショーツやブラといった可愛らしくデザインされた下着類もいくつか入っていたのだった。普通コートや上着、スカートやズボン類がいくつも入っていることは分かる。だか、下着類は基本的にはないのではないのだろうか? 最近の福袋には下着類も一緒に入っているのだろうか。

 と、考えているうちに零と有紗の距離がもう数メートルとなりあと2秒もすれば零の買った福袋の中身が見えてしまう。そこでその2秒間で零は全力で脳をフル回転させ考えに考えた中身を見られても違和感なくバレないであろう方法は···

 「どれどれ·········あっ」

 零の買った福袋の中身を見た有紗は次に

 「()()()()()()()()()()()()()()()()()

 そう言いながら有紗は零の福袋の中を見るのだった。

 「···ん? でも零の袋の中身って······何だがメルヘンチックな服やファンダジー系の服が多いね?」

 「そうか? 気のせいじゃない?」

 「···それもそうか。だって福袋の中身って買うまで分からないもんだしね」

 そう言うと今度は愛花の元へ向かっていくのだった。

 「ふぅ、危ない危ない。···それにしてもまさか昔趣味で作った洋服が役に立つなんてな」

 有紗の鈍さに感謝し改めて袋の中を改めて確認しその後、零も愛花たちの元へ向かうのだった。


 福袋購入後は在庫を切らした食材をいくつか購入し、喫茶店に帰ってきたときにはすでにお昼前の時刻となっていたのだった。だが、せっかくの元日ということもあり今回はデリバリー料理でも頼むこととなり何の料理を選ぼうか話し合っていたところに

 「おぉ、お主等。全員揃っているようじゃな」

 「何だジュダル? 新年早々なんか用事後とか?」

 「何じゃ釣れないのぉ。用事もなしでここに来たら駄目なのかぇ?」

 そう言いながら見た目が幼女なジュダルはカウンターの椅子に座るのだった。

 「あ、あの、兄さん、こちらのお子さんは?」

 「あぁそうか、愛花はジュダルに会うのは初めてだったな。まぁ強いて言うならこいつは付き合いの長い知り合いだ」

 「···そう言われましても、兄さんとジュダル? さんの年齢が明らかに違うのに知り合いというのは一体···」

 何も知らない愛花にとってその一言は当たり前であった。

 「なに愛花とやら。そんな見た目が違うという印象や先入観で物事を決めつけることは人の悪い癖じゃ。世の中には見た目が幼い女性が実は既婚しており更には子供も居るということぐらいよくある話じゃろう。それと同じじゃよ」

 「そ、そうなんですか? ···まぁ、そんな話もないという可能性はないですね······あっ、ということはジュダルさんは既婚者···」

 「それはないのじゃ」

 そうきっぱり言うのだった。

 「···で、結局何しに来たんだよ?」

 「何、お主等には色々世話になったからのぉ、今日は妾がお昼と夕食の用意しようと思ってのぉ。まぁデリバリーじゃがな」

 カウンター席にデリバリー注文用の料理表をいくつも広げるのだった。オードブルセット、お寿司、中華料理、ピザといった様々なメニューの書かれており「遠慮しなくとも良い。妾が全額支払うから好きなものを頼むと良い」と言うのだが、有紗たちはいきなりそう言われてもすぐに頼むことを躊躇っているのだった。だが

 「じゃあ、寿司とオードブルセットで」

 零はなんの躊躇いもなく頼むのだった。

 「皆さんも頼んでいいですよ。ジュダルはお金を山のように持っているのでデリバリー程度で一気に失うということはまずありませんから」

 「そ、そう言われても知っている人とはいえ躊躇っちゃうというか、頼みにくいというか···」

 それは優しさ故か人当たりの良さゆえから発せられる一言であった。だから零はこう言うのだった。

 「大丈夫ですよ。ジュダルはこう見えても()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()1()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()金のことは気にしなくてもいいですよ」

 そう言いながら他のメニュー表を見ながら「あ、あと、これとこれも···」と注文を続けるのだった。そして零以外の女子たちはというと

 「「「「こ、この人があのジュリティックのトップぅぅぅぅ!?」」」」

 零の何気なく言ったその発言に驚いていたのだった。

 その後はジュダル、後ほど合流したローズとクランとともに注文した大量の料理を食べたり、元日特番のテレビ番組を見ながら元日を過ごすのだった。

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 大体1分ぐらいで見終われるように書いております。  内容次第では少し長くなります。
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