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創られた世界に破壊を込めて  作者: マサト
財閥令嬢家からの依頼

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215/349

光の当たらない場所にて Ⅳ

 1-Gの者たちにはまだ伝えていないことが1つだけあった。マンションにて行われた会議の前日に零はジュダルよりある報告を受けており、それは先月以降から行方不明となっていた彼女たちがそこにいたという事である。そして見かけたローズが距離を詰めようとしたが一体どういうわけか彼女めがけて攻撃を仕掛けたとの事だった。ローズの気配遮断は並の人間あるいは術者ならば感知は不可能と言われている。だがそれを見破り攻撃を仕掛けたという事は明らかに並の人間ではなくなっており、先月よりもさらに強くなっているという事と言えるだろう。ちなみにローズは気配に気付かれ彼女めがけて攻撃を仕掛けられたがどうやら完全に気付かれたというわけでなく傍の壁に攻撃を放ったが万が一の事を考えやむを得なく帰還したとの事である。

 一体どうして彼女たちがここにいるのか、そしてここにいる目的について未だに分かっておらず、そんな彼女たちに対して今の1-Gがどれほど戦えるのか、そして誰も死なずに帰って来れるのか、その結果は誰にも分らない‥‥。


 地下2階階段を降り終え3階フロアに入った1-Gが見たものは広々とした薄暗い場所だった。そして入り口の傍には黒くて四角い、そして人が出入り出来ないように数センチほど感覚で何十本の黒い棒が刺されてあった。いわゆる檻である。その中は1人しか入れないほどの広さで食事や手洗い、トイレすらもなく床が冷たいだけの何もない空間であった。そしてそんな檻が分かるだけでも十数、いや、数十個も確認できたのだった。それからしばらく歩いて気付いたことがあった。それは

 「‥‥‥ねぇ、何で誰1人もいないの?」

 「えぇ、星乃君の言う事が本当ならこの階にも連れ去られた人がいるって言っていたんだけど人どころか声すらも聞こえない、それどころか‥‥」

 「静か‥‥いや、静かすぎる」

 影山優美を始め大和里見、柏木理沙、その他の者たちも近くを見て回ったが人どころかネズミ1匹をいないことに気付いたのだった。この事に「まさか星乃君が間違った報告を?」と疑ったがもう1つ気付いたことがあった。

 「‥‥‥いや待って、()()()()()1()()()()()()()?」

 小笠原陽彩の発言の意味は要するにどうしてこの階にもいるであろう巡回している者が1人もいないのか、である。ここまで見てきた巡回者は黒いスーツを着て拳銃や魔導具を所持している。そんな者たちとの戦闘を避けるために零から渡された気配を遮断するお札のようなものを渡された。この気配遮断は所持している者を軸に遠くまで離れていなければその者たちも気配遮断の効果が発揮されそのおかげもあって近くに巡回者がいようとも見つかることなく難なく進むことが出来たのだった。それともう1つ零から渡された物があり、生命探査機といってこれに魔力を注げばこの一帯にいる人物の位置を正確に特定することが出来るようでこのビルに入る前にこの機械に魔力を注いだらその階にいる人物、1-Gを入れての位置情報が出てきたのだった。そうしてその機会で確認しながらこちらに近づいてくるであろう巡回者を躱しながら3階まで来たわけだが‥‥

 「ちょっと待ってて、確認するから‥‥」

 この階に本当に人1人もいないのか山影実憂が確認しようとしたところ‥‥‥

 グガァアアアアアアアアアアアア!!!!!!

 人の叫び声がした。しかしそれはただの叫び声ではなく、まるで断末魔のような叫び声のようであった。その声に「な、何だ!?」「一体どこから‥‥」と辺りを見渡し

 「み、皆、ここから少し離れた所に誰かがいるみたい。それに1人だけじゃないみたい…」

 生命探査機を見ながら実憂はそう告げるのだった。それに「分かったわ。急いでそこに向かいましょう」と決めてその場へと向かうのだった。

 そしてその場にもうすぐ辿り着くという所で

 「っ!! 皆!! 正面から攻撃が来るよ!」

 優美のその発言に他の者は躊躇なく体を通路の側面めがけて全力で飛ぶのだった。すると正面から先ほどいた場所めがけて黒く巨大な放出物が通り過ぎていくのだった。もし優美が回避警告をしなければ全員間違いなく重症、最悪の場合致命傷を負っていただろう。そして放出物が放たれたであろうその場所から

 「さぁ、早く来なさい」

 少女と思わしき声が聞こえたのだった。だがその声は1か月以上も行方不明となっていた者の声と酷似していた気がした。


 そこは地下4階へと続く階段の入り口だった。だがその道を塞ぐように複数の人物が居座っているのだった。そしてその人物の周りには多くの人々がそこら中に顔を地に伏せていたり、仰向けで倒れていたり、またある人は両手や両足のどちらか、またはその両方が綺麗に切断されていたのだった。その人物に共通している唯一の点は服や顔に赤い液体が大量に付着していたのだった。

 「‥‥何、これ‥‥」

 「何って、見れば分かるでしょ。死んでるのよこいつらは」

 その人物たちの内の1人である安藤小夜がまるで道端にあるであろう石っころを見るような感覚でそう言うのだった。「もしかして疑ってるの? だったら…」というと一番近くに転がっていたそれに持っていた剣で上からズブッと音を立てながら心臓めがけて刺したのだった。本来なら何か呻き声があるのだがそれすらも確認できなかった。

 「ほら。死んでいるでしょ」

 「何で、何で殺したの…小夜」

 「何で殺したのかって? 簡単よ。ここに転がっている奴らは全員犯罪を起こした者たちよ。そんな奴らに対して殺す躊躇いなんて必要なの?」

 「だからって、ここまでする必要はあったの? それに小夜、貴方の持っているのは‥‥」

 「あぁこの剣の事? 前に持っていた魔武器が壊れて使えなくなった時にある方からもらったの。この剣凄いよね。前持っていた魔武器、いや今まで見てきたどの魔武器なんかよりも凄まじい力と魔力を感じるわ。これなら優美なんか一瞬で殺せそうね」

 その剣はまるで何かの血で出来ているのではないかと思えるほど赤かった。一見触れれば液体で固めた剣に見えないこともない。だが優美から見てその剣は今持っている魔武器なんかより遥かに凌駕していると分かった。

 「さぁ、もう話すことはないからさっさと私に殺されなさい 優美!」

 先ほどの2人の距離は30メートルほど、それをたった2、3歩であっという間に距離を詰められそのままブォンと音を立てながら優美の首めがけて横から斬りかかるのだった。だがその早い動作にガキィンンン!! と金属音を立てながらも何とか持っていた魔武器で防ぐのだった。

 「‥‥相変わらずの素早い対応力、でも…いつまでもしのげられると、思わないことねぇ…」

 険しい表情をしている優美に対してまるで怪物のような笑みを浮かべるのだった。

 それを合図に安藤小夜の後ろにいた複数人も1-Gめがけて攻撃を仕掛けるのだった。

 

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 大体1分ぐらいで見終われるように書いております。  内容次第では少し長くなります。
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