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創られた世界に破壊を込めて  作者: マサト
財閥令嬢家からの依頼

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199/349

鳳凰慈麗奈争奪球技3本勝負戦

 「花里マリィさん、でしたよね。貴方はこの勝負どちらが勝つと思われますか?」

 星乃零と鳳凰慈ナギの3本勝負が始まる寸前鳳凰慈麗奈は近くにいた花里マリィにそう声を掛けた。

 「別に私はどちらが勝とうが興味はないわ。‥‥‥まぁ、結果は見なくても分かるけど」

 ここに来る途中で買った大量の菓子パンが入っている袋、その内の1つを取り出しそのまま齧り付きながら適当に答えた。

 「じゃあ、貴方はこの勝負どちらが勝つと思うの?」

 「‥‥‥そうですね。ナギは私が物心ついた時から傍におり、私に恥じないように昔も今も必死に努力し続けてきました。そのおかげか小学校から高校に至るまでの学生時代は学年内で行われる全てのテストの成績は常に上位、運動面でも他の男子に引けを取らないほどの実力であらゆるスポーツ内で全国大会並みの成績を収めるほどの実力が備わっています」

 そう自身の使用人の事について解説していてもマリィは袋に入っている菓子パンを食べ続けていた。

 「ところで話は変わるけど、どうして貴方はディア…零にそこまで執着するの?」

 「‥‥執着ですか?」

 「そうじゃないの? 初対面である私から見ても貴方は異常なほど零に執着しているわよね?」

 「‥‥そうですか。私にはその自覚は全くありませんでした。‥‥そうですね。強いて言えば彼が私にとって初めての人、でしたからでしょうか」

 「初めてねぇ‥‥それって肉体関係的な?」

 「肉体関係‥‥いいえ、半分合って半分違いますね。詳しくはお教えできませんが、私には生まれつき術とは異なるある能力を身に宿しています。その能力は相手に触れると発動するのですが、以前彼に助けられた際たまたま手に触れる機会がありましたが一体どういうわけかその能力が発動しませんでした。…いいえ、正確には発動はしましたが全く視えませんでした。だからでしょうか? 初めての事に戸惑いもしましたがそれと同時に彼について知ってみたいという気持ちも膨れ上がってきました。

 だから彼についていろいろ調べてみましたが分かったことは彼の通う第3術科学校では他生徒や教師から『無能』扱いを受けているということだけ。それ以外は全く何も分かりませんでした。‥‥お尋ねしますが貴方は彼が無能と呼ばれていることはご存じだったのでしょうか?」

 「とっくに知っているわ。でも私は零が無能って呼ばれていようが興味ないし」

 「それに‥‥」と手に持っていた菓子パンを食べ終えて追加でもう1言加えた。

 「零は無能って呼ばれていても特に気にしている様子はないわ。好きに呼ばせればいいって放置しているほどだし‥‥確かその方が都合が良いって言っていたわね。まぁ零は目立つことはあんまり好きじゃないし、だからわざと無能って呼ばれるよう仕組んだかもね」

 「都合がいい? 仕組んだ? 一体それはどういう意味なのですか?」

 「そんなに知りたければ直接聞いてみればいいじゃない。‥‥まぁ、零に答える気があればの話だけど」

 「質問はもういいかしら?」と言い終えると同時に袋に入っている菓子パンを取り出して再び食べ始めるマリィであった。

 花里マリィとの質問はここで終了した。これ以上質問をしても彼女は答えるつもりはないだろう‥‥。どうして無能と呼ばれるよう仕組んだのか、どうしてその方が都合がいいのか、星乃零が無能と蔑まされていること以外何も知らない鳳凰慈麗奈がいくら考えても答えは出なかった。


 「この勝負私が勝てばお前は2度とお嬢様と関わりを持つな」

 ‥‥いや、一方的に向こうから関わりに来ているのだけど。

 「お前のような野蛮な男どもがいるせいでお嬢様にもしものことがあったらどうしてくれる」

 ‥‥俺をそんな野蛮な男枠に入れないで欲しい。

 「お嬢様は私の事だけを見てくれればいい。お嬢様に声を掛けてくる男なんてこの世から居なくなればいい」

 「‥‥鳳凰慈さんに好意を持っているのか?」

 先ほどと同じく心の中でそう言おうと思ったが思わず声に出てしまった。

 「お嬢様は将来この国をより良くするために欠かせない存在で私はお傍に使えるだけの存在だ。そんなお嬢様に好意を持つ男など誰であろうと許されるはずがないだろ。故にお前は許されない好意をお嬢様に抱いた罰として徹底的に叩きのめしてやる」

 一方的にそう宣言するのであった。

 正直俺はこの勝負に関しては興味はないどころか一方的に決められたため適当にしてわざと負けようと思っていた。でも、こちらに非がないのに一方的に言われ放題のも釈然としないため

 「じゃあ、その言葉そっくりそのまま返してやるよ‥‥。徹底的に叩きのめす」

 同じようにそう言い返したのであった。

 そしてそれと同時に3本勝負の開始合図が鳴るのであった。


 花里マリィはこの勝負の勝敗など始めから興味がない。が、それはただ興味がないという事ではない。何せ勝敗は目を瞑っていても分かるからである。話を聞いたところ鳳凰慈ナギという人物は学生時代は成績優秀、スポーツ万能と優秀な生徒だったらしい。対して零は鳳凰慈ナギのような成績優秀でもなければスポーツ万能ではない。他の人間が見ればどちらが勝つかなんて分かりきったことで素人がスポーツのプロ選手に戦いを挑むようなものである。つまり零が鳳凰慈ナギに勝利することなど不可能、あり得ないのである‥‥。が

 『まぁ、あの鳳凰慈ナギっていう女性がただの人間である限り、ディアに勝利することなんてまず不可能でしょうね』

 そんなことを心の内にとどめながら菓子パンをさらに食べるのであった‥‥。


 鳳凰慈ナギにとってこの3本勝負は圧倒的な実力差をつけて余裕で勝てると思っていた。そう思えたのは星乃零に関して徹底的に調べ上げたからである。自身が仕える鳳凰慈麗奈がそれほどまで執着する男子なのだからきっとすごい成績を出しているのか僅かばかり期待していた。だが蓋を開けてみれば散々だった。通っている学校では無能と呼ばれ、勉学の成績は平均並み、運動神経も同じく平均並みとそこら辺に転がっている男子と変わらず、特別な何かすら持っていなかった。だからこの者については何の大したことのないただの野蛮な男子と認識していたのであった。そんな彼が鳳凰慈麗奈に近づくことなど言語道断、万死に値する。だからこれ以上親しくならないようこの3本勝負で直々に天誅を下し関係を絶てば鳳凰慈麗奈はより一層この国に尽くしてくれる‥‥‥そう思っていた。だというのに

 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ‥‥‥‥‥」

 「どうしたの? まだバスケが終わったばかりなのに、そこまで息を切らしていたら次の球技で持たないよ」

 「だま、れ! 私は、鳳凰慈家の、使用人として、負けることなんて、許されない、のだ」

 「ふ~~ん。あっそ」

 3本勝負の始めはバスケであった。ルールは1対1で制限時間の10分でどちらがより多くの得点を入れられるかの試合形式で行う内容であった。結論から言えばその結果は30対2で星乃零の圧勝で終えるのであった。試合開始時ジャンケンで始めに鳳凰慈ナギからのボールでスタートし試合開始の合図とともにゴールに向かって走っていった。その動きはプロに近いような俊敏な動きでそのままレイアップシュートで先手の2点を獲得した。このままナギのペースになると誰もが思ったのだが零がボールを持って試合が再開された途端誰もが驚くようなことをしたのであった。それは開始ブザーと同時にその場から持っていたボールをゴールポストめがけて投げたのであった。零が投げた場所は自身のゴールポスト付近からなので相手ボールポストまでの距離は約28メートルあるのだった。いくらプロでも相手ポストまで投げるとしても14メートルぐらいだろう‥‥。誰もが不可能と思ったが零が投げたボールは14メートル切っても飛距離は落ちないどころかどんどん距離を伸ばしていき‥‥‥そのままストンと相手ポストに入るのであった。開始してからまだ1分程度しか経っていないのに、零はまだドリブルすらしていないのにもう3対2で逆転したのであった。ナギは一体何が起きたのか理解に追い付いていなかったが気持ちをすぐに切り替えてブザーが鳴ったと同時にドリブルを開始した。だがここでゴールポストまで14メートルの所であることに気付いた。先ほどまでドリブルしていたボールがすでになく空を切っていたのであった。一体どこへ行ったのか、そしてすぐに分かった。得点のブザーが鳴ったため後ろを振り向いてみると先ほどまでポスト付近にいたはずの零がすでにナギのゴールポストまで移動しておりそのままレイアップシュートで2点を獲得していたのであった。2分経たずに5対2となっていた。今度はボールを取られないように左右交互でドリブルしながらポストへ向かったのだが先ほどと同様14メートルほどまで進むといつの間にか手元からボールが消えており、ふと隣を見れば零が14メートルからスリーポイントシュートを行いボールを目線で追うとそのままストンとポストに入る光景が見えたのであった。8対2となるのであった。

 その後もナギがドリブルで14メートルほどまで進む度に手元にあったボールが瞬時に消え、その度に零のレイアップシュートやスリーポイントシュートを決めるのであった。10対2、13対2、17対2、23対2、27対2‥‥と零は次々得点を入れ続けそして制限時間の10分が経つと同時に丁度30対2となりそのまま3本勝負の内の1回目の試合が終了したのであった‥‥。

 第1試合目が終了し鳳凰慈ナギは息をすでに切らしているのに対して星乃零はというと一体どういう事なのか息を切らしていないどころか汗1つすらかいていなかった。そして当然だがこの試合を見守っていたお客たちも零の異常さに度肝を抜かれており、中には化け物を見るような目で見たり、「彼は本当に人間かなのか?」とヒソヒソ言う者もいるのであった。

 ちなみに実況担当の少女はあまりの光景に唖然としているのであった‥‥。

 

 

 

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 大体1分ぐらいで見終われるように書いております。  内容次第では少し長くなります。
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